のどが渇いて、冷水を多く飲み、小便の出が悪い方
水毒症あるいは蓄水症(浮腫(むくみ)・腹水・胃内停水)/水液代謝の失調を根本から解消、広範な「水証」治療に応用/水湿内停
水瀉性下痢(泄瀉)、むくみ、頭痛、暑気あたり、急性胃腸炎、浮腫、ネフローゼ、二日酔い、嘔吐、胃内停水、尿毒症、糖尿病、急性胃腸カタル、悪心、めまい、小児・乳児の下痢(泄瀉)、宿酔、黄疸、腎炎、膀胱カタル、日射病、胃下垂、乗り物酔い、腎盂炎、偏頭痛、三叉神経痛、陰嚢水腫、メニエール症候群、癲癇(水でんかん、流涎のあるもの)、胆石症、肝炎、涙嚢炎、結膜炎、羞明、ガングリオン。
【こんな時には】
●一般的には、口が渇き、尿量が少なく、吐き気や嘔吐、下痢、浮腫(むく)み、めまい、頭痛などのいわゆる水毒に適応され、歴代の漢方家によっても臨床例が多く報告されています。
●とくに漢方医学に馴染んでいなくても、「水毒」という概念は西洋医学的にも比較的共通する部分が多く、漢方医学に熟知していなくても比較的使用しやすい薬方です。
●副作用も、発疹、発赤、かゆみなどが報告されているほか、顕著な副作用は把握している範囲では存在しません。桂枝(ハーブのシナモンの枝)に対するアレルギーの有無に気を付ければ投与しやすい薬方と考えられます。経済的にも安価ですよ。
●小児のウイルス性の下痢・嘔吐症、天気の悪化(気圧の低下)に伴う頭痛・脳血管障害や脳腫瘍などによる脳浮腫に対しては、とくに漢方医学的な議論はしなくても、一定の処方設計のなかに積極的に取り入れてよいと強く示唆されます。
1.頭痛。特に気圧の低下に伴って起こる緊張型頭痛。
2.脳梗塞の急性期(脳浮腫を軽減させる目的で用いる)。
3.小児の感冒性嘔吐症・乳児嘔吐下痢症。特に冬期のロタウイルス感染症の初期。
4.水様物の嘔吐(噴水状で悪心を伴わない)・口渇・飲むとすぐに吐く・水様の下痢などの胃腸症状(水湿)。悪寒・発熱・頭痛を伴うことがある。
5.仮性近視。
6.浮腫・水腫で尿量減少を伴うもの。
肝硬変・ネフローゼ症候群・慢性腎炎などの浮腫に補助的に用いる。
7.二日酔い。
●妊娠中毒症の浮腫(むくみ)の場合によく使用します。
●妊婦または妊娠の可能性のある人は、使用できない場合があります。
●口渇、尿不利、発汗
●水を飲むと吐く。(水逆)
(source)
西暦250年 三国時代 『傷寒論』 校訂 六経によって急性熱病を識別し、治療する方法について説明している。→処方使用期間:1757年間
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k0436 | 200錠 | 4,860円(税込) | ||
k0564 | 180包(顆粒剤) | 25,920円(税込) |
煎じ薬は煎じの作業がありますがその薬効は、エキス剤よりも優れています。
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
---|---|---|---|---|
k0989 | 30日分 | 10,778円(税込) |
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k1308 | (EK-17)2.0g×42包(2週間分) | 3,811円(税込) | ||
k1306 | (KB-17)3.0g×28包(2週間分) | 3,811円(税込) | ||
k1307 | (KB-17)3.0g×168包(12週間分) | 21,686円(税込) | ||
k1309 | (EK-17)2.0g×294包(14週間分) | 24,971円(税込) |
●一日分生薬乾燥エキス量…2.00 g ●一日分価格(税込)…249円
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k1756 | 252錠(2週間分) | 3,702円(税込) | ||
k1757 | 1764錠(14週間分) | 25,169円(税込) |
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
---|---|---|---|---|
k1623 | (N17)2.0g×42包(2週間分) | 3,483円(税込) | ||
k1624 | (N17)2.0g×231包(77日分) | 17,305円(税込) |
●一日分生薬乾燥エキス量…3.20 g ●一日分価格(税込)…227円
