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こんな方に

女性の薬。疲れやすく、イライラし手足が冷える方

主 治

血の道症、月経不順、産後の体力低下

適応症

産後の衰弱血の道症月経不順骨盤内鬱血症候群貧血症痔疾患体力低下自律神経失調症乳汁分泌不足

妊娠・授乳の注意

女性

●破泄の性質があって動血し堕胎しやすいので、月経過多や妊婦には禁忌です。産後の方には聖薬(産後の回復のための良薬)です。

診断のポイント

●女性
●疲れやすく、イライラし、手足が冷える人

弁証論治

●血瘀 »
●出血・血瘀 »
●気滞血瘀 »

出典書籍

出典書籍 (source)
西暦1920年 明治時代 『一貫堂創方』 森道伯 体質改善を主にした漢方療法。森 道伯(もり どうはく、慶応3年11月7日(1867年12月2日) - 昭和6年(1931年)1月19日))とは、明治・大正・昭和時代の日本の漢方家であり、後世派の一流派である一貫堂医学の創始者。→処方使用期間:87年間


処方別・製品一覧

医薬品個人輸入 説明表示をクリック(タップ)→説明表示 いらっしゃいませ 医療用漢方薬

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小太郎漢方製薬小太郎漢方製薬 » ≪医薬品≫ 漢方製剤No:S118
本剤は、〈錠剤〉です。
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k0108 180錠 4,644円(税込)
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k0109 540錠 12,528円(税込)
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証の判定

判定

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中医学の証・解説

次の症状のいくつかある方は、本方剤が良く効く可能性が大きいです。

芎帰調血飲第一加減 朱雀:四神の獣・南方の守護神

【中薬大分類】理血剤…血の運行を調節する方剤です。理血薬を主体にして血分を調理し、血分の病変を改善する方剤です。

【中薬中分類】活血化瘀剤…滞った血(瘀血)を流す方剤です。蓄血・血瘀による疼痛・腫脹・腫瘤・半身不随・月経痛・無月経あるいは産後の悪露停滞・化膿症初期・狂躁などのさまざまな病変に使用します。

八綱分類

裏寒虚(りかんきょ) 裏 寒 寒 虚 …証(体質・症状)が、裏証(慢性)、寒証(冷え)、虚証(虚弱)、血虚(血流不足・貧血症状)、気滞(抑鬱(うつ)・不安)の方に適応します。


【気血津・臓腑証】
血虚の気滞血瘀(けっきょのきたいけつお)…虚弱者に対する全面的な活血化瘀剤として非常に有効、便利な方剤です。特に「産後」の体力消耗時に悪露の排出を促進する目的で使用されています。産後に発生する疾患(精神異常・腰痛・リウマチ・起立不能)を予防・治療するのに大変有効です。

【証(病機)】気滞血瘀兼気血両虚(きたいけつおけんきけつりょうきょ)

女性  男性 女性の使用が多い方剤です。

中医学効能(治法)

活血化瘀・補血・理気健脾・利水

用語の説明(term)

活血(かっけつ)…血の流れを良くすることです。

化オ(けお)…オ血を解消することです。

補血(ほけつ)…血を補うことです。=益血、養血。

理気(りき)…理気:気の流れを良くすることです。気(氣)を正常に巡らせ機能を回復する治療法です。

健脾(けんぴ)…脾の働きです。脾胃の機能を正常にする治療法です。


症例・病例・治癒例・case study(case study)

【芎帰調血飲第一加減の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。

1〈若いおかあさんの育児ノイローゼに〉

治例図 父親に連れられて若い女性が来店されました。

父親の話では、この娘さんは二児の母親で、2番目の子を出産後体調がすぐれず心身の疲労感が強く顔色もよくない、ということです。夜も眠れないようで床についてから毎晩のように泣いてばかりいるそうです。昼は家事もほとんど手がつかずぼんや りしていることが多い、といいます。

顔色は青白く赤みがみられず、表情もボーツとした感じで生気がなく、あまり話もしたくない様子であったそうです。

とりあえず、「この薬は産後にとてもよい薬ですから…」といって、芎帰調血飲第一加減の180錠をさしあげ、お帰りいただきました。

10日過ぎに再び父親と来店、今度はすっかり血色がよくなりニコニコしながら話に応じてくれました。

とても気分がよくなった様子で、夜も眠れるようになり「この薬はとても私に合ういい薬ですね」といって、本当にうれしそうにキュウキインをもう1本買って帰られました。

・現代病名:育児ノイローゼ

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2〈足の筋肉の痛みと腫れに〉

治例図 Tさんという35歳の女性、近くのお寿司屋のおかみさんで、お子さんが二人います。

体格はややほっそりして、顔は少し浅黒い感じで一見元気そうに見えますが、開店時間前に毎日のように店に来てドリンク剤などを買っていかれます。

お店は二階にも客席があって階段の上り降りが多く、店じまいして休む頃は、毎晩、足の筋肉がパンパンに張ってむくみ、重く痛むのだといいます。また、下肢に静脈瘤もある、というので芎帰調血飲第一加減を服用いただくことにしました。9月末ぐらいの頃です。

