胸脇部から上腹部の緊張が強く、虚証で貧血傾向のある方
肝脾不和(神経症・過敏性結腸炎)
神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症、神経症、神経衰弱、ヒステリー、夜の歯ぎしり、てんかん、不明の発熱、更年期障害、血の道症、神経性斜頸、癇癪持ち。
●イライラして感情をコントロールできない人におすすめなのが抑肝散です。
●「肝」は「疳の高ぶり」の疳と同じ意味で、抑肝散は疳を抑える薬として、古くから用いられてきました。
●怒りやすい、待てない(我慢できない)・.眠れないという三つの要素がどれか一つでも当てはまるという人は、抑肝散を飲んでみてはいかがでしょう。飲むと興奮や緊張がスーツととれて気持ちが落ち着きます。
●ちなみに、抑肝散は赤ちゃんの夜泣きがあるときに、母親と子供に一緒に飲ませて親子の興奮をともに静める母子同服がとられる薬としても知られています。
●イライラがずっと続いて体力を消耗した人は、抑肝散に陳皮と半夏が加わった「抑肝散加陳皮半夏」を使用してください。
●妊婦または妊娠の可能性のある人は、使用できない場合があります。
●イライラ、興奮しやすい
●腹直筋の緊張、筋痙攣(けいれん)
●心下痞硬(しんかひこう)
(source)
西暦1555年 明時代 『保嬰撮要』 蒔鎧 20巻。前10巻は嬰児の初生護養法、小児疾病診断法および幼児内科雑病の証治、後10巻は小児外科、皮膚科および痘疹の症治と医案を述べている。→処方使用期間:452年間
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k0665 | 42包(2週間分) | 3,822円(税込) | ||
k0793 | 189包(63日分) | 16,319円(税込) |
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証(症状・体質)判定を望む方は
証の判定メニュー画面へ »
※この判定のために、AI(人工知能)のエキスパート・システムを構築しました。
次の症状のいくつかある方は、本方剤が良く効く可能性が大きいです。
…消法:消食導滞・散結消堅の効能により、気・血・痰・食・水・虫などが積聚した有形の滞結を徐々に消散させる治法です。
【中薬大分類】治風剤…風(ふう)の邪による失調を治す方剤です。即ち、外風を疏散したり、内風を平熄する効能をもち、風病を改善する方剤です。
【中薬中分類】平熄(そく)内風剤…体内に発生した内風を治す方剤です。内風は「身中陽気の変化」で、熱盛により肝陽が亢盛になって化風したり、陰血不足のために肝陽偏亢になって動風を生じるもので、肝陽の偏亢に続発してひきおこされる「風うちより生ず」の病変です。
裏熱虚(りねつきょ) …証(体質・症状)が、裏証(慢性症状)、熱証(炎症)、虚証(やや虚弱)、血虚(血流不足・貧血症状)、気上衝(のぼせ・イライラ・緊張・不安)の方に適応します。
【証(病機)】肝陽化風(かんようかふう)
平肝熄風・補気血
・平肝(へいかん)…肝の機能亢進状態を改善することです。
・熄風(そくふう)…眩暈(めまい)、ふるえ、痙攣(けいれん)などの状態を改善することです。
・熄風法(そくふうほう)…内風で起こる、めまい、ふらつき、痙攣、震えなどの治療法です。類語:平肝熄風法。
・補気(ほき)…気を補う=益気のことです。
・補血(ほけつ)…血を補うことです。=益血、養血。
本方剤の適応する使用目標は次のとおりです。
●長く苦しんだ病後、または虚弱気味で疲れている。
●不機嫌でイライラし、怒りやすい。
●神経過敏、またはせっかちである。
●興奮して夜眠れない。
●筋肉がけいれんしたり、緊張する。
【抑肝散の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。
〈ひどい夜泣きが1週間で治まった〉 2歳の男の子を持つ母親が「息子は敏感な子どもで摘が強く夜泣きがひどい」と漢方薬局に相談に来ました。連日のように続く子どもの夜泣きのせいで、母親の表情はうつろで明らかに疲れがたまっているようでした。漢方薬局では、癇の強い夜泣きに効く抑肝散を勧められました。この漢方薬は苦みがわずかにあるので、細粒にしてミルクに混ぜたり、ジュースに入れるなどして、1日3回(分量は1g以下程度)飲ませたところ、約1週間で癇の虫が治まり夜眠れるようになったそうです。その即効性には母親も驚いてしまい、以来夜泣きで同じように悩んでいる母親を見ると、漢方薬を使ってみるように勧めているそうです。 この症例では抑肝散が処方されていますが、同じ夜泣きでも胃腸の弱い子どもには甘麦大棗湯が有効だと考えられています。甘麦大棗湯は、味が甘く苦みも少ないので、子どもにとっても飲みやすい漢方薬の1つです。大人が飲んでも神経が落ち着いてリラックスできます。そのため、不眠症の改善にもよく用いられる処方です。 ・現代病名:夜泣き |
