→精神的ストレス。
◆大分類:肝・胆病の弁証◆中分類:肝気鬱結(肝気鬱滞) |
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![]() 肝気鬱結とは、精神的ストレスによる症状を指しています。女性に多く見られます。精神的ストレスによる感情抑うつの状態は、多くの病気の原因や憎悪因子となります。また、逆に様々な病気は感情の抑うつをもたらします。中医理論によると、気のうっ滞は瘀血(気滞血症)を引き起こしたり、消化器系に影響して全身の機能低下をもたらします。 ![]() 肝気がうっ結すれば気の流通が滞り胸の煩悶感が発生する.ため息をつくと煩悶感は少し軽くなる.脇や季肋部、乳房、下腹部などは肝経が循っている部位なので、肝気がうっ滞するとこれらの部位の気の流通が停滞し、腫脹感や痛みを覚える. 嘔吐、げっぷ、胃酸の逆流、食欲不振などは後述するように、うっ結した肝気が胃を犯した証候(肝気犯胃証)である. 治療では精神安定作用、胃腸蠕動運動の改善作用、鎮痙作用などのある薬物を組み合わせる. ![]() 慢性咽喉頭炎・心臓神経症・高血圧症・神経症・常習性頭痛・慢性肝炎・過敏性腸症候群・抑うつ状態・座瘡・尋常性乾癬・脱毛症・肝斑・月経前症候群・月経困難症・耳鳴り・脳血管性痴呆・脳卒中後遺症・尿道症候群・肩こり・不眠症・慢性扁桃炎・男性の性機能障害・乳腺症・口腔、口唇乾燥症 ![]() ストレス > 肝の疏泄(そせつ)の機能失調 |
舌 診 » |
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肝気鬱結(肝気鬱滞)の代表方剤です。 |
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柴胡疏肝散 |
肝気欝結 疏肝解欝 |
柴胡疏肝湯 |
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逍遙散 |
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四七湯 |
梅核気 理気消痰 |
海藻玉壷湯 |
痩瘤 理気消屡 |
驚甲煎丸 |
瘡痕 活血軟堅 |
動悸、不眠、いらいらが強い場合に使用します。 |
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呼吸困難、不安、抑鬱などの精神神経症状に使用します。 |
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軽度の熱証を伴う場合に使用します。 |
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●リンクのある方剤は、その詳細内容のページへリンクできます。
●だん中、内関、期門、太衝(たいしょう)、陽陵泉(ようりょうせん)、支溝など。瀉法
思考活動と決断、血量のコントロールをつかさどる
肝のはたらき
①蔵血作用…血(血液)をたくわえ、全身に供給します。
②疏泄(そせつ)作用…気の流れを調節→血の流れをコントロールします。
③脾や胃(消化器)の働きを助けます。
④胆のはたらきをコントロールする→胆汁の生成を促進します。
⑤筋肉…筋肉を管理して関節運動が円滑に行えるようにします。
⑥目…目と関連して、視力を調節しています(目に開竅)。
⑦爪…血の濡養作用の状況は爪の変化としてあらわれます(華は爪)。
⑧涙…肝液です。
胆のはたらき
①胆の胆汁は消化器のはたらきを助け、臓腑の活動状況を監視します。
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![]() 生体における「気=エネルギー(energy)的なもの・肉体の機能や働き」、「血=血液(blood)」、「津液=体内水分」の3要素が身体をバランス良く循環することが大切だと考えます。 人間の健康は、これら「気」(陽)と「血・津液」(陰)の調和(harmony)のもとに保たれています。「血・津液」は、原動力となる「気」のもとで初めて活性化され、全身を循環して五臓六腑に栄養を供給します。 この陰陽(positive and negative principles)が調和(陰平陽秘)していれば、健康でいられますが、陰陽のバランスが崩れると、さまざまな病気が起きてくるのです。 ※黄帝:三皇五帝時代。夏王朝の始祖。宮廷医師、岐伯との問答形式で記された古典的医学書「内経 »素問」の著者です。日本では ![]() |
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鑑別のポイント:肝気欝結証の決定
誘発原因として精神的要因が存在する。
脹・悶・痛、気滞の三大症状を主症にもつ。
病気はどうして起こるのでしょうか?(中医学の病因)異常が起こす病気のメカニズムは、次の4つに大別されます。1.陰陽失調…正常な状態での陰陽(positive and negative principles)は、互いに影響しあいながら平衡状態を維持 していることになります。しかし平衡状態が乱れて、どちらかが増長としたり減退すれば病気の引 き金となり、これが「陰陽失調」に当たります。【論治】陰または陽の補充を行う漢方薬を使用します。具体的には八綱分類で対応します。 2.邪正盛衰…邪とは病気を引き起こそうとする「病邪」、正は病邪から体を守 る「正気」のことで、病邪の力が正気を上回って病気になってしまうのが「邪正盛衰」です。たと えば、ウイルスを病邪、体の抵抗力を正気と考えればいいのです。ただ、結果的に邪が正を打ち 負かして発症するといっても、その過程は病邪・正気自体の強さによる2つのパターンに分けられ ます。この2つが、東洋医学の診断で重要な「実証か虚証か」という見きわめに直結します。【論治】病気の直接的な原因となっている「内外の病邪(病因)」を除去する漢方薬を使用します。 3.気血失調…血は気から作られ、その血は気に変化することもあるように、気 血は車の両輪のように密接に連動しながら人体の生理を支えています。「気血失調」とは、どちら か一方の乱れがもう一方に深刻な影響を与えて病気が起きることをいいます。【論治】体内に流通する気・血・水(津液)・精の疎通あるいは補充を行う漢方薬を使用します。 4.臓腑経絡の失調…五臓六腑の活動はそれぞれの臓器の気が行っています。こ の臓器中の気や血の不足から発症するのが臓腑の失調です。また、経絡は気と血の一部の運行経路 ですから、その機能が失調すると気血の流れに異常が起こって病気につながります。【論治】五臓六腑の機能を調整する漢方薬を使用します。 普通は、これらの4つのメカニズムの働きを1~3種類の漢方製剤で対応できることが多いです。しかしながら、成人病・難病は内・ 外の病因が複雑化し、五臓六腑の機能失調の状況や、体内を流通する気・血・津液・精の盈虚通滞(量的に過剰か不足 か、流通が過剰が停滞かなど)における病理現象が煩雑化しているため、4種類以上の漢方製剤を使用する場合もあります。 |
治則とは、2300年以上に渡る臨床の積み重ねの結果、確立された治療手順
の原則です。
治則には2つの原則があります。
中医学(漢方)は中国(China)で生まれ、発展した体系医学です。その起源(origin)は遠く2千3百年以上も前に遡ります。そして、日本にも古く(5世紀)に中国から朝鮮半島を経て伝わり、日本独自の発展をしました。 自然(nature)との調和(harmony)を求め、自然に学ぶ。自然を活かし、人(human being)を活かす。自然の恵み(mercy)。 ![]() 五行:万物(all things)が木(tree)・火(fire)・土(earth)・金(metal)・水(water)の5つの要素で構成され、自然界の現象はこれらの運動や変化によって説明できるとした世界観です。 |