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
---|---|---|---|---|
k0267 | 180錠 | 5,184円(税込) |
●小太郎の協力会製品のご注文はインターネットではできません。 電話、Fax、Eメールで承ります。 弁証論治しましょう。 |
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k0388 | 540錠 | 13,932円(税込) |
●小太郎の協力会製品のご注文はインターネットではできません。 電話、Fax、Eメールで承ります。 弁証論治しましょう。 |
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
---|---|---|---|---|
k0631 | 42包(2週間分) | 4,162円(税込) | ||
k0759 | 189包(63日分) | 17,502円(税込) |
●一日分生薬乾燥エキス量…2.00 g ●一日分価格(税込)…285円
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
---|---|---|---|---|
k1098 | 24包 | 3,780円(税込) |
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k2281 | JPS五苓散200錠+ウチダ板藍根30包 | 6,696円(税込) |
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
---|---|---|---|---|
k2056 | 60包 | 6,480円(税込) | ||
k2057 | 500g | 28,944円(税込) |
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
---|---|---|---|---|
k1710 | 2.0g×252包(84日分) | 21,883円(税込) |
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証(症状・体質)判定を望む方は
証の判定メニュー画面へ »
※この判定のために、AI(人工知能)のエキスパート・システムを構築しました。
次の症状のいくつかある方は、本方剤が良く効く可能性が大きいです。
【中薬大分類】祛湿剤…停滞した水液(湿)を除去する方剤です。
【中薬中分類】利水滲(しん)湿剤…湿を排泄する方剤です。
裏熱虚(りねつきょ) …証(体質・症状)が、裏証(慢性症状)、熱証(口渇)、虚証(虚弱)、湿証(水分停滞)の方に適応します。
【証(病機)】水湿困脾(すいしつこんひ)
利水滲湿・通陽・解表
・利水(りすい)…腎を温めて、脾を健全にすることです。尿や発汗のことです。水気を下行させて通利することです。利尿、導尿がそれです。薬物では猪苓・沢瀉・通草などにその作用があります。
・解表(かいひょう)…体内表面の邪気を除くことです。
本方剤の適応する使用目標は次のとおりです。
●口やのどが渇き、水を飲むにもかかわらず尿量が少ない。
●飲んだ水をすぐに吐いてしまう。
●微熱があり、のどが渇いて汗も尿も出にくい。
●嘔吐や下痢(泄瀉)、体の痛みがある。
●動悸、息切れがある。
●胃内停水があり、ポチャポチャと振水音がある。
【五苓散の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。
〈下痢・消化不良〉 生後8ヶ月の男の子。前日まで元気だったのが、突然吐き下し、高い熱を出した。脈はかなり速いが、まだ体力はかなりある。水を飲みたがるが、飲ませるとすぐ吐いてしまう。五苓散を投与すると、翌朝には下痢も止まり、熱も下がって全快した。本方は小児の急性下痢に奏効することが多い。
・現代病名:下痢・消化不良 |
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〈暑気あたり〉 世田谷の釣友会で天竜川へ鮎釣りに行ったときのこと。友人の一人がウイスキーを飲み過ぎて河原の石のくぼみで寝込んでしまい、日射病のために激しい頭痛と吐水に苦しんだ。松並木の日陰へ移したが、脈の欠滞が目立ち、恐ろしい思いをした。幸い持ち合わせの五苓散エキスで帰宅までにすっかり治った。その友人は53歳。漆などの塗り師で、日頃は健康で病気をしたことはない。なお五苓散は、冷たい井戸水で溶いてのませた。 ・現代病名:暑気あたり |
