漢方薬 中医師 漢 方

脾気虚・脾陽虚・中気下陥の症候とともにみられる出血で、気の固摂作用が減弱したことによるもので、気不摂血ともいいいます。

血管壁平滑筋の弛緩・血小板無力症・プロトロンビン減少その他,血液凝固因子の欠乏などによる出血であると考えられます。
血小板減少性紫斑病・血友病・不正性器出血・痔出血・慢性鼻出血などで見られます。
【主症状】
脾失健運にみられる症候以外に,鼻出血・皮下の点状出血あるいは紫斑・血便・血尿・月経過多・不正性器出血などの出血症状が見られます。出血の色は淡紅色で,慢性で反復性の出血が一特徴であるが,ときに大量出血することもあります。
出血が反復持続すると次第に血虚の症候が生じ長期にわたると血オの症候も発生します。
【論治】
治法は益気摂血で,党参・人参・黄者・灸甘草などの補気薬を基本とし,補陽薬・升提薬を適宜加え,これに伏竜肝・交葉・乱髪霜・.白及・繭節などの温性あるいは収渋性の止血薬を配合します。血虚をともなうときは熟地黄・阿膠・酸葉仁・遠志などの補血薬を,血痕をともなうときは当偏・鶏血藤・赤荷・三七・益母草・紅花などの活血化癖薬を配合します。
【代表方剤】
●補血剤…帰脾湯
●止血剤…黄土湯・柏葉湯など。