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概 要

●慢性膀胱炎・尿道炎(排尿時残尿感や不快感があり、イライラする方。抗生物質で菌がなくなったのに症状だけ残っているような場合に良いです)。
●慢性腎炎や糖尿病でイライラのある方。
●性的神経衰弱者の遺精。

こんな方に

全身倦怠感があり、口や舌が乾き、尿が出しぶる方

主 治

気陰両虚→排尿異常/気虚を伴う膀胱湿熱

適応症

残尿感、頻尿、排尿痛自律神経失調症、膀胱神経症、慢性膀胱炎、慢性腎孟炎、膀胱炎、腎結核、慢性淋疾、帯下、性的神経衰弱、インポテンツ、糖尿病、口内炎、夢精、遺精、前立腺肥大。

妊娠・授乳の注意

女性

●妊婦または妊娠の可能性のある人は、使用できない場合があります。

診断のポイント

●気虚(易疲労、胃弱)
●心火旺(イライラ、胸苦、口渇)
●淋症(頻尿、残尿感)

弁証論治

●心火旺(心火上炎・心炎亢盛)(ストレス) »

出典書籍

出典書籍 (source)
西暦1107年 宋時代 『和剤局方』 陳思文 太平恵民和剤局方(たいへいけいみんわざいきょくほう)ともいう。宋・太医川編。1078~1085年に刊行。宋代の薬局法ともいうべき書で、ちなみに日本の薬局方の名はこの書より起ったものである。現存するものは10巻で諸風、傷寒など14門、788方に分類される。処方毎に主治、配伍、修制法などが記されており、広く流布し、影響の比較的大きい書である。→処方使用期間:900年間


処方別・製品一覧

医薬品個人輸入 説明表示をクリック(タップ)→説明表示 いらっしゃいませ 医療用漢方薬

ツムラ 清心蓮子飲 エキス顆粒(医療用)の通販画面へツムラ 清心蓮子飲 エキス顆粒(医療用)の通販画面へ »
ツムラツムラ » ≪医薬品≫ 漢方製剤No:111
本剤は、〈顆粒剤〉です。
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k0721 42包(2週間分) 6,002円(税込)
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k0849 189包(63日分) 22,781円(税込)
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小林製薬小林製薬 » ≪医薬品≫ 本剤は、〈顆粒剤〉です。
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k0523 18包 2,700円(税込)
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k0524 36包 5,184円(税込)
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東洋 清心連子飲 エキス細粒の通販画面へ東洋 清心連子飲 エキス細粒の通販画面へ »
東洋薬行 » ≪医薬品≫ 漢方製剤No:TY-072
本剤は、〈細粒〉です。
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k1719 2.5g×252包(84日分) 39,407円(税込)
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●一日分価格(税込)…428円


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証の判定

判定

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中医学の証・解説

次の症状のいくつかある方は、本方剤が良く効く可能性が大きいです。

清心蓮子飲 朱雀:四神の獣・南方の守護神

八 法

清法:熱邪を清解することにより裏熱を消除する治法です。

【中薬大分類】清熱剤…熱を除去する方剤です。清熱・瀉火・解毒・透熱滋陰などの効能により裏熱を改善する方剤です。

【中薬中分類】清臓脇熱剤…臓腑の熱を除去する方剤です。

八綱分類

裏熱虚(りねつきょ) 裏 熱 熱 虚 …証(体質・症状)が、裏証(慢性症状)、熱証(炎症)、虚証(虚弱)、湿証(水分停滞)、気虚(心身疲労)の方に適応します。


【気血津・臓腑証】
気津両虚(気陰両虚)(きしんりょうきょ(きいんりょうきょ))…生津の人参・麦門冬・蓮子・炙甘草と安神の蓮子・茯苓で心陰虚を改善し体液を滋潤し、さらに利水の茯苓・車前子・黄蓍で尿を稀釈して高浸透圧刺激を抑制します。補気健脾の薬物は消化吸収を強め機能を高めて他薬の効能を補助し、地骨皮・黄ゴンは陰虚の熱証をしずめるとともにある程度の消炎作用を果たします。以上のように、体液を補充し元気をつけ、尿を稀釈することが本方の目的です。消炎効果は強くないので尿路系の強い炎症には適さないです。慢性疾患や急性疾患の回復期で気陰両虚が生じ、排尿異常がみられる場合に使用するとよい.です。

【証(病機)】心火旺・気陰両虚(しんかおう・きいんりょうきょ)

中医学効能(治法)

益気滋陰、清心火・利水・補気健脾・生津・清熱利湿

用語の説明(term)

益気(えっき)…気を補充することです。

滋陰(じいん)…潤い、冷やす力、陰を補充することです。陰(液)を潤すと、陽(氣)即ち元気が出るということです。陰虚を解消することです。類義語:補陰・養陰・涵陰・育陰

