熱証で、やや衰弱した方
肺熱型咳と痰(慢性気管支炎など)/痰熱壅肺に陰虚を兼ねるもの
痰の多く出る咳、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺炎、気管支炎、肺結核、慢性咽頭炎、気管支喘息、心臓性喘息。
●妊婦または妊娠の可能性のある人は、使用できない場合があります。
●粘っこい痰がからむ
●烈しい咳
●肺熱(虚熱)
(source)
西暦1587年 明時代 『万病回春』 {龍+共}廷賢 8巻。《内経》《難経》より金川四大家までの医学書を編纂したもの。上巻には総論、下巻には各論が記載されており、病証の種類も比較的多く、弁証も詳細で、方剤の選択も多い。→処方使用期間:420年間
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k0701 | 42包(2週間分) | 4,041円(税込) | ||
k0829 | 189包(63日分) | 16,319円(税込) |
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証(症状・体質)判定を望む方は
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※この判定のために、AI(人工知能)のエキスパート・システムを構築しました。
次の症状のいくつかある方は、本方剤が良く効く可能性が大きいです。
【中薬大分類】祛痰剤…固まった水液である痰を除する方剤です。きょ痰薬を主体にし、痰を排除・消解したり、各種の痰病に効果のある方剤です。
【中薬中分類】清熱化痰剤…熱性の痰を除去する方剤です。熱痰に使用します。熱痰は、邪熱内盛により津液が煎熬(汁が無くなるまで煮詰めること)されて生じ、甚だしいと鬱して化火することにより痰火になります。
裏熱虚(りねつきょ) …証(体質・症状)が、裏証(慢性症状)、熱証(炎症)、虚証(虚弱)の方に適応します。
【気血津・臓腑証】
肺熱・肺陰虚(はいねつ・はいいんきょ)…清熱薬と止咳・化痰薬からなり、とくに止咳・化痰に重点をおいていますが、特徴は潤燥化痰の薬物をかなり配合していることです。
潤燥化痰薬とは、気管支粘膜を滋潤して正常な分泌を高めるとともに、喀痰を稀釈して排出させやすくする溶解性去痰薬に相当し、炎症が慢性化して気管支粘膜がやや乾燥傾向を示したり一部が扁平上皮化し、痰が粘稠で切れにくい状態に適した薬物です。
消炎作用をもつ清熱薬と止咳薬によって炎症性咳嗽をしずめ、潤燥化痰薬で痰を稀釈して喀出しやすくし、さらに多くの化痰・化湿・利水の薬物によって炎症性滲出を抑制しつつ去痰するという配合です。このほか、滋陰補血の天門冬・麦門冬・五味子・当帰などが体を滋潤・栄養し、健脾の快苓・大裏・甘草で消化吸収を強めます。清熱涼血の山楯子・黄苓の配合があるので、ある程度の止血効果もそなえています。
以上のことから、本方が適応する病態は、やや慢性化した呼吸器系の炎症で軽度の肺陰虚をともなう状態と考えられます。一般には「やや慢性に経過する咳漱・粘桐で切れにくい黄疾(ときに血がまじる)」を目標に使用するとよいです。健脾薬・理気薬の配合があるので、服用しても腹にもたれない利点があります。
【証(病機)】肺熱・肺陰虚(はいねつ・はいいんきょ)
清肺止咳・去痰・滋陰・清熱瀉火・化痰・滋陰補血
・清肺(せいはい)…肺の熱を持った状態を改善することです。
・止咳(しがい)…咳を止めることです。
・去痰(きょたん)…痰を除くことです。
・滋陰(じいん)…潤い、冷やす力、陰を補充することです。陰(液)を潤すと、陽(氣)即ち元気が出るということです。陰虚を解消することです。類義語:補陰・養陰・涵陰・育陰
・清熱瀉火法(せいねつしゃかほう)…寒涼性の生薬を用い、熱や火邪(高熱・口渇・顔面紅潮・目の充血・腹満)を除く治療法です。
・化痰(けたん)…痰を除くことです。
・滋陰(じいん)…潤い、冷やす力、陰を補充することです。陰(液)を潤すと、陽(氣)即ち元気が出るということです。陰虚を解消することです。類義語:補陰・養陰・涵陰・育陰
・補血(ほけつ)…血を補うことです。=益血、養血。
【清肺湯の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。
〈気管支拡張症〉 36歳の男性。数年前より咳嗽があり、午前中、ことに起床後1時間ほどがひどい。痰も多く、たちまち痰壷が一杯になる。1年に2~3回、春秋に喀血するという。内科医からは気管支拡張症といわれていた。 患者は色浅黒く、栄養状態はそれほど悪くはない。左背下部に「ラ」音がある。腹は中等度の弾力がある。清肺湯を与えたが、あまり変化はなく、力がついてくる感じがするという。 3ヵ月ほどで痩が半減したので、引き続きのんでいるうちに、1日急に高熱が出た。いつもは大抵数日下がらないのに、今度は翌日平熱となり、いままでほど疲れないという。服薬後10ヵ月、体重も少し増し、一回も喀痰がなく、朝の痰も非常に少なくなった。それで服薬11ヵ月目から勤務することになった。 ・現代病名:気管支拡張症 |