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〈五苓散で救われた〉 イベント会社に勤めるEさん(25歳・男性)は、仕事の打ち上げの翌日、ひどい二日酔いに。吐き気と下痢が止まらず、会社にも出勤できなくなり、かかりつけの漢方専門薬局に駆け込みました。 そこで、水に溶いた五苓散をさかずきに1杯ずつ、15分から20分おきに飲むように勧められたのです。指導どおりに飲んでいると、徐々に吐き気も下痢も治まり、3時間後にはすっかり気分がよくなって、午後には出勤できました。 ・現代病名:吐き気と下痢 |
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〈五苓散により、点滴なしで回復〉 Yくん(6歳・男子)は、よく自家中毒を起こし、いつもは小児科で点滴をしていました。漢方治療を受けることになり、Yくんのお父さんは、医師から「五苓散を飲ませて、効かないようなら点滴をする」と説明されました。また、「五苓散を飲むと吐くことがあるが、驚かないように」とも聞かされました。しかし、Yくんは吐くことなく服用できたため、間もなく下痢と嘔吐が止まり、元気になって帰ることができたのです。その後は、自家中毒を繰り返すことはなくなりました。 ・現代病名:自家中毒 |
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〈妊娠中毒症のむくみが1日で改善〉 初夏から順調に妊娠期間を過ごしてきたK子さん(28歳)は、臨月に入った冬になってから急に尿が出なくなり、むくみに悩まされるようになってしまいました。産科で処方された利尿剤を飲んでも効き目はなく、漢方を処方するクリニックを受診したのです。クリニックでは、むくみ全般に用いられる五苓散が処方されました。これを飲んだところ、丸1日で尿が出るようになり、むくみが解消されたのです。すぐに体調も元に戻り、出産も無事に終えることができました。 ・現代病名:むくみ |
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〈一過性のむくみを漢方で即解消〉 Y美さん(24歳)は、友人とお酒を飲んだ翌日、手足がひどくむくんでしまいました。しかも、前夜はずいぶん飲んだにもかかわらず尿が出ていません。急いで勤務先である漢方を処方する医院に出勤し、医師に相談しました。Y美さんは、薄着で出かけたといい、そこに飲み過ぎが加わって体の内と外から冷えて水が滞ってしまったのです。処方された五苓散 を服用したところ、すぐに尿が出るようになり、あっという間に手足のむくみも取れました。以来、Y美さんはレッグウォーマーなどで冷え対策を取っています。・現代病名:むくみ |
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〈五苓散でよだれが少なくなった〉 建設会社の業務部長のMさん(55歳・男性)は、ここ数年、よだれの量が多く なり、会話のさいは口角が泡立つほどになっていました。このままでは、取引先との会合にも支障が出ると思い、会社近くの大学病院でさまざまな検査を受けたのですが、いずれも異常はなく、医師からも「問題はないので、このまま様子をみてください」と言われてしまいました。しかし、いくらたっても症状は改善せず、就寝中によだれが垂れて枕がびっしょり濡れるほどになりました。 そんなとき、心配した奥さんから漢方を勧められたのです。Mさんは元来、丈夫だったこともあり、漢方とはほとんど縁がなかったのですが、半信半疑で漢方薬局を訪れたところ、五苓散を勧められました。 Mさんが2ヵ月ほど五苓散を服用してみると、唾液の量が減少するとともに、 尿の出もよくなって、体調がすこぶるよくなりました。 あまり漢方薬に期待をもっていなかったMさんですが、今では奥さんや会社の部下に漢方薬を勧めるほど、漢方が気に入っているそうです。 ・現代病名:よだれ |
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〈漢方薬で肥満解消、月経も規則的に〉 Cさん(18歳・女性〕は、思春期に入ったころから太りはじめ、やがて月経が止まってしまいました。心配になったCさんは漢方の専門医を訪れることにしました。漢方専門医は、全身にむくみが出ていることと月経異常が現れていることから、Cさんの肥満を血と水の停滞が原因であると判断し、水のめぐりをよくする五苓散と血のめぐりをよくする桂枝茯苓丸、そして便秘解消作用のある大黄甘草蕩を処方しました。 Cさんが漢方薬の服用とバランスのよい食事を取るように心がけたところ、3ヵ月後には2㎏の減量に成功しました。 元来の明るい性格も手伝って、Cさんはそれからさらに前向きにダイエットに取り組みました。こうしてしばらくすると、月経が再開し、体重は標準体重に近いところまで減ったそうです。 ・現代病名:肥満解消 |
