浮腫、口渇、尿利減少、下肢のはれや痛みのある方
表熱実証で関節の腫脹・疼痛・熱感などを呈する病態/風熱叉は風湿熱による関節・筋肉の痛み腫れ
腎炎、ネフローゼ、脚気、関節リウマチ、急性結膜炎、夜尿症、関節水腫、湿疹、変形性関節症、フリクテン性結膜炎、翼状片、痛風、紅皮症、下腿静脈瘤、ポリープ、ケロイド、黄疸、陰嚢水腫
●流産ぐせのある妊娠している方は、禁忌です。
●口渇、浮腫、尿不利
●下肢のはれや痛み
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西暦250年 三国時代 『金匱要略』 校訂 東漢・張機(仲景)著。原著は《傷寒雑病論》という。北宋の王叔和は《金匿玉函要略方》全3巻を記録し伝えた。その伝本を林億らは《金匿要略方論》と改名した。全25巻、方剤262方、内科雑病、婦人科、救急、飲食禁忌などについて述べられている。漢代以前の豊富な臨床経験を総結し、弁証論治および方薬配伍の一般原則を記している。→処方使用期間:1757年間
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k0427 | 260錠 | 4,104円(税込) |
●一日分生薬乾燥エキス量…2.40 g ●一日分価格(税込)…276円
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k2153 | 2.5g×42包(2週間分) | 3,165円(税込) | ||
k2154 | 2.5g×168包(56日分) | 10,941円(税込) |
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
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k0642 | 42包(2週間分) | 3,822円(税込) | ||
k0770 | 189包(63日分) | 15,311円(税込) |
●一日分生薬乾燥エキス量…3.25 g ●一日分価格(税込)…254円
商品番号 | 規格 | 税込価格 | 数量 | カゴに入れる↓ |
---|---|---|---|---|
k2033 | 60包 | 4,644円(税込) | ||
k2034 | 500g | 19,764円(税込) |
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証(症状・体質)判定を望む方は
証の判定メニュー画面へ »
※この判定のために、AI(人工知能)のエキスパート・システムを構築しました。
次の症状のいくつかある方は、本方剤が良く効く可能性が大きいです。
…汗法:肺気を宣発し営衛を暢調にして膜理を開泄することにより、「遍身にちゅうちゅうと汗出づ」の状態にし、肌表にある外邪を汗とともに解除する治法です。
【中薬大分類】解表剤…発汗、解肌、透疹等をうながして、初期の感冒等表証に対処する方剤です。主に外感病の初期に使用します。
【中薬中分類】辛涼解表剤…冷やしながら解表(体内表面の邪気を除く)する方剤です。風熱表証(表熱)に用います。
表熱実(ひょうねつじつ) …証(体質・症状)が、表証(急性期)、熱証(炎症)、実証(体力充実)、湿証(水分停滞)の方に適応します。
【気血津・臓腑証】
清熱・祛風・利水→風湿熱(ふうしつねつ)…清熱の石膏と去風の麻黄および利水の蒼朮が主体で、他は胃薬と考えてよい処方です。石膏と麻黄の組み合わせば、炎症性の毛細血管の透過性亢進による溶出を抑制・改善すると考えられる効果を示し、皮膚の炎症性滲出・膨疹あるいは関節の炎症性腫脹などに奏効します。蒼朮も組織間の水分を血中に吸収し、しびれ痛みをとる効果もあり、麻黄・石膏を補助して滲出を改善します。
それで、炎症が強く滲出をともなう場合には越婢加朮湯を主体に、あるいは補助的に、広く用いることができ便利な方剤です。
祛風湿・清熱→熱痺(ねつひ)…祛風湿の麻黄・蒼朮と清熱の石膏が主体であり、熱痺に適します。
麻黄・蒼朮はしびれ痛みを軽減し、石膏は消炎に働き、さらに麻黄・石膏・蒼朮の利水の効能により組織間の水分を血中に吸収し排除する。大棗・炙甘草は鎮痒に働き、生姜とともに胃薬にもなります。
