気虚症状
●息切れ。
●声が低く小さい。
●あまりしゃべりたがならい。
●倦怠感。
●疲れやすい。
●暑くもなく動かないのに汗が出る(自汗)。
血虚症状
●顔色が白く赤味がないあるいはつやのない黄色。
●唇や爪や眼瞼粘膜も白く赤味がない。
●動悸。
●不眠。
ほかよくみられる症状
●めまい。
●耳鳴り。
●四肢のしびれ感や知覚鈍麻。
●痩せ。
◆大分類:気血同病の弁証◆中分類:気血両虚(気血不足) |
気血両虚は気虚と血虚の両方を兼ねた状態を指します。 感冒・めまい・脱毛症・関節リウマチ・月経困難症・月経周期の異常・習慣性流産・更年期障害・乳腺炎・冷え症・腰痛症・学童児の起立性調節障害・月経前症候群・不妊症・甲状腺機能低下症・肺結核症・慢性副鼻腔炎・乳腺症・ アレルギー性鼻炎・男性不妊症・白内障・口腔、口唇乾燥症 久病により気血を損傷 > |
【舌診】
舌質は多くは淡白で力強さがない(淡敏) 舌 診 » |
【脈診】
細弱 |
…気血両補(気血双補) |
気血双補剤の基本です。 |
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当帰補血湯 |
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消化器、呼吸器、血液を総合的に補強します。 |
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健忘症の改善によく使用されます。 |
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気が疲れ果てて眠れないときによく使用されます。 |
●リンクのある方剤は、その詳細内容のページへリンクできます。
●自分の力だけで生きている人は一人もいません。空気、水、太陽、地球、動植物のお陰で生きていることができます。
氣のはたらき
気は食べ物の栄養分や呼吸からとり込まれ、体内のさまざまな働きを支えています。
次のような5つの働きがあります。
●推動(すいどう)作用…内臓の働きや、血と津液の流れを促進します。
●温煦(おんく)作用…体温を維持し、内臓を温めて、働きを促進します。
●防衛(ぼうえい)作用…体の表面を保護して、外邪が入り込むのを防ぎます。
●気化(きか)作用…血を精に変える、津液を汗に変えるなど、気・血・津液や精を変化させます。
●固摂(こせつ)作用…汗や月経血などの量を調節して体内の物質の排泄を調整します。
体を構成する気には、宗気・営気・衛気・元気などがあり、それぞれ得意分野があります。
●宗気(そうき)は推動作用が高いのが特徴です。
●営気(えいき)は栄養に富んでいます。
●衛気(えき)は病邪への抵抗作用が強いのが特徴です。
●元気(げんき)は成長を促進したり、活力を旺盛にしたりする働きがあります。
血のはたらき
●血の原料は、脾で飲食物を消化して生成される水穀の精微(栄養分)です。水穀の精微から直接つくられたり、そこからとり出された営気と津液を合成して作られたりします。そして生成された血は、心の働きで五臓六腑から皮膚にいたるまで、全身に送られ続けます。
●全身に送られる血は、体の働きを支える栄養源として活用されます。筋肉や骨格がじょうぶでたくましくなるのも、物がしっかり見えるのも、血の働きがあってこそです。肌や髪の毛がつややかなのも、物がしっかりつかめるのも、すべて血の働きなのです。
●さらに、血は気とともに、精神活動を支える基本物質でもあります。気血が十分にあるからこそ、意識がはっきりし、精神が安定するのです。
漢方・中医学(Traditional Chinese Medicine)における治療の特徴は、「病気そのものにこだわらず、体質の改善によって健康に導く」ことと、