清心(せいしん)…心の機能亢進状態を改善することです。

利水(りすい)…腎を温めて、脾を健全にすることです。尿や発汗のことです。水気を下行させて通利することです。利尿、導尿がそれです。薬物では猪苓・沢瀉・通草などにその作用があります。

補気(ほき)…気を補う=益気のことです。

健脾(けんぴ)…脾の働きです。脾胃の機能を正常にする治療法です。

生津(せいしん)…唾(つば)を出させて、咽(のど)の渇きを取ることです。

安神(あんしん)…精神を安定させることです。

使用目標(aim)

本方剤の適応する使用目標は次のとおりです。
●胃腸が虚弱である。
●疲れるとすぐ、尿が混濁(浮遊物で濁る状態)したり、排尿痛や残尿感力丈あって不快である。
●冷え症で神経質である。
●全身に倦怠感がある。
●男性は特に、血淋(尿に血が混じる)や気淋(尿が出そうで出ない)などの排尿異常がある。
●女性は特に、赤白帯下(おりものに血が混じったり、白く濁ったりする)があり、手足が重い。
●病後に気持ちが落ち着かず、イライラしたりのぼせたりする。


症例・病例・治癒例・case study(case study)

【清心蓮子飲の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。

1〈膣炎に付随する症状も一気に快癒〉

治例図 アトピー性皮膚炎の持病があるMさん(32歳)は、ストレスがかかると、乳首からジクジクと汁が染み出し、同時に膣炎を起こします。のどが渇き、イライラして不眠になり、夜間頻尿も始まり、落ち着きません。

漢方を扱う病院で相談したところ、清心蓮子飲を処方されました。

しばらく服用すると、膣炎とともに頻尿や不眠などの不快な症状が解消しました。

生まれつき腎の弱かったMさんは、アトピーで腎気(腎に蓄えられている生命エネルギー)が消耗し、腎の潤いが不足したために、下半身に虚熱が起こり、膣炎を発症したものと思われます。

・現代病名:膣炎

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2〈清心蓮子飲で精神が安定〉

治例図 92歳の男性Kさんは、脳卒中で倒れてから神経が高ぶるようになり、専門医のいる病院で検査を受けたところ、脳血管性痴呆と診断されました。夜になると落ち着きがなくなり、近くにハサミがあると、周囲の物を何でも切り刻んでしまいます。
また、夜には数回トイレに起き、ときには失禁することもあります。

Kさんの担当医は頻尿があることを考えて清心蓮子飲を処方。すると、頻尿と失禁は少なくなり、情緒も安定してきました。しかし、眠れない日もあるので、酸棗仁湯を追加してもらったところ、朝までぐっすり眠れるようになりました。

・現代病名:脳血管性痴呆

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3〈清心蓮子飲で冷えと頻尿を治療〉

治例図 主婦のSさん(35歳)は、日ごろから体が弱く、年に何度もかぜをひきます。かぜをひくと気管支炎になりやすく、気管支炎が長引くと膀胱炎を起こすのが常でした。

今年もまた春の終わりにひいたかぜの延長で、8月ごろに膀胱炎になってしまいました。暑い季節だというのに、足腰がゾクゾク冷えてスカートがはけません。

また、頻尿がひどく、トイレに間に合わない状態なので、昼は外出もできず、夜はあまり眠れません。痔も痛むようになり、体が疲れるので、夫の出勤中にはたびたび床についています。

Sさんは、これでは抗生物質のような強い薬を服用するのは無理だろうと思い、漢方を扱う病院でみてもらうことにしました。体が冷えて手足がほてる、神経質で食欲がないなどの症状から、Sさんには清心蓮子飲が処方されました。

服用を続け、10月に入ったころ、体が温かくなり、腰の冷えがなくなりました。

いつのまにか膀胱炎が気にならなくなり、Sさんの頻尿は治っていました。

・現代病名:膀胱炎

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組成成分

各生薬の詳細説明にリンクします。
麦門冬  茯苓  黄芩  車前子  人参  黄耆  甘草  蓮肉  地骨皮 

中薬構成(herb composition)

神農

人参・茯苓・甘草は、四君子湯から白朮と生姜・大棗のペアを除いたものですから、四君子湯の変方と見ることができますが、黄芩・麦門冬・地骨皮・車前子と、寒性薬物(熱をさます薬物〕がたくさん加えられているので、方剤は全体として熱証で虚証向きです。

清心蓮子飲の「心」は、心臓ではなく、心のイライラというようなものを指しますが、「清」とは清熱の意味で、熱をさます意味ですから、心がイライラ、カッカと燃えるのをしずめる薬というような意味です。蓮子すなわち蓮肉(ハスの実)には強壮・鎮静作用があり、これが清心の中心的役割をするという意味で、方剤の名ができたのです。