服用をはじめて4箱目くらいになった頃から、足の筋肉の張りもなくなり、痛みや重さも感じなくなってきた、ということです。

身体の調子のいいのが自然に表情にも現れてくるのか、お店のお客さんからよく「このごろ肌が若返ってきたようだ」と言われる、と本当にうれしそうに芎帰調血飲第一加減の服用を続けています。

また後で聞いた話によると、このおかみさんには腰痛の持病があり、もともと「骨盤がずれている」ということで、その治療のために、病院に年に3~4回通院していたようです。最近、またその病院で診察いただいたところ、診察したドクターは「血行がだいぶ良くなってきたようだ。食事療法などもやっているのだろう」と言っておられたそうです。もちろん、漢方薬をのんでいることをこのドクターには話していないそうです。

Tさんは、客商売で、お客さんが立込んでくると、トイレをがまんすることなどからときどき膀胱炎を繰り返します。そのため、一貫堂の竜胆瀉肝湯も愛用薬の一つです。

膀胱炎になると竜胆瀉肝湯を2~3日服用すると、きれいに治まるそうです。

・現代病名:筋肉痛・腫れ

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3〈慢性頭痛がわずか二日で解消〉

治例図 60歳のMさんという女性です。

やや小柄痩せ型で、眼鏡をかけているがかわいい感じの奥さんで「10歳は若く見られる」といいます。

主訴は頭痛。脳神経科でも「あなたに使う薬はない」といわれ、10数年来市販の頭痛薬をのみ続けています。子供さんはみな独立し、ご主人と二人暮らしです。たいへん世話好きな方でいろんな活動をしているらしく、外出する時も頭痛薬をはなせません。一日に3回は必ず服用します。また「神経を使いすぎると、自宅に帰るとグッタりする」といい、「頭痛が治ればほかに何もいうことはない」といいます。世話好きの半面気疲れするタイプのようです。

頭痛以外には、肩こりがあり、足が少し冷えるという程度で、他にはこれといった症状は見られません。

顔色は化粧をしているのでよくわかりませんが、手がカサカサ乾燥して荒れていて、わずかに手に年齢を感じます。

几帳面で気疲れしやすく、やや冷えがあり、血虚があり、瘀血もあろう…、そう考えて、キュウキイン(芎帰調血飲第一加減)を服用いただくことにしました。ところが適応症をみても、どこにも頭痛に効くとは書いてないので、どうも納得がいかないらしく、あれこれいろんなことを話しておられましたが、「一週間しても、まだ頭痛がとれなかったら必ずご連絡ください」といって お帰りいただきました。

キュウキイン服用の第一日目は、やはり頭痛が治まらず頭痛薬も服用したが、二日目からは頭痛薬をのまなくても頭痛は起らなくなりました。以来「10数年も続いていた頭痛がウソのように消えてしまった」ということです。

ご主人もたいへん気を使っておられたようで、「よかった、よかった」と自分のことのように喜んでくださった、ということです。

・現代病名:慢性頭痛

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4〈産後の足の痛みと腫れに〉

治例図 年齢は25歳、92年8月10日に出産、初産です。

ところが翌11日になったら、突然「足が痛く、重苦しい」と訴えだしました。

やや腫れた感じもあります。病院のドクターに話しても、がまんしなさいということか取り合ってもらえないようです。そうなるとますます苦痛が増すようです。「いつも多少オーバーなところがある娘だが…」と思いつつも日頃、漢方相談をやっている先生にすれば、なんら手が打てないとなればこ けんにかかわります。

そこで、すぐキュウキイン(芎帰調血飲第一加減)を思い出しました。

適応症に「産後の諸症状に」とあり、「血の道症」とある。さらに処方解説には、産後にはホルモンが入れ替り「出血や精神面のショックが多く・産後の血の道といわれるものや血脚気(産後の足が立たない等の症状)の治療の目的に組み立てられた」処方とあります。

キュウキイン1回4錠を服用させることにしました。そうすると、驚いたことにその日のうちに痛みが止まり、2~3日でまったく苦痛を訴えなくなりました。まさに「産後の血の道や血脚気の治療のために作られた処方」の、その見事な効果を身を以て体験させられた一例でした。

ただし、「東医雑録」(1)に、山本巌博士は「寒証にはよいが熱の者には用いない」と書いてあります。

・現代病名:産後の足の痛みと腫れ

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5〈生理痛がなくなり、安眠が訪れる〉

治例図 女性22才です。

身長154㎝、体重48㎏の保母さんで生理痛と肩こりで来局された。他に血圧は115-86、胃腸機能が弱い、風邪を引きやすい、神経質、眠りが浅くてすぐに目が覚める、汗をかきやすい、貧血気味、腰痛などの症状があり、夜は足が特に冷えるので靴下をはいて寝ているそうです。下半身の寒証と考えて芎帰調血飲第一加減を推売して用法・用量通りに服用して頂いたところ、2-3ヶ月経って生理が順調になって生理痛も無くなり、夜もよく眠れるようになりました。現在も続けて服用中です。

