●主成分「紫根」は、本草和名(918年)にムラサキの名で記載されている植物の根で、日本でも広く愛用されてきた薬草です。シコンは、有効成分シコニン、アセチルシコニンなどを含有し、解毒、抗菌、抗炎症作用があります。
●特に、肉芽形成を促進しますので、患部の治療を早め、皮膚をなめらかにします。
●別名で「潤肌膏」ともいわれます。また低刺激性の軟膏として広く用いられています。
外傷、火傷、ただれ、ひび、しもやけ、あかぎれの方
外傷、火傷、ただれ、ひび、しもやけ、あかぎれ
外傷、火傷(やけど)、ただれ、ひび、しもやけ、あかぎれ、肛門裂傷、痔核による疼痛、かぶれ、あせも、魚の目、いぼ、たこ、水虫、褥瘡(とこずれ)、下腿潰瘍、皮膚び爛、肌荒れ、青年性扁平疣贅(ゆうぜい)、尋常性疣贅(ゆうぜい)、白癬、わきが、円形脱毛症、しらくも、鮫肌
特にありません。
●皮膚が蒼白い。
●かゆみが少ない。
(source)
西暦1810年 江戸時代 『華岡青洲経験方』 華岡青洲
華岡青洲(1760年11月30日 - 1835年11月21日)は、江戸時代の外科医。記録に残るものとして、世界で初めて全身麻酔を用いた手術(乳癌手術)を成功させた。→処方使用期間:197年間
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k1178 | 50g | 1,782円(税込) | ||
k1179 | 500g | 10,800円(税込) |
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k1177 | 500g | 15,311円(税込) |
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
---|---|---|---|---|
k0542 | 20g | 1,058円(税込) |
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
---|---|---|---|---|
k1878 | 15g | 1,512円(税込) | ||
k1879 | 230g | 14,256円(税込) |
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※この判定のために、AI(人工知能)のエキスパート・システムを構築しました。
次の症状のいくつかある方は、本方剤が良く効く可能性が大きいです。
本方剤の適応する使用目標は次のとおりです。
●切り傷、すり傷などの外傷、やけど、しもやけ、かゆみなどで皮膚損傷を起こし、痛みがある。
●痔による疼痛がある。
●肌が乾燥、または肌が荒れている。
●皮膚損傷全般に用いることができる。
【紫雲膏の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。
〈血栓性静脈瘤による潰瘍(静脈瘤性下腿潰瘍)〉 60歳女性。床屋の奥さんで、いつも立ち仕事が続いている。顔色は艶があり、大柄で、肉付きはよいが、水太りタイプである。大便は異常なく、お茶やお菓子などが好きである。足にできた静脈瘤が破れ、痛みが激しいと相談に来られた。病院では心臓が悪いためだといわれ、ときどき利尿剤を出されていたという。また、患部に対しての治療は、かさぶたを取り消毒薬で洗ったり、抗生物質の点滴をしたりなど、複数の医療機関で既に3年も繰り返しているが、傷の痛みはいつこうによくならないという。 これ以上病院の治療を続けるのがいやになったとのことである。足に巻かれた包帯を通して、消毒薬で黄色っぽくなった浸出液がしみ出している。包帯を取り、患部を見せてもらうと、静脈瘤がボコボコと飛び出しているところに、まるで皮膚をえぐったように直径10㎝位の潰瘍ができていた。漢方薬の内服もあれこれと考えたが、まずは外用薬のみでやってみようと思い紫雲膏を投与した。家に帰り患部に塗布したところ、その日のうちから痛みがおさまってきたという。紫雲膏の塗布を続け、穴状のえぐれた部分は日に日に小さく固まっていった。約3ヵ月後、まわりの静脈の熱感、発赤の一進一退は相変わらずで、静脈瘤のある部分全体にときどき走る鈍痛に対しては、鎮痛剤の座薬で痛みを抑えているが、潰瘍のあった患部は、順調に快復し、5㎝位の厚いかさぶたを残し、傷口がまったく塞がってきた。現在発生している静脈瘤が再び潰瘍にならないよう、越碑加乖湯と桂枝茨苓丸の服用を10日前から開始したところである。 ・現代病名:静脈瘤性下腿潰瘍 |
