●慢性気管支炎・肺結核などで、熱や咳や痰(切れ難い)がいつまでもとれず、顔色はやや欝血状で浅黒く、皮膚がカサカサしている場合に使用します。
顔色が浅黒く、皮膚がカサカサしている方
肺陰虚(慢性化された乾性咳・粘稠痰)
のどに潤いがなく、痰(たん)が出なくて咳(せき)込むもの、急性・慢性気管支炎、気管支拡張症、乾性肋(胸)膜炎、咳嗽、嗄声、腺病質、糖尿病、房事過度、夢精。
●妊婦または妊娠の可能性のある人は、使用できない場合があります。
●皮膚は乾燥し浅黒い
●頑固な咳と切れにくい粘稠な痰
●乾性ラッセル
●便秘
(source)
西暦1587年 明時代 『万病回春』 {龍+共}廷賢 8巻。《内経》《難経》より金川四大家までの医学書を編纂したもの。上巻には総論、下巻には各論が記載されており、病証の種類も比較的多く、弁証も詳細で、方剤の選択も多い。→処方使用期間:420年間
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k0704 | 42包(2週間分) | 3,264円(税込) | ||
k0832 | 189包(63日分) | 13,121円(税込) |
●一日分生薬乾燥エキス量…5.50 g ●一日分価格(税込)…224円
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証(症状・体質)判定を望む方は
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※この判定のために、AI(人工知能)のエキスパート・システムを構築しました。
次の症状のいくつかある方は、本方剤が良く効く可能性が大きいです。
…清法:熱邪を清解することにより裏熱を消除する治法です。
【中薬大分類】清熱剤…熱を除去する方剤です。清熱・瀉火・解毒・透熱滋陰などの効能により裏熱を改善する方剤です。
【中薬中分類】清虚熱剤…虚性の熱を除く方剤です。
裏熱虚(りねつきょ) …証(体質・症状)が、裏証(慢性症状)、熱証(ほてり・微熱)、虚証(虚弱)の方に適応します。
【気血津・臓腑証】
肺腎陰虚(はいじんいんきょ)…滋陰補血薬で栄養・滋潤し、異化作用の亢進を抑制し、溶解性の去痰に働く麦門冬・天門冬で化痰・止咳するもので、慢性化した気道の炎症に適しています。知母・黄柏は消炎を補助します。さらに白朮・炙甘草・陳皮の補気健脾・理気の効能により、他薬の吸収を強め消化を促進します。ただし、全般に滋潤性の強い薬物が多いため、便秘傾向のものに向き、下痢(泄瀉)傾向のものには向かないです。一般に、乾咳・少痰~無痰・微熱(午後~夜間)・ときに血痰・乾性ラ音などを呈する肺疾患に用いますが、一般的な陰虚による虚熱の症候に使用してもよいです。
肺陰虚・肺腎陰虚(はいいんきょ・はいじんいんきょ)…滋陰補血を主とし清虚熱薬を配合して、肺陰虚・肺腎陰虚で乾咳・少疾~無疾(ときに血がまじります)・盗汗・ほてり・熱感などを呈するものに適します。消炎よりも栄養・滋潤・溶解性去疾などに重点があります。滋陰至宝湯とよく似た処方構成ですが、滋陰降火湯の方が滋陰の効能が強く、より慢性化して肺陰虚があきらかな場合に向いています。呼吸器系の慢性炎症で肺陰虚を呈するものに広く用いるとよいです。
【証(病機)】陰虚火旺(いんきょかおう)
滋補肺腎・清熱・滋陰補血・止咳・化痰
・清熱(せいねつ)…熱をさますことです。身体の内部の熱を冷ますことです。体表の熱の場合は解熱といいます。
・滋陰(じいん)…潤い、冷やす力、陰を補充することです。陰(液)を潤すと、陽(氣)即ち元気が出るということです。陰虚を解消することです。類義語:補陰・養陰・涵陰・育陰
・補血(ほけつ)…血を補うことです。=益血、養血。
・止咳(しがい)…咳を止めることです。
・化痰(けたん)…痰を除くことです。
・陰虚火旺(いんきょかおう)…冷やす力(陰)が落ちて相対的に熱の状態が強くなった状態です。
【滋陰降火湯の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。
〈肺炎後の体調不良〉 年齢/72歳 性別/男性。身長164cm、体重55kg。平成18年2月に肺炎を患い、その後、動悸、息切れ、咳(時々)、立ちくらみなどの症状がみられるようになったとの事で、8月に来店された。体力は低下しているが寒証ではなかった。 滋陰降火湯を1回3g1日2回食前に服用していただいた。服用後半月ほどで息切れ、咳がとれ、その後、動悸も改善された。冬場に向かい不安もあるので10月現在も継続して服用していただいている。併用薬は夏場でもあったので体力をつけるためにアミノ酸製剤を8月から1ヵ月ほど服用していただいた。 ・現代病名:肺炎後の体調不良 |
