●腎炎・ネフローゼ。
●肝炎で腹水を伴うもの。
●急性腸炎(下痢)または胃炎(嘔吐)。潰瘍性大腸炎にもしばしば効を奏します。
ただし、小柴胡湯の証であることを前提とする。その他、小柴胡湯を用いたい場合で、尿量減少やむくみがあれば、広く用いてよいです。
往来寒熱、胸脇苦悶の方で尿量減少やむくみのある方
水瀉性下痢(泄瀉)・急性胃腸炎・浮腫(むくみ)・肝臓病
水瀉性下痢(泄瀉)、急性胃腸炎(下痢(泄瀉)、嘔吐)、急性腎炎、慢性腎炎、感冒、浮腫、暑気あたり、むくみ、肝硬変、ネフローゼ、クインケ浮腫
1.半表半裏証(少陽病)を呈する急性炎症。
発熱(弛張熱が多い)・往来寒熱・微熱・口が苦い・咽のかわき・食欲がない・悪心・嘔吐・胸脇部が張って苦しい(胸脇苦満)・舌苔は白・脈は弦などに、口渇・水様の吐物・水様の下痢・浮腫などの症候(水湿)を伴うもの。
感冒・インフルエンザ・咽喉炎・中耳炎・耳下腺炎・扁桃炎・肋膜炎・胆嚢炎・急・慢性肝炎・腎盂腎炎・急性胃腸炎などの急性炎症。
2.小児ネフローゼ症候群。特にステロイド減量、再発防止を目的として。
3.慢性腎炎。
4.悪心・嘔吐・口渇・下痢などと軽度の炎症を伴う消化器疾患、あるいは神経性の胃腸疾患。
胃十二指腸カタル・大腸カタル・胃炎・慢性肝炎・神経性嘔吐・過敏性腸症候群・神経性下痢など。
5.自己抗体陽性の習慣性流産、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の排卵誘発補助。
6.関節リウマチの維持療法。
●妊娠中毒症の浮腫(むくみ)の場合によく使用します。
●妊婦または妊娠の可能性のある人は、使用できない場合があります。
●口渇、悪心、嘔吐
●尿不利、浮腫傾向
●胸脇苦満
(source)
西暦1337年 元時代 『世医得効方』 危亦林 19巻。五代にわたる医家の家伝方を根拠として編集したもの。元代の医学を十三科に分けている。内科、外科、婦人科、五官科、小児科および傷科などの疾病の脈病証治を分別して述べている。特に骨傷科病証の治療には、見るべきものがある。→処方使用期間:670年間
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
---|---|---|---|---|
k1569 | (EK-114)2.7g×42包(2週間分) | 16,407円(税込) | ||
k1567 | (KB-114)4.05g×28包(2週間分) | 16,407円(税込) | ||
k1568 | (KB-114)4.05g×168包(12週間分) | 101,638円(税込) | ||
k1570 | (EK-114)2.7g×294包(14週間分) | 109,305円(税込) |
●一日分生薬乾燥エキス量…7.00 g ●一日分価格(税込)…1070円
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
---|---|---|---|---|
k0724 | 42包(2週間分) | 12,037円(税込) | ||
k0852 | 189包(63日分) | 47,084円(税込) |
●一日分生薬乾燥エキス量…6.00 g ●一日分価格(税込)…1146円
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証(症状・体質)判定を望む方は
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※この判定のために、AI(人工知能)のエキスパート・システムを構築しました。
次の症状のいくつかある方は、本方剤が良く効く可能性が大きいです。
…和法:和解あるいは調和の作用によって病邪を消除する治法です。
【中薬大分類】和解剤…調和を行う方剤です。和解の方法により病邪を解除する方剤です。少陽半表半裏の邪を解除したり、肝脾不和・脾胃不和を改善するもので、八法の【和法】に相当します。
【中薬中分類】和解少陽剤…感冒の中期(邪が少陽)に用いる和解剤です。往来寒熱・胸脇苦満・悪心・食欲不振・口が苦い等の症状で用います。
裏熱虚(りねつきょ) …証(体質・症状)が、半表半裏・少陽病(急性~慢性期)、熱証(炎症)、虚証(体力中くらい)、胸脇苦満(肋骨下部の張り)、湿証(水分停滞)の方に適応します。
【気血津・臓腑証】
半表半裏・少陽枢機(はんぴょうはんり・しょうようすうき)…浮腫(むくみ)・水様便など水湿停滞が顕著な方に良く効きます。淡滲利水の五苓散を合方し水湿の除去を強めています。
【証(病機)】水湿(すいしつ)
通陽利水・和解半表半裏
