①心不全、②心臓性喘息、③肺水腫、④腎炎。通常、心下居堅(しんかひけん)といって、心下部が板のように堅くなり、尿量減少と浮腫があって、息切れ・動悸・喘鳴などを伴うことを目標とします。
熱湿証の方
気虚血瘀型心不全・心臓喘息(ぜんそく)
鬱血性心不全、腎臓疾患、浮腫、心臓性喘息、心内膜炎、心臓弁膜症、慢性腎炎、ネフローゼ
●妊婦または妊娠の可能性のある人は、使用できない場合があります。
●心下痞堅
●呼吸促迫、喘咳
●うっ血性心不全の兆候
(source)
西暦250年 三国時代 『金匱要略』 校訂 東漢・張機(仲景)著。原著は《傷寒雑病論》という。北宋の王叔和は《金匿玉函要略方》全3巻を記録し伝えた。その伝本を林億らは《金匿要略方論》と改名した。全25巻、方剤262方、内科雑病、婦人科、救急、飲食禁忌などについて述べられている。漢代以前の豊富な臨床経験を総結し、弁証論治および方薬配伍の一般原則を記している。→処方使用期間:1757年間
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k2159 | 2.0g×42包(2週間分) | 3,932円(税込) | ||
k2160 | 2.0g×231包(77日分) | 18,608円(税込) |
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k0650 | 42包(2週間分) | 4,699円(税込) | ||
k0778 | 189包(63日分) | 18,608円(税込) |
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証(症状・体質)判定を望む方は
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※この判定のために、AI(人工知能)のエキスパート・システムを構築しました。
次の症状のいくつかある方は、本方剤が良く効く可能性が大きいです。
【中薬大分類】祛湿剤…停滞した水液(湿)を除去する方剤です。
【中薬中分類】利水滲(しん)湿剤…湿を排泄する方剤です。
裏熱実(りねつじつ) …証(体質・症状)が、裏証(慢性症状)、熱証(炎症)、虚証(やや虚弱)、湿証(水分停滞)の方に適応します。
【証(病機)】飲停胸隔(いんていきょうかく)
瀉熱逐飲・利水滲湿・益気・清熱
・瀉熱(しゃねつ)…熱の過剰な状態を改善することです。
・利水(りすい)…腎を温めて、脾を健全にすることです。尿や発汗のことです。水気を下行させて通利することです。利尿、導尿がそれです。薬物では猪苓・沢瀉・通草などにその作用があります。
・益気(えっき)…気を補充することです。
・益気法(えっきほう)…気虚を補う補法のひとつです。
・清熱(せいねつ)…熱をさますことです。身体の内部の熱を冷ますことです。体表の熱の場合は解熱といいます。
本方剤の適応する使用目標は次のとおりです。
●脈やおなかが非常に弱い人には用いない。
●動悸、息切れがする。
●息苦しく、横になって寝ていられない。
●心下部(みずおち辺り)が板のようぜんがいに硬く、喘咳(ゼーゼーしたせき)がある。
●全身の中でも特に下半身にむくみがある。
●のどが渇き、水分を取っても尿量が少ないが、横になると尿意をもよおす。
●顔色が薄黒い。
●脈は沈んでいて緊張している。
【木防已湯の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。
〈心臓性喘息〉 65歳の男性。8ヵ月前より毎夜喘息様発作が起こり、増悪するばかりであった。発作は毎夜半、痰が出るまで苦しむ。脈は弦大浮で、腹は肝臓が5横指ほども肥大し、上腹部一体が板のように硬く触れる。大便は秘結し、夜2~3回排尿があり、尿中蛋白、ウロビリノーゲンともに陽性。発作時は口渇が甚だしく、下肢浮腫がある。 増損木防己湯を与えたところ、漸次快方に向かい、発作の回数が少なくなり、肝臓の肥大が減じて2横指ぐらいとなった。 ・現代病名:心臓性喘息 |
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〈心臓弁膜障害〉 41歳の男性。顔面浅黒く、口唇暗紫色、15年前に関節リウマチに罹患し、約4年前から心悸、呼吸困難 が起こった。 自覚症は大便1日1回、小便20回、心悸・呼吸困難・咳漱・頭痛・心下部居塞感・発汗傾向がある。 他覚症は、脈沈緊・舌少し白苔・心下部に強い抵抗・圧に対して不快感・心濁音界拡大・収縮期雑音が著しい。 木防已湯を与え、5日後に心悸と咳漱消退、1ヵ月でほとんど自覚症が消失して就業、1年3ヵ月服用して腹部心下部症状がほとんど正常となった。 ・現代病名:心臓弁膜障害 |
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〈心臓性喘息と腹水〉 63歳の男性。70キロ以上の太った人で、腹部は太鼓のように突き出ている。一見して顔色が紫色に鬱血して、手の甲は丸くなるほどむくんでいるのがわかる。下肢にも中等度の浮腫があり、腹水もたまっている。 主訴は、呼吸困難で、歩行時とくにひどい。横臥不能で、腹水と四肢の浮腫があり、腹囲は1メートル5センチもある。心下部は肝臓の腫大のため、盆を半分のみこんだように堅く触れる。按ずと圧痛苦悶を訴える。心持動不整であるが、雑音は著明でない。脈は沈緊である。尿は100㏄ぐらい数回、蛋白中等度、血圧は115/85、心臓と肝臓と腎臓が悪いといわれ、4ヵ月も入院していた。 この患者の症候はすなわち「その人喘満、心下痞堅、面色黎黒、脈沈緊」の条文にあてはまるものである。 分消湯は効なく、木防已陽加茯にすると、10日分で呼吸困難、胸内苦悶は拭うようにとれた。初診時は家人の肩につかまってやっと来院したが、2回目のときは途中休まず平気で歩いてきた。尿量増加して腹水も浮腫も消失し、心下部も軟かとなり、横臥可能となり、仕事も少しずつできるようになった。 ・現代病名:心臓性喘息と腹水 |
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組成成分 |
方剤の名は木防已湯ですが、使用経験より見て、木防已を用いず、防已(漢防已)を用いるのがよいとされています。
石膏は強い寒性薬、防已は利尿薬で、この二つが主薬を成しているので、本方剤は熱証用で湿証用と言うことができます。防已・石膏・桂枝はいずれも発散薬で、停滞した水分を発散させる方剤です。
石膏・防已という強い潟性薬が入っているので、著しい虚証には用い難いですが、桂枝・人参、ことに人参という補性薬が入っているので、息切れなどの虚証症状はあってもさしつかえありません。
※神農:三皇五帝のひとりです。中国古代の伝説上の人といわれます。365種類の生薬について解説した『神農本草経』があり、薬性により上薬、中薬、下薬に分類されています。日本では、東京・お茶の水の湯島聖堂に祭られている神農像があり、毎年11月23日(勤労感謝の日)に祭祀が行われます。
●心臓にかかわる慢性症状に応用 |
体内にある水毒を排出する働きに優れ、皮膚の腫れやむくみ、あるいは組織間にあるむくみなどの浮腫を解消し、硬くなった部位を緩めて、呼吸困難、動悸、口渇、尿量減少などを改善します。心臓性ぜんそくをはじめとする心臓疾患を中心に、ネフローゼなどの腎臓病にも用いられます。