●六君子湯(りっくんしとう)
胃炎、胃アトニー、胃下垂、消化不良、おう吐、食欲不振、胃痛!
〈胃炎〉
50歳男子。ある小学校の校長。半年前より胃腸の調子が悪く、徐々にやせてくるため、病院で検査を受けたところ、無酸性胃炎であり、がんに移行する危険があると診断された。食欲はなく、顔色が悪い。心窩がつかえ、ときにシクシクと痛む。多少腹鳴があることを目標に半夏瀉心湯を投与したが、症状はわずかに改善がみられた、という程度にとどまった。4週間後、今度は易疲労を強く訴えたため、六君子湯に変方すると症状は急速にとれはじめ、3ヶ月日には食欲も出て体力も回復した。
〈胃下垂症〉
28歳の婦人。平素から胃腸が弱い。最近目立ってやせたので医師に診てもらったところ、胃下垂症で、胃が骨盤まで下がっているといわれた。そのため食欲がなく、少し食べると、みずおちが重く、ときどきめまいがする。それと便秘のために4日に一度ぐらい洗腸しているという。脈は力なく、瞬の上で振水音を証明する。六君子湯を与え、甘味を制限した。これをのむと毎日気持のよい通じがあり、食が進むようになり、1ヶ月ほどで4キロほど体重が増え、振水音もかすかに証明できるほどになった。そればかりか風邪もひかなくなった。
〈曇りの日に現れる頭重感とめまい〉
主婦のNさん(36歳)は、いつも頭が重だるく、めまいがして、体に力が入らないという症状で悩んでいました。この症状は、特に曇りの日や台風の前後にひどくなります。そこで、Nさんは漢方を処方するクリニックを訪れました。日ごろから胃が弱く、冷え症のNさんには、頭重感を治す標治(局所的な治療)の処方として半夏白朮天麻湯、胃弱という体質を改善する本治(根本的な治療)の処方として六君子湯が出されました。
服用を始めると、徐々に胃の調子が整い、それに伴って頭重感やめまいなどが起こる回数が減り、やがてまったく症状が現れなくなりました。