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〈認知症が消えた〉 B子さん(76)は、70歳を過ぎたころから少しずつ物忘れが目立ってきた。3年ほど前から、「部屋に知らない男性がいる」と幻覚に悩まされ、しばしば近所に助けを呼びに行くようになり、家族が東北大学病院の老年科「物忘れ外来」に連れてきた。症状の特徴やMRI(磁気共鳴映像法)検査、脳血流をSPECTで調べた結果、レビー小体病と診断し、荒井教授が抑肝散を処方したところ、2週間後には幻覚を訴えなくなった。 だいぶよくなったからと、家族が抑肝散の服用をやめさせた。すると再び幻覚が表れ、あわてて抑肝散を処方してもらったところ幻覚がほぼ消失し、いまでは落ち着いているという。 ・現代病名:認知症 |
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〈ヒステリー症〉 43歳の婦人。二年前から胃腸障害を訴えていた。本証は約六カ月前から発している。頭を絞めつけられるような頭重感・めまい・耳鳴り・視力もうろう・歩行時足が地につかず、フラフラとして、急に穴に引き込まれるようになる。何かショックをうけるような話を聞いたり、見たりすると、たちまち脳貧血を起こして倒れる。これが恐ろしいので単独外出ができない。また怒りっぽい癖があって、道で他人に会って、その人の着物の着方が気に入らぬと腹が立ってくるという。それらは経行前後に著明である。電車の中で心悸元進や脳貧血を起こすことが恐ろしく、同伴者がなければ外出できない。市電ならば途中で止めてもらえるから乗れるが、汽車や国電は乗ることができない。刃物を見ると自分はこれで自殺するのではないかとか、自分は気違いになるのではないかという予期恐怖がある。 この患者は上流家庭の夫人で、可能な療法は何でも受けてきた。最近某大学病院でワ氏反応陽性といわれ、サルバルサンの注射を受けたところ、全身状態が悪化し、発熱臥床して数日間苦しんだ。以来鰺々として籠居の状態であった。この患者の体質は痩せ型、胃下垂、皮膚軟弱で腹部も全般に軟かで、左の膀傍より心下に及ぶ大動悸が著明に触れるのであった。 そこで浅井家腹診書に従って抑肝散加陳皮半夏を投与した。すると服薬五日にして患者は単独で来院した。 顔色は別人のように活気づき、歩行もしっかりして、患者は半年ぶりでひとりで外出することができたと大得意であった。服薬三日後には諸症状消散して、全身に活気がつき、室内の掃除を自発的にするようになり、女中が不思議だと驚いているという。腹診してみると初診とは全く一変して腹カがつき、あの大動悸が静かになっている。以来半年問の服薬を続けたが、毎年冬には風邪をひきどおしであったが、今年は一度もひかず、また例年の冷え症が大変よいといって感謝された。知人に会うと顔色はよいし、元気で太ったといって驚かれるということである。 ・現代病名:ヒステリー |
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〈神経性斜頸に抑肝散〉 21歳の未婚の女性。医師の診断は神経性斜頸と、左側胸乳筋痙攣性収縮というものであった。初診は昭和33年四月のことであった。昨年三月、患者は東京の某女子短大を卒業したが、そのころから、本病が起こった。七月ごろから漸次増悪して秋ごろには全く正常体位を保つことができなくなった。そこで本年一月に上京して某大学病院の診察をうけたところ病名は同じで、内服薬や電気治療をしてくれたが全く効果がなかった。現在中等度の斜頸で、左上半身は肩をすぼめたようにゆがみ、脊椎は左側に湾曲し、努力して正常位にすればすぐまた傾いてしまう。 脈は沈緊、心下季肋下部は硬く、腹直筋も緊張し、とくに左右の側腹部胆経が過敏である。両便月経正常、感情的にとくに変化はないが、気の早い性質である。すべて全身的に筋肉は硬く触れ、刺激に対しては敏感である。 よって本証を抑肝散の証とし、これに芍薬甘草湯を合方し、項背こわばるものとして葛根を加えた。 当帰・川弓・白・扶苓・釣藤・芍薬・柴胡・甘草 各3.0 葛根5.0 この薬を一カ月服用後は気分的にも一進一退の状態であったが、ニカ月後には急に好転し、筋肉の緊張も緩解し、三カ月間の服用で全治した。本例は患者を紹介してくれた針灸家の治療も、大いにあずかって力あったことと思われる。 ・現代病名:神経性斜頸 |
