外感風寒・内傷湿滞による霍乱吐瀉です。湿気が多い時期に冷えたり、暑熱の時期に生冷物を摂取したうえ納涼して、風寒湿邪を感受するか、あるいは脾虚湿滞のものが風寒の侵襲を受けることにより、発症することが多いです(例えば、梅雨時の風邪症候群などですね!)。
外邪により衛陽が欝阻されて悪寒・発熱・頭痛が生じ、湿邪が肌表にも停滞するために頭が重く身体が重だるい。
湿邪が気機を困阻するので胸苦しい・腹満・腹痛などがつよく、混濁が脾胃の昇降を失調させるために悪心・嘔吐・下痢が発生し、突然に吐瀉があらわれるのが特徴の一つです(霍乱吐瀉)。
舌苔が白膩は湿滞を示します。脈が浮は外感を示し、湿滞のために細弱になり、濡脈(浮・細・無力)を呈するのです。
夏の感冒、暑さによる食欲不振・下痢(泄瀉)・全身倦怠
寒湿困脾症(胃内停水・吐き気・下痢(泄瀉))/夏のカゼに多用される「外寒+内湿」治療の名方剤
夏の感冒、暑さによる食欲不振・下痢(泄瀉)・全身倦怠、胃腸型感冒、インフルエンザ、急性胃腸炎、胃・十二指腸潰瘍、慢性結腸炎、食中毒、流行性耳下腺炎などで湿困脾胃を呈する方、中暑(暑さ当たり)、小児の食滞による咳嗽、小児のいぼ(顔面や手足に多発する疣)、歯痛、水あたり
●重だるさ
●下痢(泄瀉)、腹痛
●吐き気
(source)
西暦1107年 宋時代 『和剤局方』 陳思文 太平恵民和剤局方(たいへいけいみんわざいきょくほう)ともいう。宋・太医川編。1078~1085年に刊行。宋代の薬局法ともいうべき書で、ちなみに日本の薬局方の名はこの書より起ったものである。現存するものは10巻で諸風、傷寒など14門、788方に分類される。処方毎に主治、配伍、修制法などが記されており、広く流布し、影響の比較的大きい書である。→処方使用期間:900年間
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k2279 | 2g×12包 | 1,296円(税込) |
●一日分生薬乾燥エキス量…6 g ●一日分価格(税込)…0円
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k0086 | 60錠 | 1,728円(税込) |
●小太郎の協力会製品のご注文はインターネットではできません。 電話、Fax、Eメールで承ります。 弁証論治しましょう。 |
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k0087 | 180錠 | 4,644円(税込) |
●小太郎の協力会製品のご注文はインターネットではできません。 電話、Fax、Eメールで承ります。 弁証論治しましょう。 |
●一日分生薬乾燥エキス量…2.20 g ●一日分価格(税込)…336円
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
---|---|---|---|---|
k0533 | 30ml×3本 | 1,188円(税込) |
●一日分生薬乾燥エキス量…12.50 g ●一日分価格(税込)…1155円
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証(症状・体質)判定を望む方は
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※この判定のために、AI(人工知能)のエキスパート・システムを構築しました。
次の症状のいくつかある方は、本方剤が良く効く可能性が大きいです。
…消法:消食導滞・散結消堅の効能により、気・血・痰・食・水・虫などが積聚した有形の滞結を徐々に消散させる治法です。
【中薬大分類】祛湿剤…停滞した水液(湿)を除去する方剤です。きょ湿薬を主体にし、化湿利水・通淋泄濁の効能によって水湿の邪による病変を改善する方剤です。
【中薬中分類】燥湿和胃剤…湿を乾燥して脾胃を調節する方剤です。
裏熱虚(りねつきょ) …証(体質・症状)が、裏証(内臓)、熱証(ほてり)、虚証(比較的体力がない)、湿証(水分停滞)の方に適応します。
【気血津・臓腑証】
表湿(ひょうしつ)…表湿に対する代表方剤で、湿気の多い時期の感冒には非常に便利かつ有効です。軽度の悪寒・頭痛・頭重・むくみ・体が重い・多量の鼻みず・咳漱・多疾・舌苔が白膩などを呈する表湿に用いますが、さらに悪心・嘔吐・腹満・下痢(泄瀉)などの胃腸症状を伴う場合にも良いです。