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〈多少進行した状態でも速やかに快方へ〉 母親が娘のK美ちゃん(4歳)を連れて漢方外来のある病院を受診したのは、K美ちゃんが39度の熱を出してから3日目のことでした。事情があって、病院へ連れて行くのが遅くなってしまったのです。医師がみると、すでに皮膚の発疹が出ており、はしかとの診断が確定しました。病状も進んでいて、K美ちゃんは脱水症状を起こしかけていました。 そこで医師は、体力が低下しているときのはしかに適する柴胡桂枝湯と、水の調節作用がある五苓散を混ぜて処方しました。 これを服用すると、出かかっていた発疹が一気に出て、3日後には治まりはじめたのです。熱も下がり、脱水症状も改善されました。症状が進行した状態から漢方治療に入ったのですが、結局1週間ほどで完治してしまったのです。 ・現代病名:はしか |
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〈漢方薬でむくみが解消、妊娠中毒症も回避できた〉 妊娠中のSさん(27歳・女性)は軽いつわりはあったものの、それ以外は目立った症状もなく、ほぼ順調に妊娠期間を過ごしていました。ところが、臨月に入ろうかというある日、急に尿が出なくなり、足にひどいむくみが現れたのです。急いで産科に駆け込んだところ、水分を排出する薬が処方され、しばらく安静にしているようにいわれました。しかし、帰宅して処方された薬を飲んだとたん、まるで胎児が暴れ回るような激しい胎動が起こってしまいました。利水作用が羊水にも影響したためかと怖くなったSさんは、その日のうちに漢方を扱う医師がいる内科を訪れました。 内科で処方された五苓散(ごれいさん)を服用したところ、聞もなくして排尿があり、心配していた胎動もおなかの張りもなくなりました。さらに、翌日には足のむくみもきれいに取れていたのです。 後日、Sさんがこの体験を産科の医師に話すと、医師は漢方薬の効果に大変興味を示し、熱心に五苓散について学んだそうです。その後、その医師は妊娠中のむくみには西洋薬とともに五苓散を用いるようになったということです。 ・現代病名:妊娠中毒症 |
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〈漢方薬を飲み続けたおかげでいぼが完治〉 50歳代で、声の張りがあって元気そうなKさん。右手の人さし指の第2関節近くにいぼができましたが、まだ中に潜っているようで完全に現れてはいません。訪れた皮膚科の医師は、Kさんに五苓散を飲むように指示しました。1週間後、再びKさんが病院を訪れたところ、医師はその指を見てびっくり。治るどころか、完全に花を咲かせたように、いぼが大きくなっているではありませんか。 医師は少し迷いましたが、やはりこの人には五苓散が合っていると思い、さらに1週間我慢して飲んでもらいました。 するとどうでしょう。それまでの状態がうそのように、悪化していると思っていたいぼがぽろっと取れ、肌がもとのきれいな状態に戻ったそうです。 ・現代病名:いぼ |
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〈五苓散合人参湯で社会復帰〉 C型肝炎から肝硬変になり、入院していたI夫さん(50歳・男性サラリーマン)は、腹水と黄疸に悩まされていましたが、五苓散合人参湯を服用したところ、症状が徐々に緩和され、半年後には退院できました。その後、10年たっても体調は至って快調とのことです。 今は、社会復帰を果たし、間もなく30年以上勤め上げた会社を定年退職するそうです。 ・現代病名:肝硬変 |
