漢方薬 中医師 漢 方

腎気虚・腎陽虚;腎気虚は、腎気による固摂作用の減退で、泌尿生殖器系の異常があらわれます。とくに副交感神経系の機能低下による障害ではないかと考えられます。老化による機能衰弱・幼児の神経機能未熟・早婚や性生活不節制による消耗などによって生じます。腎陽虚は、腎虚の程度がすすみ「温煎作用」の減退による寒証(虚寒)があらわれたものです。内分泌機能の低下にもとづく同化作用の減弱・循環不良・脳の興奮性低下などによる症候と考えられます。先天的な虚弱・老化・慢性病による消耗などで発生します。腎陽虚は早晩他臓に影響をおよぼし、脾腎陽虚・肺腎陽虚・心腎陽虚などを生じます。

@腎気虚
腎気による固摂作用の減退で、泌尿生殖器系の異常があらわれます。
とくに副交感神経系の機能低下による障害ではないかと考えられます。
老化による機能衰弱・幼児の神経機能未熟・早婚や性生活不節制による消耗などによって生じます。
基礎になるのは腎虚です。
小児の夜尿症・老人の尿失禁・インポテンツ・早漏などでみられます。
【主症状】
一般的な腎虚の症状以外に、頻尿・多尿・尿失禁・夜尿・排尿後の余渥などの泌尿器系の症状や夢精・滑精・早漏には金鎖固精丸など、老人の多尿・頻尿には縮泉丸など、小児の夜尿には桑嫁婿散など。
A腎陽虚
腎虚の程度がすすみ「温煎作用」の減退による寒証(虚寒)があらわれたものです。内分泌機能の低下にもとづく同化作用の減弱・循環不良・脳の興奮性低下などによる症候と考えられます。
先天的な虚弱・老化・慢性病による消耗などで発生します。腎陽虚は早晩他臓に影響をおよぼし、脾腎陽虚・肺腎陽虚・心腎陽虚などを生じます。
甲状腺機能低下症・下垂体機能低下証・副腎皮質機能低下症・慢性腎炎・ネフローゼ症候群・肝硬変・脳動脈硬化症その他の慢性病末期にみられます。
【主症状】
腎虚・腎気不固の症候以外に、顔色が白い・元気がない・いつも眠い・寒がる・四肢の冷え・腰や腹が冷える・頻尿・尿量過多・夜間多尿などの寒証がみられます。
舌質は淡白で艀大、舌苔は白、脈は沈遅で無力。
【論治】
治法は温補腎陽です。
附子・肉桂・補骨脂・益智仁・仙茅・巴戟天・鹿茸・淫羊董などの補陽薬を主とし、熟地黄・当帰・拘相子・杜仲・山茱萸などの滋陰薬を加えます。
【代表方剤】
●補陽剤…八味丸・右帰丸。
●渋陽固脱剤…四神丸など。