それゆえ、湿気の多い時期の胃腸型感冒には、霍香正気散のみで対処できるほど非常に便利な方剤です。
藿香正気散(かっこうしょうきさん)…
藿香正気散(かっこうしょうきさん)は「和剤局方(わざいきょくほう)」という漢方の古典で紹介されている漢方薬です。処方名の頭についた藿香(かっこう)は、体に取り付いた邪(ウイルスなどの病原菌)を発散させる生薬で、この処方の主薬でもあります。次の「正気(しょうき)」とは、からだの内外の冷えや湿気などが原因で、乱れてしまった気を正すという意味で、この処方名が付けられました。
日本では古くから夏の食欲不振に、ネギやミョウガ、シソなど香りが強くて辛みのある薬味や香辛料などを使用してきました。また、刺身のツマには必ずシソの葉が添えられています。それは、香りなどの刺激が胃腸の働きを活発にすることや、シソを添えることで食中毒が予防できるということを経験的に知っていたからです。藿香正気散には藿香や蘇葉(そよう:シソの葉)など香りの高い生薬も多く含まれており、暑さや冷たい飲食物をとり過ぎて働きの悪くなった胃腸を癒し、食欲不振などを改善することができます。
カゼの原因となるウイルスは、体を温めたり血流を改善したりすることによって体の外に追い出すことができます。しかし、夏のカゼでは暑さも増悪因子の一つとなっているので、体を温め過ぎることは適切ではありません。藿香正気散の主薬である藿香は、適度に体を温めて湿気も発散させてくれます。 藿香正気散にはこのほかにも、胃の中にたまった水分を取り去る作用のある生薬などが含まれています。胃腸の余分な水を除いたり、その働きを改善したりする夏に適したカゼ薬と言うことができます。また、胃腸の調子を整えることから、冬のカゼでも嘔吐・下痢を伴う胃腸型のカゼにも応用することができます。
カゼに使用する代表的な漢方薬といえば葛根湯(かっこんとう)です。寒気や肩こりなどを感じた段階で服用すると大変効果があります。「カゼのはやる季節は寒い冬」というイメージが強いですが、夏には夏のカゼがあり、冬のカゼとは起こり方や症状も違ってきます。
冬のカゼは、寒気や肩こりから始まり高い熱が出ることもあります。気温と湿度がとても低い冬の気候は、カゼの原因となるウイルス(インフルエンザなど)が活発になり、冬にカゼをひきやすくなるのはそのためです。一方、夏カゼでは吐き気や下痢などの胃腸症状が起こりやすく、寒気などはほとんどありません。夏のカゼを起こすウイルスは冬のものとは異なり、高温多湿を好みます。
冬のカゼは寒さ(寒邪)が体に襲い掛かってカゼの症状を引き起こすので、漢方の考えでは、体を温めて汗をかいて寒邪を追い出す葛根湯などの漢方薬を使用するわけです。逆に、夏カゼでは、暑さや湿気が体に悪影響を及ぼして体がほてり、ノドや目が赤くなったり、口渇や胃腸症状を引き起こすので、体を温める葛根湯はあまり向いていないということになります。夏カゼのほか、夏バテや冷たい飲食物のとりすぎによる食欲不振や下痢、全身倦怠感にも使用されます。
外から帰って冷たいビールをキューッと一杯というのも夏の楽しみの一つです。しかし、体を内から冷やし過ぎる原因となります。そればかりか、胃腸の中にいらない水分をためてしまい、俗に言う「水っ腹」の状態となります。食欲不振、吐き気も起こりやすくなります。スイカやウリなどのからだを冷やす果物、カキ氷やアイスクリームなども食べる量にはくれぐれも注意してください。
夏カゼや夏バテは、このような食生活も問題です。高い外気温と涼しい室温の温度差が体調不良の原因となります。だからといって、夏カゼの場合、冬のカゼのように部屋を暖かくして湿度を上げる必要ありません。むしろ軽くエアコン(除湿を中心に考える)をかけて、余分な湿気を体から追い払うことが重要です。
エアコンが広く普及した現代社会では快適さを追求するあまり、夏の室温を下げすぎてしまう傾向があります。暑い所から汗をかきながら帰宅し、クーラーで汗をひかせるというのは大変気持ちのよいことですが、何事もほどほどが大切です。
冷たい飲食物やエアコンは夏には欠かせないものですが、適度に使用した方が病気知らずで、より快適な夏を過ごせるはずです。
【証(病機)】外感風湿・内傷湿滞(がいかんふうしつ・ないしょうしつたい)
芳香化湿・理気和中・解表・止痛
