●寒がり手足が冷える。
●顔色白光白。
●足、腰、小腹部冷痛。
●未消化物が混じる水様の下痢(泄瀉)。
●あるいは五更泄瀉*あるいは排尿困難・浮腫・水鼓*。
*五更泄瀉(ごこうせっしゃ):五更の刻(夜明け前)になると下痢(泄瀉)をする。
*水鼓:腹部が膨隆して太鼓のようになる臓脹(鼓脹)の一種。
◆大分類:臓腑兼病弁証◆中分類:脾腎陽虚 |
本証には脾陽虚証がさらに進行し、全身の機能低下をきたして腎陽虚証を伴った場合、または腎陽虚証の者が脾陽虚証を伴った場合があります。 中医学では、脾は"後天の本"といわれ、身体を養うのに最も大切 な臓である.脾の消化吸収作用は、腎の陽気に助けられている.逆に、腎の精気は脾の消化吸収作用によって体外から吸収された栄養分(水穀精微)から作られる.夜明け時の下痢(泄瀉)(五更潟)は脾腎陽虚の下痢(泄瀉)の特徴の一つである. (今日的病名)腰や膝がだるく無力・インポテンツ・耳鳴り・尿量減少・浮腫(むくみ)・慢性腸炎・潰瘍性大腸炎・慢性下痢 久病 > |
【舌診】
舌淡鰍・苔白滑 舌 診 » |
【脈診】
沈弱 |
|
実脾飲 |
水腫が主の場合 |
附子理中湯 |
下痢(泄瀉)が主の場合 |
四神丸 |
下痢(泄瀉)が主の場合 |
理中地黄湯 |
|
四神丸合理中湯 |
|
八味地黄丸合補中益気湯 |
|
八味地黄丸合六君子湯 |
|
浮腫(むくみ)著明の場合 |
●リンクのある方剤は、その詳細内容のページへリンクできます。
●自分の力だけで生きている人は一人もいません。空気、水、太陽、地球、動植物のお陰で生きていることができます。
脾・胃病の一覧は次のとおりです。 |
腎・膀胱病の一覧は次のとおりです。 |
漢方・中医学(Traditional Chinese Medicine)における治療の特徴は、「病気そのものにこだわらず、体質の改善によって健康に導く」ことと、
「自然の生薬(herb) »を処方した漢方薬を使う」ことです。 生体における「気=エネルギー(energy)的なもの・肉体の機能や働き」、「血=血液(blood)」、「津液=体内水分」の3要素が身体をバランス良く循環することが大切だと考えます。 人間の健康は、これら「気」(陽)と「血・津液」(陰)の調和(harmony)のもとに保たれています。「血・津液」は、原動力となる「気」のもとで初めて活性化され、全身を循環して五臓六腑に栄養を供給します。 この陰陽(positive and negative principles)が調和(陰平陽秘)していれば、健康でいられますが、陰陽のバランスが崩れると、さまざまな病気が起きてくるのです。 ※黄帝:三皇五帝時代。夏王朝の始祖。宮廷医師、岐伯との問答形式で記された古典的医学書「内経 »素問」の著者です。日本では「ユンケル黄帝液」などと商品名に利用されています。 |
証(症状・体質)判定を望む方は 証の判定メニュー画面へ » ※この判定のために、AI(人工知能)のエキスパート・システムを構築しました。
脾陽と腎陽の関係
脾は運化をつかさどり、腎精を補充する。
脾脾陽と腎陽は相互に資助、促進しあう。
腎陽は脾陽を温照し、運化を補助する。
後天の本と先天の本
脾の運化の働きによって生成される栄養物質は、人が誕生してから後の生命維持に不可欠のものであることから、脾は後天の本と呼ばれる。一方、腎の蔵する精気は、父母から受け継がれる生命の源であり、栄養物質と同様、生命維持に不可欠のものであるため、腎は先天の本と呼ばれる。
病気はどうして起こるのでしょうか?(中医学の病因)異常が起こす病気のメカニズムは、次の4つに大別されます。1.陰陽失調…正常な状態での陰陽(positive and negative principles)は、互いに影響しあいながら平衡状態を維持 していることになります。しかし平衡状態が乱れて、どちらかが増長としたり減退すれば病気の引 き金となり、これが「陰陽失調」に当たります。【論治】陰または陽の補充を行う漢方薬を使用します。具体的には八綱分類で対応します。 2.邪正盛衰…邪とは病気を引き起こそうとする「病邪」、正は病邪から体を守 る「正気」のことで、病邪の力が正気を上回って病気になってしまうのが「邪正盛衰」です。たと えば、ウイルスを病邪、体の抵抗力を正気と考えればいいのです。ただ、結果的に邪が正を打ち 負かして発症するといっても、その過程は病邪・正気自体の強さによる2つのパターンに分けられ ます。この2つが、東洋医学の診断で重要な「実証か虚証か」という見きわめに直結します。【論治】病気の直接的な原因となっている「内外の病邪(病因)」を除去する漢方薬を使用します。 3.気血失調…血は気から作られ、その血は気に変化することもあるように、気 血は車の両輪のように密接に連動しながら人体の生理を支えています。「気血失調」とは、どちら か一方の乱れがもう一方に深刻な影響を与えて病気が起きることをいいます。【論治】体内に流通する気・血・水(津液)・精の疎通あるいは補充を行う漢方薬を使用します。 4.臓腑経絡の失調…五臓六腑の活動はそれぞれの臓器の気が行っています。こ の臓器中の気や血の不足から発症するのが臓腑の失調です。また、経絡は気と血の一部の運行経路 ですから、その機能が失調すると気血の流れに異常が起こって病気につながります。【論治】五臓六腑の機能を調整する漢方薬を使用します。 普通は、これらの4つのメカニズムの働きを1~3種類の漢方製剤で対応できることが多いです。しかしながら、成人病・難病は内・ 外の病因が複雑化し、五臓六腑の機能失調の状況や、体内を流通する気・血・津液・精の盈虚通滞(量的に過剰か不足 か、流通が過剰が停滞かなど)における病理現象が煩雑化しているため、4種類以上の漢方製剤を使用する場合もあります。 |
治則とは、2300年以上に渡る臨床の積み重ねの結果、確立された治療手順
の原則です。
治則には2つの原則があります。
中医学(漢方)は中国(China)で生まれ、発展した体系医学です。その起源(origin)は遠く2千3百年以上も前に遡ります。そして、日本にも古く(5世紀)に中国から朝鮮半島を経て伝わり、日本独自の発展をしました。 自然(nature)との調和(harmony)を求め、自然に学ぶ。自然を活かし、人(human being)を活かす。自然の恵み(mercy)。 五行:万物(all things)が木(tree)・火(fire)・土(earth)・金(metal)・水(water)の5つの要素で構成され、自然界の現象はこれらの運動や変化によって説明できるとした世界観です。陰陽五行説(positive and negative,five classification theory) » |