大建中湯(だいけんちゅうとう)は、日本で最も使われている漢方薬であり、腹痛や腹部膨満感などの下部消化管症状に使われる処方です。腸管運動亢進作用や腸管血流増加作用、抗炎症作用などの薬理作用を有する薬剤です。
術後麻痺性イレウス(腸管麻痺)や術後癒着性イレウス(腸閉塞)などに伴う消化器症状に用いられています。また、過敏性腸症候群(IBS)、便秘症、並びにクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)に伴う消化器症状にも臨床応用されています。
研究面では国内および米国においてプラセボを対照としたランダム化二重盲検比較試験(RCT)が行われ、その他にも国内外の研究者達による研究が盛んに行われています。
腹痛の堪えがたい方
脾陽虚証(腹部が冷え・膨満感・軟便性便秘)/胃寒証(胃に寒邪が侵入)
慢性胃炎、慢性腸炎、尿管結石、胃下垂、胃アトニー、弛緩性下痢(泄瀉)、弛緩性便秘、慢性腹膜炎、腹痛、腸疝痛、慢性腸狭窄、腸内ガスによる腹痛、回虫症、胃拡張症、遊走腎、腹膜癒着後遺症、流産癖、腎結石、胆石症、喘息。
【こんな時には】
●腸閉塞症の治療における大建中湯の投与は、数多くのエビデンスが蓄積されており、治療の第1選択となり得ます。とくに消化管術後早期の大建中湯の投与は、早期離床および入院期間短縮に有用です。
●便秘型の過敏性腸症候群や通常の下剤で治療に難渋する慢性便秘に対して、大建中湯が有効な場合があり、不定愁訴としての腹部膨満感に対して選択肢の一つです。
●最近の研究により、大建中湯の抗炎症作用が明らかになり、クローン病などの炎症性腸疾患に対しても効果が期待できます。
●エキス剤の場合、熱湯に溶いて温かいうちに服用したほうが効果は高く、十分な治療効果を得るためには、エキス剤の全量投与(ツムラ15g/日、コタロー27g/日)が望ましいです。
●主な副作用は下痢や肝機能異常ですが、重篤な副作用は少なく、安全性の高い薬剤といえます。
●妊婦または妊娠の可能性のある人は、使用できない場合があります。
●寒虚証
●蠕動不穏、腹痛
(source)
西暦250年 三国時代 『金匱要略』 校訂 東漢・張機(仲景)著。原著は《傷寒雑病論》という。北宋の王叔和は《金匿玉函要略方》全3巻を記録し伝えた。その伝本を林億らは《金匿要略方論》と改名した。全25巻、方剤262方、内科雑病、婦人科、救急、飲食禁忌などについて述べられている。漢代以前の豊富な臨床経験を総結し、弁証論治および方薬配伍の一般原則を記している。→処方使用期間:1757年間
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k2188 | 3.0g×168包(18.7日分) | 6,560円(税込) |
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k0710 | 84包(2週間分) | 5,465円(税込) | ||
k0838 | 189包(31.5日分) | 10,941円(税込) |
●一日分生薬乾燥エキス量…1.75 g ●一日分価格(税込)…356円
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k2086 | 60包 | 6,912円(税込) | ||
k2087 | 500g | 30,888円(税込) |
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証(症状・体質)判定を望む方は
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※この判定のために、AI(人工知能)のエキスパート・システムを構築しました。
次の症状のいくつかある方は、本方剤が良く効く可能性が大きいです。
…温法:温裏・散寒・回陽・通絡などの効能により、寒邪を除き陽気を回復し経絡を通じて、裏寒を解消する治法です。
【中薬大分類】温裏(補陽)剤…体内を温める方剤です。即ち、裏寒を改善する方剤です。