・芳香化湿(ほうこうけしつ)…良い香りのするものは、水分代謝をよくするため、これを使った体内の余分な水分を取り去る方法です。芳香性の生薬を用い、湿邪を発散したり利水して除去することです。
・理気(りき)…理気:気の流れを良くすることです。気(氣)を正常に巡らせ機能を回復する治療法です。
・解表(かいひょう)…体内表面の邪気を除くことです。
・止痛(しつう)…痛みを止めることです。
・外感(がいかん)…季節や気候、環境など外界の要素で発生する病態です。
・風湿表証(ふうしつひょうしょう)…体表から風湿の邪が侵入して起こる悪風、しめつけられるような頭痛、関節痛、倦怠感、微熱などの症状です。
・内傷(ないしょう)…日常生活や精神的な原因で体に起こる病変のことです。
本方剤の適応する使用目標は次のとおりです。
発熱・悪寒・頭が重い・頭痛・身体が重だるい・胸苦しい・腹満・腹痛・悪心・嘔吐・下痢・舌苔は白膩・脈は濡などです。
【藿香正気散の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。
〈感冒〉 茨城県石岡市。69歳/女性。2、3日前から水様性の便が続いていると相談を受けた。体温は朝36.5度、昼37度、夜38度と徐々に上昇。味がなく、食欲不振、小便不利、体が重だるいとの事。鼻汁は薄く緑色に色づいて粘り気が多い。軽い咳があり、痰も薄緑色で少し粘りがあり、からむ程度である。面色は白く、むくみがある。霍香正気散を3日分服用していただいた。 3日後、便は普通便になり、鼻汁・痰もずっと少なくなり咳が止まった。体に力が湧いて、食欲も出ておいしく食べられるようになったと喜ばれた。小便の出も改善した。 ※平成14年9月下旬、胃ガンの切除後、脾胃気虚になり、頻繁に下痢を起こし、体力低下がはなはだしいので普段は参苓白朮散料を服用していただいている。 ・現代病名:感冒 |
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〈下痢に速攻〉 12歳の男児。体格は筋肉質でした。訴えを聞きますと、アイスクリームを食べた後、頭痛、腹痛を訴え、激しい下痢にみまわれたようです。このとき全身の倦怠感もあって、体力低下と冷えが原因と判断しました。 藿香正気散を1回3錠づつ服むよう推売。最初は吐き出してしまい、再度服用、そして2回服用後、2時間ほど睡眠をとると痛みも下痢も治まりました。 ・現代病名:下痢 |
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〈下痢を伴う風邪〉 宮城県仙台市。年齢/35歳。性別/男性。昨年11月頃、奥様が来店。 主人が風邪を引いて下痢をしているので薬はないでしょうかと言われました。症状を伺ってみると、吐き気はなく、食欲正常、悪寒発熱はなく、鼻汁もややでている程度とのことです。その他の症状は特にないようです。そこで、藿香正気散を1回3g、1日3回服用するように指示して3日分を差し上げたところ、1日分で下痢が止まったと言われました。 本来、藿香正気散は風寒+湿困脾の方剤ではありますが、あまり厳密に鑑別しなくても幅広く出せる処方です。 ・現代病名:下痢を伴う風邪 |
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外散風寒・内化湿潤に和中理気を兼ねた霍乱吐瀉の常用方です。
主薬は藿香で大量に用い、辛散により風寒を除き、芳香化濁により湿濁を化し、醒脾和中にも働きます。辛温芳香の蘇葉・白芷は、肺気を宣揚して風寒を除き表湿を疏透し、藿香を補助します。
辛温の半夏麹・陳皮は燥湿和胃・降逆止嘔に、苦温の厚朴・大腹皮は行気化湿・除満に働き、辛開苦降によって燥湿をつよめます。
健脚惨湿の白朮・茯苓は和中止瀉に、生姜・大棗・炙甘草は調和脾胃と諸薬の調和に働く、桔梗は、宣肺利隔・載薬上行するとともに、開肺気により水道を通利します。
全体で風寒外散・混濁内化・昇清降濁・気機通暢の効能が得られます。
◎、○、△ = 使用目標 (症状の強さ=◎>○>△) ▲ = 無いか、あっても極わずか × = ある場合は適応しない |
病症症状 | 合方 | 備考 |
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下痢が強い場合 |
藿香正気散+五苓散 » |
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