「自然の生薬(herb) »を処方した漢方薬を使う」ことです。 生体における「気=エネルギー(energy)的なもの・肉体の機能や働き」、「血=血液(blood)」、「津液=体内水分」の3要素が身体をバランス良く循環することが大切だと考えます。 人間の健康は、これら「気」(陽)と「血・津液」(陰)の調和(harmony)のもとに保たれています。「血・津液」は、原動力となる「気」のもとで初めて活性化され、全身を循環して五臓六腑に栄養を供給します。 この陰陽(positive and negative principles)が調和(陰平陽秘)していれば、健康でいられますが、陰陽のバランスが崩れると、さまざまな病気が起きてくるのです。 ※黄帝:三皇五帝時代。夏王朝の始祖。宮廷医師、岐伯との問答形式で記された古典的医学書「内経 »素問」の著者です。日本では「ユンケル黄帝液」などと商品名に利用されています。 |
証(症状・体質)判定を望む方は 証の判定メニュー画面へ » ※この判定のために、AI(人工知能)のエキスパート・システムを構築しました。
補気剤の代表は四君子湯です。補血剤の代表は四物湯です。四君子湯合四物湯は八珍湯と称され、気血双補剤の基本です。
病気はどうして起こるのでしょうか?(中医学の病因)異常が起こす病気のメカニズムは、次の4つに大別されます。1.陰陽失調…正常な状態での陰陽(positive and negative principles)は、互いに影響しあいながら平衡状態を維持 していることになります。しかし平衡状態が乱れて、どちらかが増長としたり減退すれば病気の引 き金となり、これが「陰陽失調」に当たります。【論治】陰または陽の補充を行う漢方薬を使用します。具体的には八綱分類で対応します。 2.邪正盛衰…邪とは病気を引き起こそうとする「病邪」、正は病邪から体を守 る「正気」のことで、病邪の力が正気を上回って病気になってしまうのが「邪正盛衰」です。たと えば、ウイルスを病邪、体の抵抗力を正気と考えればいいのです。ただ、結果的に邪が正を打ち 負かして発症するといっても、その過程は病邪・正気自体の強さによる2つのパターンに分けられ ます。この2つが、東洋医学の診断で重要な「実証か虚証か」という見きわめに直結します。【論治】病気の直接的な原因となっている「内外の病邪(病因)」を除去する漢方薬を使用します。 3.気血失調…血は気から作られ、その血は気に変化することもあるように、気 血は車の両輪のように密接に連動しながら人体の生理を支えています。「気血失調」とは、どちら か一方の乱れがもう一方に深刻な影響を与えて病気が起きることをいいます。【論治】体内に流通する気・血・水(津液)・精の疎通あるいは補充を行う漢方薬を使用します。 4.臓腑経絡の失調…五臓六腑の活動はそれぞれの臓器の気が行っています。こ の臓器中の気や血の不足から発症するのが臓腑の失調です。また、経絡は気と血の一部の運行経路 ですから、その機能が失調すると気血の流れに異常が起こって病気につながります。【論治】五臓六腑の機能を調整する漢方薬を使用します。 普通は、これらの4つのメカニズムの働きを1~3種類の漢方製剤で対応できることが多いです。しかしながら、成人病・難病は内・ 外の病因が複雑化し、五臓六腑の機能失調の状況や、体内を流通する気・血・津液・精の盈虚通滞(量的に過剰か不足 か、流通が過剰が停滞かなど)における病理現象が煩雑化しているため、4種類以上の漢方製剤を使用する場合もあります。 |
治則とは、2300年以上に渡る臨床の積み重ねの結果、確立された治療手順
の原則です。
治則には2つの原則があります。
中医学(漢方)は中国(China)で生まれ、発展した体系医学です。その起源(origin)は遠く2千3百年以上も前に遡ります。そして、日本にも古く(5世紀)に中国から朝鮮半島を経て伝わり、日本独自の発展をしました。 自然(nature)との調和(harmony)を求め、自然に学ぶ。自然を活かし、人(human being)を活かす。自然の恵み(mercy)。 五行:万物(all things)が木(tree)・火(fire)・土(earth)・金(metal)・水(water)の5つの要素で構成され、自然界の現象はこれらの運動や変化によって説明できるとした世界観です。陰陽五行説(positive and negative,five classification theory) » |