(併用薬)
ササヘルス(古血を改善するため)。

・現代病名:生理痛

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6〈産後の疲れをとり、血虚血瘀に著効〉

治例図 女性24才。

産後で疲れやすいと相談に来局されました。貧血の傾向もあり、話しを聞いてみると初産でストレスもあるようです。出産によるものと考えて産後の肥立ちや産後の回復にも効果が期待できる芎帰調血飲第一加減を推売しました。

服用していると調子が良いので4ヶ月になるが現在も続けて服用中です。

〈解説〉
芎帰調血飲第一加減は21種類もの多くの生薬で構成されています。産後は気血の消耗が激しく、疲れやすく、またストレスも受けやすいので、四物湯と牡丹皮、益母草、桃仁、牛膝など活血化瘀薬の配合で血虚血瘀によく効を奏し、烏薬、香附子、木香などの理気薬によってストレスが改善されたのではないかと思われます。

弁証論治 リンク血瘀 »

・現代病名:産後の疲労

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7〈生理不順、生理痛を軽減〉

治例図 女性23才。

色白ですが少し赤味を帯びた顔色の方です。生理は周期が一定していなくて生理前にも痛みがあり、経血量は少なく色もうすいです。他にめまいや偏頭痛もあります。原因は血虚と瘀血だと判断しましたが難しい複雑な証でどの分類型に属するのかわかりませんでした。

とにかく典型的な婦人疾患なので芎帰調血飲第一加減が良いと思い、180錠を推売しました。服用していると症状が軽くなったので、1年位になる現在も540錠に変えて続けて服用中です。

・現代病名:生理不順、生理痛

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8〈疲れによるむくみ、排尿不利を改善〉

治例図 女性50代。

料理屋さんで料理の味付けを担当されている方です。長くミネラルを取り過ぎたのか血圧が高くなり、疲れるとむくむようになったのです。

また、尿が余り出ない。店を休む事が多くなり、初めのうちは休むと翌日の調子がよくなっていましたが、そのうち休んでもむくみや疲れが取れなくなってきました。

病院ではツムラの五苓散、猪苓湯、当帰芍薬散と順番にもらったそうですが、効果は無く、透析を始めました。

しかし、透析を始めてもむくみは取れず、よけいに疲れるようになりました。家でおばあさんが「これは血の道で私らの頃は、まわたぐすりを飲んでいた」という事でまわたぐすりを買いにみえました。

虚証で疲れやすく、顔がむくみ、唇に瘀血の症状がみられたので、芎帰調血飲第一加減を服用して頂くようにしました。

4-5日で効果が出始めて尿が楽に出るようになり、調子がよいので試しに服用を止めたら、また、むくむようになりました。

現在は1年程になりますが続けて服用中で、血圧も落ち着いてきました。五苓散で出なかった尿が芎帰調血飲第一加減でどうして出るようになったのかはわかりませんが、本人の主訴が軽くなったのでよかったです。漢方とは不思議なものです。

・現代病名:排尿不利

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処方画像

芎帰調血飲第一加減

産後の諸症状、月経不順に
産後の体力低下、月経不順など広く女性の諸症状に使われる漢方薬として芎帰調血飲第一加減があります。この処方は女性の聖薬といわれています。
女性は出産に伴いとても体力を消耗します。産後は血液循環のトラブルが起こりやすく、貧血、体力低下によるだるさ、冷え症などの症状がみられることがあります。また、ストレスの多い昨今、子育てに対する不安からイライラしてノイローゼになることもあります。
このような産後の諸症状に芎帰調血飲第一加減がよく使われます。この薬は21種類の薬草から構成されており、血液を補ったり循環を調節したりする働きのある薬草をベースにしています。したがって、疲労、貧血、冷えといった症状に対応できます。さらに気のめぐりを良くする薬草が配合されていますので、不安、イライラといった育児ノイローゼにも使われています。まさに産後の症状のために考えられた妙薬といえます。
また、産後以外でも、気力・体力が落ちて手足が冷えた場合や血液循環のトラブルによる月経不順、ストレスによるイライラなど現代人に多い症状にもよく使われています。


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当帰の作用 左の写真は当帰の花です。
当帰の作用は次の通りです。
補血作用血の機能を高め、身体の栄養分を補います。
行血作用…子宮を収縮して、瘀血(流れの滞った状態の血液)を排出したり、子宮の痙攣を抑えます。
潤腸作用腸内の水分不足を改善し、便秘に効果を発揮します。
調経作用…月経を調節します。
鎮静作用気持ちを静める作用です。

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