●当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう) しもやけ、頭痛、下腹部痛、腰痛!
〈冷え症〉
45歳女子。若いころから冷え症気味で、夏でも靴下をはいていないと冷えて眠れない。やせて顔色は悪く、脈力、腹力、ともに弱い。特に膝から下が氷につかっているように冷たく感じられ、時々腹痛を訴えることから当帰四逆加呉茱萸生姜湯を投与。2週間後には、体全体がやや温まってきたようだと大喜びし、半年で症状は完全に消失した。さらに4ヶ月ほど服薬し、廃薬した。
〈慢性頭庸、冷え症〉
32歳、女性。慢性の頭痛持ちで鎮痛剤をたえず服用しているとのこと。今回の頭痛は、鎮痛剤を服用してもおさまらず、どうしたらいいのかとの相談であった。
色白でやや肥りぎみタイプ。舌はわずかに白苔があり、肩こりで手足が冷え、よく冷たいものを好んで飲むという。食欲はなく、以前に、精密検査をうけたが、別に異常はない。下痢はしゃす<、尿の出は1日4、5回ぐらいという。最近は鎮痛剤の連用のためか、胃炎と診断され、さらに貧血症状もあるとのことで、鉄剤もいっしょに医者からもらっているという。
冷え症、頭痛、胃炎を目標に当帰四逆加呉茱萸生姜湯と六君子湯を合方して服用させてみた。それから鉄剤の服用は中止させた。
後日、来店され、症状について聞いてみると、漢方薬を服用した晩、あんなに激しかった頭痛がうそのように治ったという。その後はあまり激しい頭痛はなくなり、食欲もでてきて調子がいいという。現在でも漢方薬を常備薬として服用中である。
〈冷えによる腹痛が翌日には解消〉
Wさん(49歳・女性)は、真冬に葬儀に参列したのがきっかけで、おなかが張って痛むようになりました。痛みは右の下腹部で、Wさんは虫垂炎ではないかと思いましたが、漢方を取り入れている病院で診察してもらい、医師に体を冷やしたこと、鼠頚部に沿って痛みがあることをいうと、当帰四逆加呉茱萸生姜湯が処方されました。苦い薬と説明されましたが、苦みよりも甘みを感じ、1日の服用で痛みはすっかり消えました。すると以後は薬を苦く感じるようになり、医師から、もう服用の必要はないといわれたのです。