【中薬中分類】温中散寒剤…中焦の冷え(裏寒)に用いる方剤です。中焦脾胃の陽気が虚衰して、運化と昇陽が不足し、腹痛・腹満・食欲不振・口渇がない・下痢・悪心・嘔吐・舌苔が白滑・脈が沈細または沈遅の症候がみられます。
裏寒虚(りかんきょ) …証(体質・症状)が、裏証(慢性症状)、寒証(冷え)、虚証(虚弱)の方に適応します。
【気血津・臓腑証】
臓腑の中寒(実寒・虚実挾雑)(ぞうふのちゅうかん(じつかん・きょじつきょうざつ))…乾姜・蜀椒による温中散寒が主体であり、蜀椒はさらに腸管を麻痺させる作用をもつらしいので、蠕動が過度に亢進したり逆蠕動のため(自覚的・他覚的に蠕動冗進が認められる)に、激しい腹痛をきたした場合にもっとも適しています。膠飴も鎮痒に働きますが、蜀椒の刺激性を緩和する目的で配合されています。
【証(病機)】中焦陽虚・陰寒内盛(ちゅうしょうようきょ・いんかんないせい)
温中散寒・補脾緩急・解痙止痛・補気健脾・降逆止嘔
・温中散寒法(おんちゅうさんかんほう)…温・熱性の生薬を用いて脾胃を温め、腹痛や冷え下痢などを治療する方法です。類語:温裏散寒法(おんりさんかんほう)
・補気(ほき)…気を補う=益気のことです。
・補脾(ほひ)…脾の機能を高めることです。
・健脾(けんぴ)…脾の働きです。脾胃の機能を正常にする治療法です。
本方剤の適応する使用目標は次のとおりです。
●腹部や手足が冷える。
●腹壁が薄く、軟弱で力がない。
●急激な腹痛が起こる。
●腹部に膨満感があり、腸内にガスがたまる。
●腸の蠕動運動が高まり、モクモクと動く様子が外部からでも見える。
●腹がゴ□ゴ□と鳴る。
●食欲不振、悪心、嘔吐、疲労感などがある。
●腸閉塞(イレウス)(術後腸閉塞症)。
【大建中湯の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。
〈持病の腹痛を漢方薬でコントロール〉 Yさん(53歳・男性)は、手術の後遺症で腸が癒着しています。そのため、冷えると腸の活動が鈍り、おなかが痛くなります。漢方に詳しい医師に腸の動きをよくする大建中湯を勧められ、痛みが起こるたびにこれを服用していました。 以前はそれで痛みが治まっていたのですが、最近になって、それでも痛みが止まらないことが何度かあり、医師に相談したところ、へそから上の痛みには小建中湯、下の痛みには大建中湯を飲むとよいと教えられました。今ではこの方法で症状をコントロールしています。 ・現代病名:腹痛 |
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〈胃痛嘔吐〉 34歳の男子。2~3年前より、寒い目にあったり、疲れたりすると胃痛が起こり、激しいときは吐く。 春と秋に多く起こる。手足は冷えやすく、血色はわるい。腹は全体に軟弱で、指頭で軽く腹壁を刺激して、しばらく凝視していると、腸管の蠕動運動を見ることができる。脈は遅弱である。 これをのむと疲れなくなり、ニカ月ほどで見違えるほど血色がよくなり、冷えも腹痛も起こらなくなった。 ・現代病名:胃痛嘔吐 |
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〈胃下垂兼胃アトニー症〉 22歳の未婚婦人。約1年前から胃のぐあいが悪く、食後呑酸腹鳴をきたし、下痢が続き、わずか一年の間に5貫匁以上(約19kg)痩せ、現在36キロ(9貫500匁)しかない。全身倦怠感甚だしく、一日中ただ横臥している。諸治療も効なく、このままでは半年も命がもつまいと自ら考えている。 長身で骨と皮ばかり、一見骸骨のごとく、顔色蒼白、食思全くなく、むりに粥を流し込むと、あとで胃がもたれ、酸水が口中に逆流し、不快感が甚だしい。腹鳴が強く、蠕動亢進をときどき自覚し、自覚的には腹に力がなく、足の冷えが甚だしい。大便は二日に一回であるが、いつも下痢便で、月経は数カ月間ない。脈は沈遅弱で、舌は先の方は灰色、奥の方は褐色で、厚い乾燥した舌苔である。腹力軟弱、腹壁薄く、心窩部はわずかに抵抗と圧痛がある。 大建中腸を与えること96日、諸症好転し、4貫匁(15kg)も体重が増加をきたして全治廃薬した。 定義:1貫=(15/4)kg=3.75kg 1匁(mom)=3.75g ・現代病名:胃下垂兼胃アトニー症 |