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〈長期間の咳〉 年齢/60歳 性別/男性。身長155cm、体重70kg。家族で畜産業を営んでおり、長い間、売薬の咳止めを服用していたが、回復しないとの事で来店された。 痰が出にくいと言われたので滋陰降火湯を朝、昼の食前と夜(就寝前)に各1.Og服用していただいた。後日来店された時にはすっかり回復されており、常備薬として置いておきたいのでと言われて再度購入していかれた。 ・現代病名:咳 |
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〈喉の異物感、咳〉 年齢/83歳 性別/男性。体格は中肉で顔色は健康。血圧は高い。 排便は1日2回、量が多く軟便。小便が近く、1日10回夜間頻尿4回。約1ヵ月前から喉につかえた感じがある。空咳で、激しく咳きこみ、1日中咳が止まらない。 半夏厚朴湯、柴朴湯、麦門冬湯合半夏厚朴湯でよくならなかった。滋陰降火湯を服用したら1包で楽になり、2包目で咳が治まった。 3日間の服用で完治した。 ・現代病名:咳 |
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〈口渇、頻尿〉 年齢/30歳 性別/男性。ほてりがあり、疲れやすく、1日に30回以上小便に行く。とにかく水をよく飲み、がぶ飲みする。まず、水のがぶ飲みを止めさせるために、滋陰降火湯(陰虚火旺の症状があるため)、腎陰虚(毛が抜けたり腰痛がある)まで達しているので、六味丸を出したところ、1週間で小便の回数が激減した。腎陰虚になる手前なら滋陰降火湯+小建中湯でよいと考えている。 ・現代病名:口渇、頻尿 |
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〈汗庖疹後の皮膚の乾燥〉 高知県高知市。年齢/57歳。性別/女性。身長160cm、体重50kg、元々皮膚が弱く乾燥する方です。 水毒を除去するため、防風通聖散と竜胆瀉肝湯を服用して新たな水庖が出てくることはなくなりましたが、手がかさかさになるとのことです。 今までハンドクリームを1日何回も使用していましたが、滋陰降火湯を朝、晩2回服用(越婢加朮湯、衛益顆粒を併用)したところ、1週間でしっとりと潤いがつき、ハンドクリームの使用回数が1日1回で済むようになりました。患者さんは大変喜ばれました。 ・現代病名:皮膚の乾燥 |
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〈滋陰降火湯で夜間のせきを克服〉 劇団で大道具係をしているYさん(63歳・男性)は、2週間前にかぜをひき、発熱、せき、倦怠感に悩まされていました。すぐに、病院にかかろうと思いましたが、定期公演が間近に迫っていることから市販薬を服用しました。しかし、か ぜの諸症状は消えても、夜間の激しいせきが止まりません。加えて、夜間の睡眠不足の影響からか体重が減少しはじめ、だんだん心配になってきました。 そこで、友人に紹介された漢方薬局で相談すると、滋陰降火湯を勧められました。 2日ほど服用すると、夜のせきが止まり、よく眠れるようになったそうです。 ・現代病名:咳の風邪 |
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組成成分 |
当帰・芍薬・地黄は四物湯から川芎を去ったものです。四物湯はいわゆる補血剤で、血液循環の悪くなった慢性疾患用の方剤には好んで配合されます(温清飲はその好例です)。ここには川芎が除かれていますが、同様の意味です。
麦門冬・天門冬・陳皮は鎮咳・𱁧痰薬(乾咳向き)、知母・黄柏は解熱薬、黄柏はまた白朮とともに健胃薬で、これに副作用防止・緩和の目的で甘草が加えられています。
滋陰とは、体力が弱って血液も体液も枯渇して熱を帯びた(この状態を陰虚といいます)のを潤し熱を除くの意味です。降火は熱をさますの意味で、慢性化して熱虚燥状を呈し、切れ難い痰を伴う咳がある場合に用いる方剤です。
※神農:三皇五帝のひとりです。中国古代の伝説上の人といわれます。365種類の生薬について解説した『神農本草経』があり、薬性により上薬、中薬、下薬に分類されています。日本では、東京・お茶の水の湯島聖堂に祭られている神農像があり、毎年11月23日(勤労感謝の日)に祭祀が行われます。
左の写真は当帰の花です。 |
病症症状 | 合方 | 備考 |
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腎陰虚があきらかな場合 |
滋陰降火湯+六味丸 » |
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●主治:1.肺腎陰虚 2.陰虚火旺
●効能:滋陰降火