・利水通淋法(りすいつうりんほう)…利水通淋法;膀胱湿熱証、排尿痛、排尿困難、濁尿などの治療法です。
・和解(わかい)…臓腑の機能を調和させて病邪を除く。半表半裏、少陽証の治療法です。
・半表半裏(はんぴょうはんり)…横隔膜に隣接する臓器で、胃、肝、脾、肺、肋膜、心、食道気管支などです。
・水湿停滞(すいしつていたい)…水分の停滞で浮腫(むくみ)、下痢、尿量減少などが起こることです。類語:水毒。
・少陽(しょうよう)…臓腑・経絡のうち腑に属する陽経のひとつです。
【柴苓湯(小柴胡湯+五苓散)の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。
〈胃腸風邪〉 年齢/50歳代後半 性別/男性。身長153cm、やや太り気味。少し吐き気がして下痢気味だが、旅行の予定があるので何とかしてくれと来店された。柴苓湯2g分包を2日分渡した。 旅行から帰って来たら、よく効いたと来店された。ただ、奥様にうつったのか、同じような症状が出たので同じ柴苓湯を2日分出した。その後、奥様にもよく効いたと言われた。 ・現代病名:胃腸型感冒 |
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〈長年の胸の痛みと吐き気が解消した〉 Yさん(47歳・男性)は、少しでも食べ過ぎると胸が痛くなり、吐き気が起こるので、食後は横になるようにしていました。Yさんは胃の底が平らになっている澤状胃だったため、少し多めに食べると腸に流れていくまで胃にためておく場所がないため、胃が動くたびに気持ち悪くなっていたのです。漢方を処方する医師を訪ねると、水はけをよくする五苓散と小柴胡湯を合わせた柴苓湯を食前に飲むように指導されました。飲みはじめてからだいぶ調子がよくなり、現在も常備薬として服用しています。 ・現代病名:胸の痛みと吐き気 |
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〈2日で8,OOOmlの尿が出る〉 高校1年の夏に、腎炎からネフローゼ症候群となって入院したKさん(19歳・男性)。期間を置いて、ステロイド剤を投与する治療法が試みられましたが、効果はみられませんでした。そこで母親が主治医と相談の上、漢方の専門知識を有する医師の診断を受けることになりました。 医師はKくんの腹部、脈、症状、これまでの経過などから実証と判断し、柴苓湯を処方。すると2日間で合計8,000mlもの尿が出て、強いむくみが劇的に解消されたのです。K〈んは1ヵ月半ほどで退院し、むくみがなくなってからは3年ほど小柴胡湯と六味丸を服用した結果、たんぱく尿もみられなくなりました。 ・現代病名:ネフローゼ症候群 |
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〈蕁麻疹(じんましん)〉 高血圧症とアルコール性肝障害…39歳の男性会社員です。主訴はじんま疹。約半月前から全身にじんま疹が出るようになりました。出ると、しばらく痒いが半日ほどで自然に消える。同時に夕方になると、足が腫れます。 最近、少し下痢をしゃすくなったが、食欲はふだんと変わりなく、とくに体がだるいとか、疲れやすいというような感じもありません。日ごろ健康には無頓着なほうで、血圧を測ったり、検査を受けたりしたことはないが、長年、毎日アルコールをたしなんできました。 身長:168センチ、体重68キロ。体格がよく、がっしりとして、いわゆる実証タイプです。血色は良好ですが、顔がややむくんだ感じです。 舌は淡紅色で湿潤し、厚い白苔があり、脈は弦で力があります。脈拍は86/分で整。血圧:163/114で高血圧気味です。 腹壁は厚く平坦で緊張良好、胸脇苦満をみとめます。下肢に浮腫があり、押すと陥凹し、また脛骨陵に結節様の紅斑が数個みとめられます。 主な検査所見はGOT114、GPT115、γ-GTP239、LDH615、総コレステロール値266ミリグラム(血清1デシリットル中)、中性脂肪267ミリグラム(同)と、肝障害と高脂血症があり、アルコールの過剰摂取に起因する脂肪性肝障害のようです。 浮腫や舌の状態、弦脈、胸脇苦満などの所見から、この方は痰飲の証(体内の水分過剰)に肝気鬱結(肝の疏泄作用=後述=の障害)を伴っており、寒熱の状態は熱証と診断されました。そこで柴苓湯エキスを1日7.5グラム、三回分服で処方しました。 一週間後には血圧が123/91に下降し、40日後には浮腫、じんま疹をはじめ自覚症状はすべて消失。血圧は正常、検査所見もGOT38、GPT49、γ-GTP96と改善しました。 