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〈腹膜炎〉 一婦人、30歳ばかり。腹が張って大きく、腹中に痛みあり、便秘性で大便は堅い。医師は腹膜だという。 腹が張って大便が堅いので、大承気湯を与えた。すると便通があって、一時楽になったが、翌日は再び張って前と同じだという。そこでさらに承気を2~3回服したが、何ともらちあかず、これを裏寒として大建中湯を与えたところ、一貼にてさっぱりとして治った。 この人には吐気はなかった。 ・現代病名:腹膜炎 |
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〈ドウグラス窩膿瘍〉 18歳の男子。20日前に盲腸炎にかかり、内科治療をうけて軽快。一週間以来再び下腹部落痛を発した。 体温37度5分、脈浮弱数で、舌には黄苔あるも乾燥せず、上腹部は一般に軟弱であるが、下腹部は右腸骨窩部に類円形の小皿を伏したような膨隆と抵抗を感じ、癖痛を訴え、過敏圧痛がある。腸の蠕動不安がある。下痢数十回粘液便である。便意を催すと落痛増加する。これは盲腸炎によるドウグラス窩膿瘍である。 蠕動不安を目標として大建中腸で軽快し、安眠できるようになり、膨隆は縮小してきた。 一週間服用の後、多量の悪臭ある膿を大便とともに排泄し、諸症状が漸次消失し、その後10日間の服用で全治した。 ・現代病名:ドウグラス窩膿瘍 |
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〈手術後癒着腹痛〉 40歳の婦人。初診は昭和31年2月であった。15年前に卵巣嚢腫の刷出手術をした。手術後腹痛を訴えたので再手術をした。その後虫垂炎となり、開腹手術をしたが、癒着のため困難をきわめたという。下腹はメスの痕で一杯である。昨年6月に胆嚢炎といわれ、黄疸を起こした。12月になると右の下腹が張って、すごく痛み、高熱が出たので外科病院に入院した。あまりに傷跡が多く、癒着がひどいので、手術はしない方がよいと保存療法をしてくれて、やっと激しい症状は去った。退院したが37度を越す微熱が続き、全身倦怠感が甚だしく、嘔気があり、口渇を訴え、足冷が甚だしく、右下腹部の惨痛を庇護するため、身体が右へ曲がってしまった。 顔色は黒ずんで汚ない。痩せ衰えて骨と皮ばかりという感じ。体重は35キロ(9貫目)しかない。腹は心下部播硬状、右下腹部に抵抗圧痛が甚だしく、脈は細くてしかも緊脈である。舌に白苔がある。 私は初め桂枝加芍薬湯を与えたところ、腹張りと腹痛と冷えが軽くなった。体重も少しずつ増加してきた。 その後肩背痛や右脇痛などを訴えたとき、延年半夏湯・平肝流気飲を与えたこともあるが、何ともはっきりしなかった。腹は張っているが右下腹癒着のところに蠕動亢進を自覚し、腹鳴もある。そこで大建中腸と小建中湯を合方し(私はかりにこれを中建中湯と呼んでいる)て与えたところ、腹痛や腹張が非常に軽快し、軽作業ができるようになった。 定義:1貫=(15/4)kg=3.75kg 1匁(mom)=3.75g ・現代病名:手術後癒着腹痛 |
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組成成分 |
生薬名(herb name) | 薬量(quantity) | 君臣佐使(role) | 効能1 | 効能2 | 効能3 | 効能4 | 大分類 | 中分類 |
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乾姜 » |
5 |
臣薬 |
温中散寒 |
温経散寒 |
補陽・止嘔 |
温裏薬(散寒薬) |
||
蜀椒 » |
3 |
君薬 |
温中散寒 |
止痛・駆蛔(麻痺) |
温裏薬(散寒薬) |
|||
人参 » |
3 |
佐薬 |
補気健脾 |
消痞 |
補虚薬 |
補気薬 |
||
膠飴 » |
10 |
使薬 |
補気健脾 |
止痒 |
補虚薬 |
補気薬 |
・君薬…方剤配合中の主薬で、症状に対して主に作用する薬物です。 |