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〈海外旅行での食あたりが治まった〉 Tさん(23歳・女性)は、友人と4泊5日で東南アジアへ旅行しました。食事にはできるだけ気を付けていたのですが、最終日の夜に、現地の屋台で本場の味を楽しんで部屋に戻りました。すると、夜半からおなかの調子が悪くなりはじめたのです。食中毒ではと心配になったのですが、同行した友人は大丈夫だったので、食中毒ではなかったようです。しかし不安だったので、帰国するやいなやかかりつけの漢方を処方する医師のもとを訪れました。 念のため検便もしましたが特に異常はなく、五苓散と真武湯を処方され、それらを服用するとすぐに改善しました。旅行の疲れと、食べなれない料理による下痢だったようです。 ・現代病名:食あたり |
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〈五苓散で孫の下痢がぴたりと止まった〉 Eさんの孫のYちゃん(5歳・男子)は、スイカを食べておなかを冷やしたのか、下痢と腹痛を起こして大騒ぎになりました。近所の小児科にみてもらったところ、下痢嘔吐症という診断でした。飲み薬をもらい、脱水状態にならないように、水分を補給して様子をみること、というアドバイスを受けたのですが、Yちゃんは薬を飲むための少量の水さえも吐き出してしまうのです。 うろたえたEさんは、すがる思いで漢方薬に詳しいホームドクターに相談してみました。すると、「それは漢方の方が治る」とのことで、五苓散が処方されました。 Yちゃんが漢方薬を吐き出さずに飲んだのでほっとしていたところ、何と1服飲んだだけで、腹痛も下痢も止まってしまったのです。 以来、Eさんは孫のために五苓散を常備しています。 ・現代病名:食あたり |
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〈五苓散で片頭痛発作がなくなった〉 10代のころから片頭痛に悩まされている主婦のEさん(33歳)は、都内の頭痛外来に10年間通っています。医師からは生活指導と鎮痛薬、血管収縮剤などの処方を受けていますが、毎月1度は激しい発作に襲われるなど、一向に病気が改善する兆しはありません。そのため、最近は精神的にもかなり落ち込んでいました。心配になったご主人の「体質改善するために漢方を試してみては…」というアトバイスを受け、Eさんが近所の漢方薬局を訪れたところ、薬剤師は、のどが渇き、尿が少ないという訴えと、体力もあまりないという判断から五苓散を処方しました。 Eさんはその後、3ヵ月ほど服用していますが、その間、一度も片頭痛の発作に襲われませんでした。 大きな心配事が解消されたEさんは性格的にも明るくなりました。また、尿の出もよくなり、気になっていた足や顔のむくみもほとんどなくなりました。 ・現代病名:片頭痛 |
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〈3歳の女子の感染性胃腸炎〉 今朝から気分が悪そうで、何回か吐いたので受診しました。先生にそのことを話すと、「吐き気でお薬を飲めないかもしれないので、漢方薬をお尻から入れましょう」と言われ、茶色い液体をお尻から入れてもらいました。 子どもに漢方薬って使ってもいいのですね。 気温が下がる秋口から春先にかけて流行する感染性胃腸炎は、小児科ではよく見られる疾患である。主に嘔吐や下痢などの消化器症状が現れる。その原因は、アデノウイルスやノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルスが大半を占める。 小児の胃腸炎では、早期に嘔吐を伴うことが多い上、脱水症状を来しやすい。 ウイルス性の場合は、一般に制吐薬や整腸薬などの対症療法がメーンとなるが、嘔吐のため経口薬が飲めないことが少なくない。そうした場合に、胃腸炎に対して薬剤を肛門から注入する治療法(注腸)を行う小児科が多い。 五苓散(ごれいさん)は、沢鴻、蒼朮、猪苓伏苓、桂皮(もしくは桂枝)の5種類から構成される漢方薬である。五苓散は体内の水分を調整する利水剤で、水毒(体内の水が過剰の状態)では尿量を増やして放出し、水虚(体内の水が不足している状態)では尿量を減らす作用がある。適する症状としては、口渇、のどが渇くが吐いてしまい水分を摂取できない、尿量減少などで、胃腸かぜに見られる症状に当てはまる。 五苓散を注腸する場合は、5~20mLの微温湯(温めた生理食塩水でもよい)に五苓散のエキス剤を溶かし、患児の肛門から注入するといった方法がとられる。 薬効成分が直腸粘膜から吸収されて速やかに血流に入るため、静注したような即効性があると考えられている。 注腸以外に、坐薬を投与する方法もある。エキス剤を粉末化したものを、融解した坐薬基剤と混合し、坐薬のコンテナ内で固化させる。