熱痺は、炎症性の充血・産出による症候で、関節炎などの炎症増悪期に出現します。
本方は、炎症による熱感・発赤・腫脹・疼痛を示す場合には広く用いてよいです。慢性化して炎症症状があきらかでなくても、触れて熱感を感じる場合には、他剤で根本的治療を行うとともに本方を配合します。
【証(病機)】風湿痺(ふうしつひ)
疏風宜肺・健脾利水・清熱・去風
・疏風(そふう)…疏風:風の邪気を分散させることです。
・宣肺(せんはい)…肺の機能を高めることです。
・健脾(けんぴ)…脾の働きです。脾胃の機能を正常にする治療法です。
・利水(りすい)…腎を温めて、脾を健全にすることです。尿や発汗のことです。水気を下行させて通利することです。利尿、導尿がそれです。薬物では猪苓・沢瀉・通草などにその作用があります。
・清熱(せいねつ)…熱をさますことです。身体の内部の熱を冷ますことです。体表の熱の場合は解熱といいます。
・去風(きょふう)…風邪を除くことです。
本方剤の適応する使用目標は次のとおりです。
●浮腫(むくみ)がある。
●汗をかきやすい。
●口渇(口やのどの渇き)がある。
●舌が乾燥気味で、白い苔が見られる。
●尿の出が悪い。
●胃部を押すとピチャピチャという水音がする。
●足腰の力が弱くなってきた。
●目の充血やにごり、目やに、涙目などがある。
●水虫やたむしなどの皮膚病があり、脂足である。
【越婢加朮湯の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。
〈火傷(やけど)〉 40代の婦人。実証。揚げ物をしていて、左手の甲に油を浴び火傷してしまった。中指と薬指が特にひどく、すぐ水で冷やしたそうだが、痛みは激しく、2本の指がくっついて水膨れになってしまった。ガーゼに塗った紫雲膏を張り付け、越婢加朮湯を与えた。痛みはすぐ和らぎ、水泡も3週間で消え、皮膚は破けなかったので、ケロイドにもならず、約3ヶ月の服用で跡形もなく治った。 ・現代病名:やけど |
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〈膝関節の疼痛〉 43歳の女子。左側膝関節の痔痛を主訴として来院。全身肥満し、1度も妊娠したことがない。月経に常はなく、大便は1日1行。尿はやや頻数。舌には白苔がある。膝の痛みは、歩行時はもちろん、5分間以上すわっていると痛みに耐えられなくなるという。患部を触診するに、栂指頭大の脂肪塊様のものがあって、これを圧すると痛む。越婢加朮湯を投与したところ、15日間の服用で患部の塊状物が消失して、痔痛もなくなった。この治験に気をよくし、結核性膝関節炎に本方を用い、かえって落痛が増し、食欲も減少したことがある。越婢加朮湯は虚弱者には禁忌である。 ・現代病名:膝関節の疼痛 |
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〈全身アトピーの小1女児〉 小学校1年生の女児。全身のアトピー性皮膚炎で、皮膚は乾燥して赤く、痒い(かゆい)のでかくと落屑が粉のように落ちる。毎晩1~2回起きて全身を母親にかいてもらうという。食欲もあるし、口渇も強い。いろいろの手当てをしても効果が上がらなかったという。 問診すると汗をかかない子であると母親がいう。そこで汗腺の調節作用のある桂麻各半湯と白虎加人参湯を与えた。約2週間のむと少しずつ痒みが減っている状態になったが、口渇が甚だしいことと、異常に皮膚が乾燥し、座席に粉をまいたように落屑がでるのを目当てにして越婢加朮湯を与えたところ、2週間、4週間と経過がよく、皮膚に潤いがつき、痒みが減じ、約半年で完治に至った。学校で同級生たちにきれいになったといわれ、子供は喜んでいますと母親が言っていた。越婢加朮湯は皮膚疾患の場合、皮膚の「乾湿」はあまり考えなくてもよいといわれる。 ・現代病名:アトピー性皮膚炎 |