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〈火傷(やけど)〉 15年前の正月、次男が生まれまして10日目ぐらいの日、手伝いの人が誰もいなくなったので、お湯を使わせるので家の中にタライを持ってきて熱湯を入れ、水をとりに行っているひまに長男がふざけていて、その中に落ちてしまいました。冬のことですから毛糸のセーターを脱がせましたところ、一皮むけて見るも無残な赤裸になってしまいました。ちょうど手許に紫雲膏がありましたので、急いでガーゼに塗り患部に付着させ、軽く包帯をしてやりましたところ、今まで痛がっていたのが1分足らずで刺激が取れたものと見えまして、おとなしく安眠しました。 1日2回の薬の交換で、わずか1週間ぐらいで跡形もなく全治しました。 ・現代病名:やけど |
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〈かさかさ肌が潤い、かゆみが消えた〉 Z君(15歳)は、幼いころからアトピー性皮膚炎で、ずっと治療を続けてきました。いろいろな治療を試しましたが、なかなか思うような効果を得られません。かゆみが非常に強くて、皮膚はかさかさと潤いがなく、上半身では額と首、下半身では太ももの内側とひざ裏の皮膚がザラザラになって赤黒く変色していました。 そんなZ君は、中学に入ったころから、漢方薬を扱う薬局で指導を受けるようになりました。初めに温清飲を勧められ、だいぶ症状が軽くなりましたが、疲れたときに症状が悪化することから、次の処方を当帰飲子に変更。今度は、ほとんど皮膚のかゆみを覚えなくなりました。 1年ほど飲み続けると皮膚のかさかさが治り、かゆみに悩まされることもなくなりました。高校に入るころには外用薬の紫雲膏だけでも十分に症状がコントロールできるようになったのです。 ・現代病名:アトピー性皮膚炎 |
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〈Ⅱ度のやけどが3ヵ月で完治〉 中学2年生のM子さんは、家庭科の調理実習で煮えたぎった鍋の湯を右前腕部にこぼしてしまいました。猛烈な熱さを感じたため、冷水で20分以上冷やした後、病院に行くと第Ⅱ度のやけどとの診断。病院では化膿止めの内服薬のほか、抗生物質の入った塗り薬を処方してもらい、2週間ほど通院すると包帯は取れました。 ただ、痛みは取れたものの、やけどの瘢痕(はんこん)が残るのではないかと心配したM子さんは、母親と相談して漢方も活用している医院にかかることにし、紫雲膏を勧められました。 その後、3ヵ月聞、紫雲膏を指導どおりに塗り続けると、やけどのあとはほとんど消えて元の肌に戻っていました。また、同時に勧められた柴胡加竜骨牡蛎湯を服用し続けたことで、イライラ感が消え、精神的にも安定した状態で治療に専念できたのです。 ・現代病名:やけど |
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〈たこ(胼胝)〉 著者はかつて百味箪笥の把手の刺激を繰り返すうち、左手中指の中央に大豆大のたこができ数年に及んだ。刺激を緩和する意味で薬室に入って調剤ののち、ときどき紫雲膏をすりこんでいたところ、半年ほどすぎたある日、紫雲膏をつけようとして中指を見ると、いつの間にかきれいにとれていた。 その後7歳の女児の人さし指にできた大きい腓砥に用いたが、これも半年かかってきれいにとれた。 (矢數道明先生の治験) ・現代病名:たこ(胼胝) |