注腸も坐薬も効果は同じであるが、保存が可能である点や注腸のように用時調製する煩わしさがないことから、自家製剤の坐薬を使用するケースもある。 五苓散の注腸は、経口投与よりも効果が高いと判断する医師が多く、早いと注腸後15~30分程度で嘔吐が止まり、その後イオン飲料などを飲ませても吐かなくなる。注腸による下痢の悪化も認められていない。 福富らにより、急性胃腸炎による嘔吐を主訴とする、生後6ヵ月~11歳まで(平均3.7歳)の患児211人を対象とした臨床試験も行われている。五苓散2.5gを温生理食塩水20mLに溶解し注腸すると、有効率が82.9%だったという。また、アデノウイルスやロタウイルスなどによるウイルス性胃腸炎と診断された生後4カ月から3歳6ヵ月まで(平均1.4歳)の84例の乳幼児に、五苓散2.5gを微温湯20mLに溶解し、体重1kg当たり五苓散O.15g(1.2mL)を注腸した臨床試験では、有効率が84.5%だったと鈴木らは報告している。 なお、嘔吐や下痢が治まってきたら、イオン飲料などを飲ませ、うどんやおかゆなど消化のよい食事を取らせるよう、保護者にアドバイスすることも大切である。 参考文献 1)日本病院薬剤師会雑誌2005;41(⑦:1543一総 2)小児疾患の身近な漢方治療2011;10:66-74. ・現代病名:感染性胃腸炎 | |
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組成成分 |
生薬名(herb name) | 薬量(quantity) | 君臣佐使(role) | 効能1 | 効能2 | 大分類 | 中分類 |
---|---|---|---|---|---|---|
猪苓 » |
3 |
臣薬 |
利水止瀉・消腫 |
利水滲湿薬 |
||
沢瀉 » |
5 |
使薬 |
利水止瀉・消腫 |
清熱 |
利水滲湿薬 |
|
白朮 » |
3 |
佐薬 |
利水止瀉・消腫 |
健脾 |
補虚薬 |
補気薬 |
茯苓 » |
3 |
君薬 |
利水止瀉・消腫 |
健脾 |
利水滲湿薬 |
|
桂皮 » |
2 |
使薬 |
理気・散寒(通陽) |
解表 |
解表剤 |
辛温解表薬 |
・君薬…方剤配合中の主薬で、症状に対して主に作用する薬物です。 |
1.白朮・茯苓・猪苓・沢瀉は、組織中や消化管内の水分を血中に吸収して、利尿作用によって排除します(利水惨湿)。猪苓・沢瀉は、尿細管再吸収抑制によるやや積極的な利尿作用をもつといわれています。
この作用により、浮腫や下痢(泄瀉)を緩解します(止瀉・消腫)。
2.桂皮は、血管拡張により血行を促進し、また消化吸収を補助し、利水の効果を強めます(通陽)。また、発熱・悪寒・頭痛などの表証があるときには、発汗・解熱に働きます(解表)。
(補足)
本方は、利水滲湿の基本方である四苓散(白朮・茯苓・沢瀉・猪苓)に通陽の桂皮を加えたものです。体内の水分の偏在(組織内や消化管内の水分貯溜)に用いるべきもので、脱水には禁忌です。熱証を呈するときには単独で用いてはならないです。
沢瀉・茯苓・猪苓は利尿薬の代表、白朮・桂枝も燥性薬で、漢方で湿証に対処する方剤の代表とされています。
この方剤には桂枝という表証用の生薬が入っているので、同じ湿証でも頭痛・めまいを伴う湿証と見ることができます。
湿証は一般に口渇がないのを常としますが、この方剤は普通、口渇と尿量減少を目標に用いられます。そうするとこの口渇は、熱証による口渇と見なければなりません。水を飲むとすぐ吐くというのが、この方剤の使用目標の一つに数えられますが、それは、湿証で水を受けつけないためと、熱証であるため(寒証なら時間を置いて吐く)とによると考えれば、理解できます。
要するにこの方剤の適応する証は、湿熱証で、口渇と尿量減少があり、しばしば頭痛やめまいを伴い、水を飲むと吐くというのが、その典型的な証です。
※神農:三皇五帝のひとりです。中国古代の伝説上の人といわれます。365種類の生薬について解説した『神農本草経』があり、薬性により上薬、中薬、下薬に分類されています。日本では、東京・お茶の水の湯島聖堂に祭られている神農像があり、毎年11月23日(勤労感謝の日)に祭祀が行われます。
●口渇、尿量の減少に、まず五苓散 |
●乗り物酔いにも効く五苓散 |
病症症状 | 合方 | 備考 |
---|---|---|
悪心・嘔吐を伴う場合 |
五苓散+小半夏加茯苓湯 » 五苓散+半夏厚朴湯 » |
|
元気がない・疲れやすい・食欲不振などの気虚を伴う場合 |
五苓散+六君子湯 » 五苓散+補中益気湯 » 五苓散+人参湯 » |
|
五苓散=沢瀉湯+苓桂朮甘湯