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〈チック病〉 八歳の少女。約一カ年ほど前から、しきりにまばたきをしたり、鼻をゆがめたり、クンクンのどを鳴らしたり、顔をゆがめたり、とても忙しい格好をするようになった。またときどき外陰部をいろいろの物体にすりつけたり、手でいじったりして困るという。 医師はチック病と診断し、薬はないといわれたという。母親の語るところによれば、かなり神経質らしい。 腹診上、上腹部で、腹筋がやや緊張している以外に特別な所見はない。 抑肝散加厚朴芍薬として与えた。二週間服用したがややよい。三ヵ月後にはほとんど全治したかに見えたが映画を見て恐ろしくなり、夜中にとび起き大声でわめいたり、不眠を訴えたりして、七ヵ月かかったが、これでよくなった。 この方は俗にいう癇がたかぶって、怒りやすい人、筋肉がひきつれたり、ふるえたりするものに用いることが多い。脳出血・脳膜炎・日本脳炎などのうち、いつまでも手足がふるえたり、ひきつれたり、感情がいらいらしたり、たかぶったりするものに用いる。 ・現代病名:チック病 |
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〈クル病〉 昭和17年の10月下旬、顔色のわるい男の子を母親が背負って来院した。この子は三歳になるというのにまだすわることもできず、手も足もあまり動かさず、ただ瘤ばかり強く、朝から晩まで、アァアァと泣きどおしで、きげんが悪くて困るという。風邪をひきやすく、すぐ40度近い熱を出すことがある。私は瘤が強くてきげんが悪いというのを、目標として抑肝散を与えたが、これをのみ始めてから、落ちついて夜も眠れるようになり、ぐんぐん体力がっき、風邪もひかなくなり、半ヵ年ほどで歩くようになった。 昭和25年の秋、私は往診先で、偶然この子に会ったが、りっぱな学生になり、学校の成績もよいということであった。 ・現代病名:クル病 |
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〈脳出血後遺症〉 舞踊の家元の婦人が脳出血で左半身が不自由になった。この婦人は勝気で、計画が実行できないと、気が立ってよく怒り、左手を動かすとその手がしきりにふるえる。足も突っぱった感じで思うように運ばない。夜もよく眠れない。 私はこれに抑肝散を用いたが、薬をのむと気分が静まり、安眠できるようになり、手足も軽くなり、ひとりで歩けるようになった。 ・現代病名:脳出血後遺症 |
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〈痙性斜頸が3週間で治癒〉 Iさん(38歳・男性〕は、プランニング会社の管理職として、忙しい毎日を送っていました。ある朝、自分の意思に反して首が勝手に横や前後に倒れるようになってしまいました。首の筋肉がとても痛み、一時も休まりませんが、夜になって体を横にして休むと緩和するのです。 漢方を扱う医師にみてもらったところ、問診と腹診から精神的緊張による痙性斜頸と診断され、抑肝散加芍薬甘草湯が処方されました。 同時に、仕事のペースを落として生活を改善するよう指導され、実行したところ約3週間で症状が治まったそうです。 ・現代病名:痙性斜頸 |
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組成成分各生薬の詳細説明にリンクします。 |
●小児から大人の疳証(かんしょう)にも応用 |
●女性の月経前やテクノストレスにも抑肝散 |
左の写真は当帰の花です。 |
認知症の症状は、大きく2つに分けられる認知症の直接の原因である「脳の細胞が壊れる」ことで起こる症状を「中核症状」といい、認知症の方であれば誰しもが抱える症状のことを言います。一方、周辺症状とは「行動・心理症状」とも言われます。最近ではBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)という略語も登場しています。認知症は本人が元々持ち合わせている性格や置かれている環境が大きく作用し、症状もある程度分類は出来ますが複数の症状が重複する方もおられるため多様化します。人によって症状が異なるので、全く同じ症状の方は居ないと言っても過言ではないのです。 中核症状と周辺症状の関係A「認知症が発症して今まで出来ていた事…掃除や洗濯等の家事や趣味で行ってきた活動が認知症という病が原因で少しずつ上手く出来なくなってきた」B「その方は落ち込みやすく、Aが原因で精神的に不安定になった」 Aだけの状態であれば、中核症状のみということになります。 しかし、人には性格があり、失敗を気にしない人もいれば深く落ち込む人もいます。Bのように落ち込みやすい性格の方の場合「不安」の周辺症状が出てくることもあります。また、自分に厳しく「何故出来ないんだ」と自分を追い込むような性格の方だと「焦燥(焦り・怒り)」に変わる可能性もあります。 周辺症状には必ず「中核症状と本人が持ち合わせた性格や環境に起因する理由」があり、その理由を理解し適切な対応をとることで本人が穏やかに生活する事が可能となります。逆に理解されない事で周辺症状がより悪化し介護が困難となるケースもあります。 |
●抑肝散は中国の明時代の漢方医・薛鎧(せつがい)による小児の治療書『保嬰撮要』(ほえいさつよう)に初めて記載されたとのことです。