蓮肉・黄芩・麦門冬・車前子と降性薬物の多いことも、方剤の鎮静効果を高める上に役立っていると思われます。茯苓は車前子とともに利尿作用があるほかに、鎮静作用もあり、これも重要な役割を果たしています。

神農:三皇五帝のひとりです。中国古代の伝説上の人といわれます。365種類の生薬について解説した『神農本草経』があり、薬性により上薬、中薬、下薬に分類されています。日本では、東京・お茶の水の湯島聖堂に祭られている神農像があり、毎年11月23日(勤労感謝の日)に祭祀が行われます。

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処方画像

排尿異常神経疲労も排尿異常も改善
一般的に、泌尿器疾患の膀胱炎や尿道炎などには、猪苓湯が用いられることが多く、次いで八味地黄丸や四物湯が用いられています。ところが、猪苓湯には鉱物性の生薬の滑石が含まれているため、胃腸の弱い人が服用すると胃を悪くしてしまうことがあります。また、八味地黄丸や四物湯には地黄が含まれているため、中には食欲を落としてしまう人がいます。そのため、胃腸が弱くて食欲がすぐに落ちてしまうような人には、清心蓮子飲が向いているのです。
清心蓮子飲の使用目標となる主な症状としては、頻尿、残尿感、排尿痛などの排尿異常が挙げられます。胃腸が弱くて冷え症で、神経質という人は、取り越し苦労が多いことなどが原因で、尿が濃くなる、あるいは混濁する、血尿が出る、尿が出にくく痛みがある、といった状態になりがちです。このようなタイプには清心蓮子飲が効果的です。また、胸の中の熱を冷まし、胸苦しさやほてり、イライラなどを解消しながら、尿の出を正常にし、排尿痛も解消していきます。
オマケの消渇とメインの消渇
清心蓮子飲の歴史は中国・宋の時代にまでさかのぼります。当時の皇帝は、漢方医たちに得意の処方を献上させ、それを宮殿の医師たちに使わせて試していました。そして、中でも優れた処方を集め、『天華恵みんわさいき上くほうわさいき上くほうへんさん民和剤局方』(『和剤局方』)を編纂したのです。清心蓮子飲はこの処方書を原典としており、「凋冷(附消渇)」という部門に掲載されています。
「摘冷」というのは治らない慢性の冷えのことで、「附」は付属を意味し、「消渇」は冷えを伴う糖尿病のことを指しています。つまり、慢性の冷えを解消するという効能がメインで、そのオマケとして、水を飲んでも尿が出にくいといった糖尿病症状を治す、と紹介されているのです。
清心蓮子飲は、日本には戦国時代のころに渡来したようです。心身の過労や過飲食によって気が昇り、上半身が熱くなっているにもかかわらず、下半身が冷えて弱くなり、ひいては上下のバランスが崩れて泌尿器系の病気になったというときに用いられていたようです。

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口内炎あまり痛まない、白っぽい口内炎に有効
口内炎は、口の中の粘膜や舌に現れる炎症で、食べ物などがしみて痛んだり、ひどくなると潰瘍ができて出血したりすることもあります。口内炎になると、よく「ビタミン不足だ」などといわれますが、現代医学では、細菌や薬剤による特殊なケースを除いて、多くは原因不明です。
しかし、漢方では口内炎を単なる局所的な炎症とはとらえず、内臓異常の現れと考えています。口内の症状と内臓は密接にかかわっており、主に舌の先の炎症は「心(心臓)」の問題が、唇の裏や舌の奥の炎症は「牌冑(胃腸)」の問題が現れやすいといわれています。
清心蓮子飲が用いられる口内炎は、「心」に主な原因があり、白くただれていても、さほど痛みがないものです。このような口内炎ができるのは、体に必要な水分が足りておらず、氷と熱のバランスが崩れ、「心」の熱が余った状態になっているからです、そのため、「心」の熱を冷まし、体の水分を調節する清心蓮子飲が有効なのです。

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合 方(複数の漢方薬を合わせた処方)

(複数の漢方薬を合わせた処方)
他剤との効用併用を示します。合方は良効なケースが多いです。
本方の証の方で、さらに次の症状がある方は、合わせて次の方剤を飲むと良く効きます。
病症症状 合方 備考
眠りが浅い・焦躁感・多夢などが強い場合 清心蓮子飲+甘麦大棗湯 »
清心蓮子飲+酸棗仁湯 »
陰虚が強い場合 清心蓮子飲+六味丸 »
清心蓮子飲+炙甘草湯 »
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