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〈こまめに処方を変更して完治に導いた〉 R君(当時22歳〕は、生まれて間もなくアトピー性皮膚炎と診断され、20年以上も症状が続いていました。皮膚が赤くがさがさになって、のどの渇きや、立ちくらみなどの自覚症状がありました。高名な漢方研究医の診察を受けたところ、温清飲と茵蔯蒿湯を交互に飲むように指示されました。1週間後、汗をかきにくかったR君が汗をかくようになったところで、十味敗毒湯と越婢加朮湯に処方が変更されました。 これをしばらく続け、快方に向かっていましたが、9ヵ月後に炎症が再発。かゆみが出たため、今度は温清飲と越婢加朮湯が処方され、併行してオリーブオイルを外用するように指示されました。3ヵ月後、調子がいいので自分で薬を中断したところ、顔に湿疹が出て、ほてりとのどの渇きを覚えました。 医師に報告すると清上防風湯と越婢加朮湯を処方され、この服用を続けたところ、以後、再発はしなくなったということです。 ・現代病名:アトピー性皮膚炎 |
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〈皮膚病性腎炎〉 二十歳の男子。全身が腫れて、陰嚢も毬(まり)のようにふくれあがり、陰茎はその中に没してしまった。以前に疥癬隠疹があったのではないかと問うと、果してこれを外用薬で急に治し、それからこの浮腫が起こったという。 すなわち越婢加朮湯を与え、竜門丸を兼用したところ、数十日で治った。 ・現代病名:皮膚病性腎炎 |
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〈ポリープ〉 一男子。左足に庁を発し、外科医がこれを治療した後で、肉の茎が生じ、その状はちょうど蛭(ひる)のようであった。刀を以てこれを載り去っても痛まず、切ればまた伸びてくる。翌年別のところに庁が出来て、また同じような肉茎が出来た。毎年このようにして5本も出来、上下入り乱れて脛のところに垂れている。多くの医師は其の原因がわからず、薬をすすめるが効がない。患者の容態を精しくきくと、心胸微煩があり、ときに水を欲し、脚弱を訴えている。 よって越婢加朮湯に伯州散を兼用し、時々梅肉散を以て攻めたところ、数日にして肉茎はみな脱落した。 ・現代病名:ポリープ |
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〈急性腎炎〉 7歳と5歳の少女。姉妹がほとんど同時に風邪をひき、扁桃炎より急性腎炎を発した。全身浮腫、小便不利し、微熱があり、脈沈で、発病後数日、定型的越婢加朮湯の証であった。入院をすすめられて迷っているところであったが、二人ともこの方を服用すると、小便快利し、浮腫全く去り、20日ばかりで尿蛋白も消失し全治した。 この治験は昭和11年のころで、すらすらとよくなったので、患者の父親はよろこびのあまり、浅田宗伯翁愛用の匙というものを筆者に贈ってくれた。これはすなわち安政初年、多紀元堅が作制した周尺による古刀圭であった。患者の父は築地佃島の親分、二代目佃政を襲名した下崎長五郎氏であった。 (矢數道明・治験) ・現代病名:急性腎炎 |
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〈流涙症〉 21歳の未婚の女性。わけもなくただ涙が流れ、人まえに出られない。対談中も涙がポロポロとこぼれてる。眼科では遠視と結膜炎があるという。風邪のときや、冷たい風にあたったときはひどく、夏よりも冬がはげしい。そのほかに口渇と不眠があり、下痢しやすい。しかし、下痢した方が気持がよいという。 越婢加朮湯10日分をのむと少しはよいという。引き続き一カ月ほどのんで涙が出ない日が多くなった。結局10カ月ほど服薬したが、それでほとんど治って結婚した。 ・現代病名:流涙症 |
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〈膝関節痛〉 43歳の女性。左膝関節の落痛を主訴として来院した。患者は筋因が硬く肥満していた。一回も妊娠したことがない。月経は異常はなく、尿はやや頻数で、舌に白苔がある。膝の痛みは歩行時はもちろんのこと、五分以上すわっていると、痛みに耐えられなくなる。医師は神経痛といい、また指圧師は脂肪の塊りが神経を圧迫するからだというが、何をやっても治らない。 患部に栂指頭大の脂肪塊があり、圧痛がある。越婢加朮湯を与えたところ、一五日分の服用で、塊状物が消失し、落痛も拭うようによくなった。越婢加朮湯は体力も十分あって、脈にも腹にも力があり、一体に熱状のある関節炎に用いる。筋肉が軟かでしまりがなく水太りのあるものは、防已黄言揚である。虚実の差があり、老人、虚人には注意を要する。 ・現代病名:膝関節痛 |