大建中湯の名称は小建中湯に対するものですが、構成中薬は膠飴を除いて共通のものはないです。しかし中(中焦)を建てる、すなわち中焦の要薬という点で、小建中湯と軌を一にする重要方剤です。
構成中薬のすべてが温性・補性で、中焦(消化機能)を温め補う方剤と考えます。
蜀椒・乾姜は辛辣性(しんらつせい)健胃鎮痛薬、人参は強壮薬、膠飴は緩和(鎮痛)薬で、腹部が軟弱無力で、腸の蠕動不安が外部から望見できるような場合に用います。
多くは腹痛の堪えがたい場合に用います。
※神農:三皇五帝のひとりです。中国古代の伝説上の人といわれます。365種類の生薬について解説した『神農本草経』があり、薬性により上薬、中薬、下薬に分類されています。日本では、東京・お茶の水の湯島聖堂に祭られている神農像があり、毎年11月23日(勤労感謝の日)に祭祀が行われます。
●虚弱体質を改善する大建中湯 |
意外かもしれませんが、漢方治療とは対極にあるようなイメージの外科で、近年、漢方薬が用いられることが増えています。 |
女性の場合は、乳がんに次いで罹患者の多い大腸がんです。また、死亡数では大腸がんが1位となっているんです。決して人ごとではありませんね!。 大腸がんのリスクを上げるといわれている要因を、国立がん研究センターの情報を基にまとめました。 肉や魚の焦げ目を平気で食べている 肉や魚の焦げ目を食べると「がんになる」と聞いた事がある人も少なくないと思います。焦げ目に含まれている“ヘテロサイクリックアミン”と呼ばれる物質には、大腸がんのリスクを高める恐れがあるそうです。 まだ、根拠は不十分だとされているそうで、神経質になり過ぎると何も口にできなくなってしまいますが、食事のときは念のため頭に入れておきましょう。 赤肉の食べ過ぎ 赤肉(食肉での「赤肉」は多くが筋肉組織であり、脂肪やスジが少なく赤く見える肉の部位)の食べ過ぎやハムやソーセージなど加工肉の食べ過ぎも大腸がんのリスクを高めると考えられています。国立がん研究センターが行った多目的コホート研究によると、女性の場合は特に赤肉の食べ過ぎが大腸がんリスク増大に影響を与えるということです。 食べ過ぎとはどの程度なのか意見が分かれるところですが、上述の研究では1日80g以上の赤肉を毎日食べた女性に大腸がんリスクの増大が認められたそうです。具体的な目安として、1日80gを意識するといいです。 日常的な運動不足 運動不足も大腸がんのリスクを高めるといわれています。前述の多目的コホート研究では、身体活動量と女性の大腸がんリスクに関連が見られなかったという研究結果がありますが、運動は一般的に肥満を予防し、胆汁酸分泌を抑え、免疫力を高めます。発がん物質を含んだ便の排出も促すので、普段デスクワークなどで体を動かす習慣のない人は、運動不足に注意しましょう。 大量の飲酒 女性の場合は、大量の飲酒が大腸がんのリスクとなると考えられています。大量の飲酒とはどの程度を指すのか一概には言えませんが、厚生労働省によれば1日平均純アルコールで20g以下が“節度ある適度な飲酒”になるそうです。女性の場合は男性よりアルコールを処理する働きが弱いため、その半分程度が理想的という意見もあります。具体的には350mlの缶ビールを1日1本以下に抑えるといった感じです。 大腸がんのリスクを減らしてみてください。 |
●弱ったおなかに効く「建中湯」トリオ
乾姜、人参、蜀椒、膠飴という4種類の生薬で構成される「大建中湯」に対し、桂枝、芍薬、甘草、大棗、生姜、膠飴の6種類の生薬で構成されているのが「小建中湯」です。蜀椒がない分、大建中湯より効き目がマイルドなため、主に消化器系が弱く頻繁に腹痛を起こす虚弱児に用いられます。また、桂枝、芍薬、甘草、大棗、蜀椒、生姜、人参、膠飴といった8種類の生薬で構成される「中建中湯」は、大建中湯と小建中湯を合方した漢方薬で、漢方の名医、故・大塚敬節博士が創方したものです。主に癒着性のイレウス(腸閉塞)の治療や予防に用いられます。
いずれも、建中湯の「中」は消化器系の内臓を指していて、体力が低下した人や、虚弱体質の人の弱った腹部を改善するのに有効な漢方薬です。
●主治:脾胃陽虚・寒気上逆
●効能:温中補虚・降気止痛