漢方薬 中医師 漢 方

気が減少する事です。気が不足している状態です。消化機能が衰えて栄養が行き渡らなくなるため、心身の活動性に支障が起こり、だるさ・疲労・食欲不振・風邪をひきやすいなどの症状が現れます。
気の働き(推動・温煦・防御・固摂・気化)が不足した状態です。疲労倦怠感、食欲不振、泥状便、息切れ、脈無力などの症状があります。

気虚の症状:からだのエネルギー不足
●やる気がない
●疲れやすく体がだるい
●風邪を引き易い
●少し動くとすぐ汗をかく
●声に力がない
●めまいがする
●動悸がする
●息切れする
●胃がもたれる
●食欲があまりない
●一度にたくさん食べられない
●お腹を下し易い

必要なものが不足 ⇒ すなわち の状態
気虚
エネルギーの低下の状態 更に不足すると       ⇒ 陽虚 熱分が不足の状態
元気・やる気がない
疲れ易い・食欲減退
風邪を引きやすい
冷える・寒がる
寒虚証
血虚
滋養分が不足 更に不足すると      ⇒ 陰虚 陰分が不足の状態
目の疲れ・こむら返り
皮膚がかさつく・不安感
ほてる・寝汗
だるい・やせる

熱虚証
津液不足
潤いの不足
喉の渇き・皮膚のかさつき

気虚の鑑別表
分類 主な症候
気虚一般 元気がない・気力がない・疲れやすい・言葉に力がない・口数が少ない・動きたがらない・汗を
かきやすい・息ぎれ,舌質は淡白あるいは艀大・脈は軟綱で無力
肺気虚 呼吸が浅い・息ぎれ・声に力がない・汗かきなどの症状が顕著で,咳漱・喀疾などがある
心気虚 動悸・息ぎれ・胸が苦しい・不安,脈は結代あるいは遅または数・舌質は淡白で胖代
脾胃気虚 疲れやすい・四肢がだるい・食欲不振・消化不良・腹が張る・便秘あるいは泥状便など,中気下
陥では,下痢・内蔵下垂・脱肛・子宮脱など
腎気虚 頭がふらつく・知力減退・目まい・耳鳴・聴力減退・腰や膝に力がない・尿の余濯あるいは失禁
・夜尿・排尿困難あるいは多尿(とくに夜間)・性機能減退など

気の作用の不足による症候で、臓腑の機能低下・抵抗力の減退(免疫能低下)などがあらわれます。先天性虚弱症・老化・栄養不良・疲労・慢性疾患など多くの原因によって発生します。
【主症状】
一般的な症候は、元気がない・疲れやすい・無力感・声に力がない・口数が少ない・動きたがらない・息切れ・汗かき・風邪をひきやすい治りにくい・食欲不振など全身虚弱の症候であります。
●舌質は淡白です。
●脈は軟細で無力です。
【論治】
治法は補気(益気)です。全身の代謝機能を促進し中枢神経系の興奮・強心などの効果のある人参・党参・黄蓍・灸甘草などの補気薬と、消化吸収を促進する白朮・茯苓・山薬・黄精などの補脾薬を配合します。気陥の場合は柴胡・升麻・葛根などの升提薬を配合します。
【代表方剤】
●補気剤
四君子湯・参苓白朮散・補中益気湯・六君子湯・生脈散・香砂六君子湯など。
●補気薬
人参・党参・太子参・西洋人参・黄蓍・白朮・山薬・甘草・大棗・飴膠。
【飲食物(性味)】
「甘温」「甘平」。ただし果物のように水分の多いものの過剰摂取は避けます。
【養生法】
疲労しないようなゆっくりとした有酸素の運動を、体力に合わせて行います。

●関連リンク
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