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概 要

●風寒の邪が束表して表閉営欝をひきおこし、さらに少陽の気機を阻滞した状態です。

こんな方に

悪寒、無汗、身体痛、発熱、頭痛、咳嗽の方

主 治

身震いするほどの強い寒気がある風邪/表寒熱欝

適応症

感冒、インフルエンザ、気管支炎肺炎

妊娠・授乳の注意

女性

●妊婦または妊娠の可能性のある人は、使用できない場合があります。

診断のポイント

●発熱悪寒が激烈
●無汗
●煩躁

出典書籍

出典書籍 (source)
西暦250年 三国時代 『傷寒論』 校訂 六経によって急性熱病を識別し、治療する方法について説明している。→処方使用期間:1757年間


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中医学の証・解説

八 法

汗法:肺気を宣発し営衛を暢調にして膜理を開泄することにより、「遍身にちゅうちゅうと汗出づ」の状態にし、肌表にある外邪を汗とともに解除する治法です。

【中薬大分類】解表剤…発汗、解肌、透疹等をうながして、初期の感冒等表証に対処する方剤です。主に外感病の初期に使用します。

【中薬中分類】辛温解表剤…温めながら解表(体内表面の邪気を除く)する方剤です。風寒表証(表寒)に用います。

八綱分類

表(裏)寒(熱)実(ひょう(り)かん(ねつ)じつ) 表 裏 寒 寒 熱 熱 実


【気血津・臓腑証】
辛温解表・清熱(表寒裏熱)表寒裏熱に対する代表的方剤です。
「太陽中風、脈浮緊、発熱悪寒し、身疾痛し、汗出でずして煩躁するもの」に用います。すなわち、悪寒・無汗・脈浮緊の表寒・表実を呈するにかかわらず、体内に熱が欝して体の熱感・煩躁がみられる状態に適しています。
幸温解表の麻黄・桂伎・生姜で強く発汗して体内の熱を放散し、清熱の石膏で裏熱を清し、杏仁で止咳します。大棗・炙甘草は薬効の緩和と胃の保護に加えられています。
一般には、悪寒・頭痛・身体痛があり口渇・咽痛・体内の熱感のある場合に用いると良いです。

【証(病機)】表寒熱鬱(ひょうかんねつうつ)

中医学効能(治法)

辛温解表・清熱除煩・止咳平喘

組成成分

各生薬の詳細説明にリンクします。
麻黄  桂皮  生姜  杏仁  石膏  大棗  リンク炙甘草(3) » 

麻黄湯の加味方で、麻黄・灸甘草を倍量にし、生姜・大棗・石膏を加えています。
辛温の麻黄を倍加して発汗解表を強め、辛温の桂枝・生姜と宣肺の杏仁の補助により、いっきょに表閉を開いて駆邪外解します。
辛寒の石膏は清熱除煩し、肇滞した熱を外透し発越させて、少陽気機を開通させます。
辛温薬に辛寒の石膏を配合すると、辛温と辛寒の配合によって寒熱が相殺されるとともに辛味による発散が強くなります。それゆえ、辛温発汗薬による熱勢の助長を防止すると同時に、肇熱の開泄を促進する効果が得られます。
灸甘草を倍加し生姜・大棗を加えて、中気を和し営衛を充盈させ、また石膏による胃気損傷を防止します。

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備 考(Remark)

中医師 風寒が太陽の表を緊束して表閉営欝をひきおこし、悪寒・発熱・身体痛・無汗・脈が浮緊などの表寒表実(麻黄湯証)がみられます。邪正相争によって発生した熱が表閉のために外泄できずに垂滞し、少陽三焦に内逆して気機を阻滞すると身体が重だるくなり、心神を上擾すると煩躁がみられます。なお、少陽の気機がたまに通じると身体が軽くなる場合もあり、陽熱が外氾して脈行を塑滞させると脈が浮緩を呈することもあります。

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