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〈うおのめ(鶏眼)〉 43歳の婦人。数年前から左足の裏に大きなうおのめができ、石のように硬くなり、歩くと痛んで困っていた。 外科的治療もうけたが、根治しなかった。 紫雲膏をつけたところ、局部が軟かになり、歩行するとき少しも痛みを感じなくなった。その苦痛は使用後2~3日目から消失した。長期外用すれば治癒するものと思われる。 ・現代病名:うおのめ(鶏眼) |
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〈ぜいにく(贅(たこ)肉)〉 53歳の男子。ヒゲを剃っているとき、下唇の中央より左下方の所を傷つけた。その後いつの間にか大豆よりも、もっと大きいいぼ(疣)様のぜいにく(贅肉)が高く突起し、先端はザラザラになって、出血しやすくなっている。なんとなく悪性腫瘍に変質するのではないかと心配されてきた。 市販のいぼ(疣)を治すという薬を1ヵ月間つけたが、とれなかったという。そこで紫雲膏を脱脂綿にのばしてぜいにく(贅肉)上に貼り、絆創膏で固定させた。半年間続ける約束をしたが、患者はよくそれを守り、漸次縮小しつつちょうど6ヵ月目に跡方もなくとれた。 ・現代病名:ぜいにく(贅(たこ)肉) |
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組成成分各生薬の詳細説明にリンクします。 |
●皮膚組織の再生力で患部を治す 紫雲膏の構成生薬は、潤肌膏同様、基本的には紫根と当帰の2つです。2つの生薬に共通する作用(抗炎症・鎮痛作用など)が強化されるほか、紫根には、肉芽促進作用といって、損傷した皮膚組織を再生するという重要な働きがあります。この働きが十分発揮できるように、塗りやすく、かつ蒸発・乾燥させずに浸透させ、皮膚の潤いを保護するといった役割をゴマ油、黄蝋(おうろう)、豚脂が担っています。また、これらの構成生薬のおかげで、西洋薬と違って患部がかゆくならずに治っていくのです。 |
●傷がまだ新しいうちに用いる また、切り傷、すり傷、刺し傷などのような外傷全般に共通することは、時間の経過とともに傷口から雑菌が繁殖し、症状が悪化してしまうということです。そうなる前に紫雲膏を塗ってみましょう。紫雲膏自体にも消毒作用はありますが、早くきれいに治すためには傷口を水で洗い流し、雑菌が繁殖しないうちに使うことがポイントです。同様に、痔の痛みにも、肛門を清潔にしてから紫雲膏を使います。米粒ぐらいの量を塗るだけで治っていくはずです。 このほか、湿疹やいぼ、たこ、うおのめ、水虫など、皮膚に関する炎症や変形にも有効です。中でも、うおのめは神経を刺激するため、触れると痛みます。下手に切ったり削ったりすると痛みを伴うだけでなく、その刺激でさらに大きくなったり、あるいは残った根から再発することもあります。このようなうおのめにも、紫雲膏を塗り、医療用のテープを貼って毎日取り替えると、痛みもなく1週間から10日ほどで根こそぎ取れてしまいます。 |
●家庭の常備薬を自分で作る
紫雲膏が適応する症状は非常に幅広いので、常備薬として持っているととても重宝します。さらに、生薬などの材料がそろうならば家庭でも作ることができます。
まずゴマ油を180度前後になるまで加熱します。そこで、黄蝋と豚脂を加えて溶かしていき、次に当帰を加えてから火を弱めます。140度ぐらいにまで温度が下がったら紫根を加え、ほどよい赤紫色になったところで火を止めます。適温のときに麻布などでこしてカスを取り除き、容器に移して冷まします。固まったら、日の当たらない常温の場所で保存しましょう。新鮮で上質な材料を使えば約5年間は保存できます。
紫雲膏の色は、油の温度や容器に移し替えたときの冷やし方などで、鮮やかになったり濃くなったりしますが、効果に差はありません。しかし、製法不良や保存不良、あるいは保存期間の超過で油が酸敗し、異臭がしたり変色した場合には使用を控えましょう。なお、油を煮て作るので、やけどには十分注意してください。