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〈気管支喘息〉 58歳の男性。初診は昭和39年3月24日であった。主訴は昨年12月初めに風邪をひき、なかなか治らないでいた。本年1月の末ごろから、呼吸が苦しくなり、せきと痰が出て苦しむようになった。左の背中が痛むことがあり、白いアワのような痰や黄色の痰が出たりする。 この患者は数年前から血圧が高くなり、心臓が肥大しているといわれた。レントゲンで診てもらったが、結核の方は心配ないといわれたという。栄養は中等度、顔色は蒼白の方で、脈は弦、舌苔はない。腹は軟満、心下部に少し抵抗がある。胸部を診ると左側にとくにギーメンが多い。たしかに気管支喘息というものであろう。よって初めに喘息、咳嗽漱喀痰、泡沫様のものを目標にして、小青竜湯加杏仁・茯苓を与えた。10日分服用後再来のとき、ほとんど変わりがなく、せきや痰も出るという。痰の出かたをよくきいてみると、なかなか切れにくいというのである。左側の背痛を訴える所のあたりが、とくにギーメンが多い。これは気管支炎を併発しているものらしい。小青竜湯が効くはずなのに効かない。よって清肺湯に転方した。 清肺湯にして3日目から咳嗽喀痰が少なくなり、ほとんど出なくなり、とても楽になったということであった。患者は薬が切れたので来院したが、そのとき私は学会で休診していた。そのため3日間休薬したら、また少し痰とせきが出始めたので大急ぎでやってきたという。 最近は毎日夕方、好きなテニスをやっているが、少しも苦痛がなく、快適な運動ができるようになったとよろこんでいる。 ・現代病名:気管支喘息 |
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〈心臓性喘息〉 65歳の婦人。太っているが顔色は蒼い。約3年前から心動悸と激しい呼吸困難とを訴え、咳漱に悩まされてきた。擁はなかなか切れにくく、朝は濃い黄色い粘疾で、午後は白い震が出る。せき込みが激しくなると、お腹の皮が痛くなるほどで、そのようなときは顔にむくみがくる。 三年来病名は心臓性喘息といわれていた。血圧は170/110、脈は沈んで力強く打っている。心臓は肥大し、心音はきわめて弱い。胸部には水泡音もギーメンも聴取されない。心下部にはお盆をのみこんだように石のように硬く張りつめて、心下痞堅ともいうべきほどである。 金匱の痰飲咳嗽篇に「隔間の支飲、其の人喘満、心下痞堅、面色黒、其脈沈緊なる者木防己湯之を主る」とあって、本患者はこれに相当しているように思われたが、患者は「私は桂枝の組み入れられた漢方の処方は必ず悪化しますから、入れない処方にして下さい」という。 そこで私は疾が切れにくいということを唯一の目標として清肺湯を与えた。清肺湯を3日間のむと、4日目から非常に楽になり、疾の切れがよくなり、咳嗽喀痰がとても少なくなった。 発病以来こんなに楽になったことは一度もないといって感謝された。本方を服用していると気持よく生活できるといって服用を続けている。 ・現代病名:心臓性喘息 |
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〈老人性咳嗽・慢性気管支炎〉 85歳の男性。2年前に肺炎を病み、その後とかく痰持ちとなり、せきと痰が少しずつ出ていた。ちょうど1カ月前に風邪をひき、その後微熱と咳嗽が止まらない。 体格普通、顔色は赤黒く、皮膚枯燥の状があり、痰がなかなか切れにくく、切れるまでせきこむという。心下硬く、胸脇苦満がある。 肺熱燥痰の証として清肺湯加柴胡を与えたところ、すっかりよくなった。 今度はもうおしまいと思って観念していたが、もう少し長生きができるとよろこんでくれた。1カ月でほとんどよくなった。 ・現代病名:老人性咳嗽・慢性気管支炎 |
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組成成分 |
鎮咳・秣疾薬がたくさんに配合されており、ことに潤性の鎮咳薬が多く含まれていることから、粘欄で切れ難い疾を伴う頑固な咳に適した方剤と見ることができる。
黄苓・楯子は強い寒性薬で、胸部の炎症を去る作用があると考えられるほか、方剤中には寒性薬が多く、方剤は全体として熱証向きと考えられる。一面において、当帰のような血液循環を促す温補性薬が含まれていることをはじめとして、補性の薬物も少なからず含まれており、慢性化してやや衰弱に傾いた者に好適な方剤と言えそうである。
扶苓は水分調整と鎮静の目的で、生姜・大裏の組と甘草は、副作用防止の目的で組み入れられたと見てよいであろう。
※神農:三皇五帝のひとりです。中国古代の伝説上の人といわれます。365種類の生薬について解説した『神農本草経』があり、薬性により上薬、中薬、下薬に分類されています。日本では、東京・お茶の水の湯島聖堂に祭られている神農像があり、毎年11月23日(勤労感謝の日)に祭祀が行われます。
左の写真は当帰の花です。 |