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組成成分 |
麻杏甘石湯から杏仁を除いて生姜・大棗を加えたものが、これに白朮を加えたものが越婢加朮湯です。
石膏は強い寒性薬で、これが方剤中に入ると、他の生薬が温性であっても、方剤は全体として寒性となるので、この方剤も言うまでもなく寒性方剤です。
麻黄はエフェドリンの原植物で発汗・鎮咳の作用がありますが、石膏と組み合わされているので、むしろ止汗的に働くと考えるべきです。また杏仁が除かれているので、鎮咳作用もほとんど期待されません。したがって、本方剤中の麻黄は、その発散性と燥性が期待されて入れられていると考えてよく、それに白朮という燥性の強い薬物が加わることによって、方剤は全体として表証で湿証を治す(湿証を発散させて治す)ものと規定されます。
実は杏仁を除いたのも、咳を目的としない方剤だということのほかに、杏仁が潤性薬で、湿証には邪魔だという意味合いも含まれています。
生姜・大棗は桂枝湯にも柴胡剤にもしばしばペアとして入れられている薬物で、方剤全体の作用を緩和し、副作用を除く目的で入れられています。方剤全体として表熱実証で湿証用の方剤と言うことができます。
※神農:三皇五帝のひとりです。中国古代の伝説上の人といわれます。365種類の生薬について解説した『神農本草経』があり、薬性により上薬、中薬、下薬に分類されています。日本では、東京・お茶の水の湯島聖堂に祭られている神農像があり、毎年11月23日(勤労感謝の日)に祭祀が行われます。
●腎機能を回復させ、浮腫やリウマチに効く 越婢加朮湯は、春秋時代の中国の越国から伝えられたことから、その名に越が付く漢方薬です。浮腫や口渇、多汗に効く「越婢湯」に朮を加えたものです。越婢湯の主な構成生薬である石膏と麻黄の働きにより、体内の組織にたまっている余分な水分を血液中に取り込み、尿中に排出します。こうして体内の水分の流れが正常になって、腎臓の機能が回復するため、むくみやネフローゼ、リウマチや神経痛、関節炎などが改善されます。ただしある程度、体力が充実している人に処方される漢方薬であるため、虚弱体質の人や胃腸の弱い人、高齢者や妊婦、狭心症や心筋梗塞のある方は、利用を避けた方が賢明です。 |
●皮膚病や眼病にも幅広く適応 加えて、目に関するさまざまな症状にも用いられます。目の充血や黒目(角膜)部分のにごり、目やにや涙目、目のかゆみやただれなどを改善します。中でも翼状片という目の症状に対する効果は特筆されます。これは、白目の部分に白い組織が、鼻側から角膜に向って眼球上に広がってくる病気です。 この病気に対しては江戸時代から、さまざまな治療が試みられてきました。現代医学では、眼球上に広がってきた部分をはがし取る手術が多く行われていますが、越婢加朮湯を服用することでも、大きな改善効果が得られます。 このほか、皮下腫瘍やポリープ、黄疸、さらに、足腰の力が弱くなるなどの症状が現れる下肢まひにも用いられるなど、広範な症状に効果を発揮します。 |
病症症状 | 合方 | 備考 |
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越婢加朮湯証で水腫、悪寒、小便不利等の甚だしい場合 |
越婢加朮湯+附子 » |
越婢加朮附湯 |
●風邪薬にも応用されている越婢加朮湯
越婢加朮湯は非常に適応範囲が広い漢方薬ですが、ほかの漢方薬と合わせても、さまざまな効果をもたらすため、重宝されています。その一例が、かぜに大変効果的な、次のような用い方です。
越婢加朮湯と桂枝湯を混ぜ合わせた、「桂枝二越婢一湯」という合方(複数の漢方薬を合わせた処方)は、葛根湯に勝るとも劣らない、かぜの改善効果があるといわれる処方です。桂枝二越婢一湯は文字どおり、桂枝湯と越婢加朮湯を2対1の割合で合わせたもので、強い薬1に対して弱い薬を2にすることで調和を取っているものです。使用目標は、発熱が多く悪寒が少ない、脈が弱いなどです。のどや頭が痛く、咳(せき)が出て、熱のある風邪によく効きます。
●主治:脾虚裏水