●半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう) 自律神経失調症に伴うのどのつかえに著効を示す漢方薬!
〈風邪後の声枯れ〉
20代のエレベータガール。
風邪をひいた後、時々声がかすれるという。まれに咳が出るが、風邪の症状は、もうすっかりとれた。訴えにはなかったが、話しをしている最中、時々咳ばらいをしていた。たずねてみると、気にはしていなかったが、言われてみると時々のどに何かつかえる感じがあるという。仕事中不安なら、始まる前にも服用してかまわないとつけ加え、半夏厚朴湯を投与すると、のどのつかえもかすれることも減り、安心して仕事ができると笑顔を見せてくれた。
〈悪心〉
50歳前の女性。
いつも着物を着ている。色白で細面。食欲がなく、胃が重いという。あまりはっきりした症状ではないが、話し方などに気欝の傾向がある。会話中に軽い小さな咳をするが、本人はあまり気づいていないらしい。尋ねると、タバコを吸うのを見てしまうと遠いところであっても咳が出そうになるという。半夏厚朴湯の細粒ですっかりよくなり、以後胃の薬は飲まなくなったという。
〈若い母親のイライラ〉
Sさんは20代前半の若いお母さんです。
月経の前になるとイライラして子どもに当たり散らしていましたが、月経が終わると何であんなにイライラしたのかと反省する日々を送っていました。
そのうち、のどに何かが詰まっているようで声が出にくくなったため、漢方を扱う病院を訪れました。
そこで桂枝在苓丸と半夏厚朴湯を処方してもらい、服用したところ、2週間後に月経がきました。それからは以前ほどイライラしなくなり、3ヵ月ですっかりイライラは取れました。
〈半夏厚朴湯で声枯れを解消〉
小学校教諭のAさん(26歳・女性)は、毎年、新学期になると、なぜかのどが詰まる感じを覚え、声がかすれ、毎日の授業や児童への生活指導に支障が出るほどでした。
耳鼻科の学校医の診察を受けていますが、毎回、異常なしといわれ、これといった治療も受けられません。そこで、学校の近くの漢方薬局に相談すると、「生徒や職員室の雰囲気も変わって、ストレスを感じているのでは」と半夏厚朴湯を勧められました。
ストレスで声が枯れるとは思いもしなかったAさんですが、3日ほど服用すると声枯れが解消されました。今でも半夏厚朴湯をときどき飲んでいるそうです。