漢方では肝には、 ①胆汁排泄と解毒作用を営む ②五臓六賄の円滑な働きを調整する ③さらに怒りの感情を処理し、精神ストレスに対処する などの働きがあると考えられており、これらを総称して「肝の疏泄作用」と呼んでいます。一方、腎は全身の水分代謝を調節しています。 高血圧を起こす最も大きな要因はストレスと水分代謝の停滞による循環血液量の増加で、これに関係が深いのは肝と腎と考えられます。アルコールのとりすぎは体内に湿熱(のぼせと水分過剰)を生じ、肝腎の働きを失調させます。 柴苓湯は、肝の疏泄作用を改善する小柴胡湯と、腎に働いて体内の余分な水分を膀胱から尿にして排泄させる五苓散とを合わせた処方ですから一つの処方でアルコールによる肝障害と高血圧という二つの、一見異なった病気を同時に治すことができたのでしょう。 ・現代病名:蕁麻疹 |
|
組成成分 |
生薬名(herb name) | 薬量(quantity) | 君臣佐使(role) | 効能1 | 効能2 | 効能3 | 効能4 | 効能5 | 効能6 | 大分類 | 中分類 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
柴胡 » |
7 |
君薬 |
疏肝解鬱 |
理気 |
解表剤 |
辛涼解表薬 |
||||
半夏 » |
5 |
佐薬 |
疏肝解鬱 |
理気 |
止嘔 |
化痰 |
化湿 |
止咳 |
化痰止咳平喘薬 |
温化寒痰薬 |
生姜 » |
1 |
使薬 |
理気 |
止嘔 |
化痰 |
化湿 |
解表剤 |
辛温解表薬 |
||
人参 » |
3 |
佐薬 |
補気健脾 |
生津 |
補虚薬 |
補気薬 |
||||
大棗 » |
3 |
使薬 |
補気健脾 |
生津 |
安神 |
補虚薬 |
補気薬 |
|||
甘草 » |
2 |
佐薬 |
補気健脾 |
生津 |
補虚薬 |
補気薬 |
||||
黄芩 » |
3 |
臣薬 |
瀉火 |
清熱剤 |
清熱燥湿薬 |
|||||
猪苓 » |
3 |
臣薬 |
利水止瀉・消腫 |
利水滲湿薬 |
||||||
沢瀉 » |
5 |
使薬 |
利水止瀉・消腫 |
清熱 |
利水滲湿薬 |
|||||
白朮 » |
3 |
佐薬 |
利水止瀉・消腫 |
健脾 |
補虚薬 |
補気薬 |
||||
茯苓 » |
3 |
君薬 |
利水止瀉・消腫 |
健脾 |
利水滲湿薬 |
|||||
桂皮 » |
2 |
使薬 |
理気・散寒(通陽) |
解表 |
解表剤 |
辛温解表薬 |
・君薬…方剤配合中の主薬で、症状に対して主に作用する薬物です。 |
1.柴胡・黄芩は、消炎・解熱・抗菌作用をもち、炎症を鎮める(清熱)。
特に柴胡は、往来寒熱を呈する発熱を緩解する。
2.柴胡・甘草(炙甘草)・大棗は、鎮静作用をもち、自律神経系の調整に働いて、いらいら・不安・憂うつ感・緊張感などを鎮める(疏肝解欝)。半夏・黄芩・茯苓も、鎮静作用によりこれを補助する。
3.半夏・生姜は、中枢性・末梢性に強い制吐・鎮嘔作用をあらわし、悪心・嘔吐を止め、蠕動を調整する(理気・和胃止嘔)。
4.半夏・生姜・甘草(炙甘草)は鎮咳し、痰の抑制に働く(化痰止咳)。
5.人参・白朮・甘草(炙甘草)・大棗は、消化吸収を強め、全身の機能や抵抗力を高める(補気健脾)。
6.柴胡・黄芩は利胆作用をもち、柴胡・黄芩・甘草(炙甘草)は肝庇護に働き、肝細胞損傷を軽減する。
7.白朮・茯苓・猪苓・沢瀉は、組織中や消化管内の水分を血中に吸収し、利尿作用により排除する(利水)。この結果、浮腫の消退(消腫)や下痢の緩解(止瀉)の効果が得られる。
8.桂皮・生姜は、血管拡張により血行を促進し、消化管の分泌を強め、蠕動を促進して他薬の効果を強める。また、軽度の発汗・解熱作用をもつ(解表)。
(補足)
本方は、小柴胡湯に五苓散を合方したものである。
「半表半裏証」に水分の吸収・排泄障害による下痢や浮腫を伴う状況に用いるとよい。本方も燥性が強いので注意を要する。
小柴胡湯と五苓散の合方で、重複するものがないので、二つの方剤がそのまま加えられた形になっています。
小柴胡湯の証(胸脇苦満があって、軽度の虚証と見られる場合)で五苓散の証(この場合は主として尿量減少と水分停滞傾向を目標とします。口渇もあるのを原則としますが、必須条件ではありません。頭痛・嘔吐・下痢を伴うこともある)を兼ねる場合に用うべき方剤です。
※神農:三皇五帝のひとりです。中国古代の伝説上の人といわれます。365種類の生薬について解説した『神農本草経』があり、薬性により上薬、中薬、下薬に分類されています。日本では、東京・お茶の水の湯島聖堂に祭られている神農像があり、毎年11月23日(勤労感謝の日)に祭祀が行われます。