十味敗毒湯の症例・治例

効果この症例に近い病症の方は、この方剤を用いることをお奨めします。

事例蘆溝橋・欄干(獅子の彫刻)●十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)  化膿性疾患を治し、アレルギー体質を改善する妙薬!


1〈水虫〉

40歳代の男子会社員。
足に水虫があり、近頃は左の手のひらにもできて困ると言う。痒みがあり、熱感も少しあり、疲労感、便秘、胸脇苦満も少しみとめられる。十味敗毒湯を20日分程服用して、手は一応治ったということで廃薬したが、2年程たって手に再発した。再び十味敗毒湯を服用して手は治ってきた。手のひらも足も皮膚科医で検査したところ、足の方は治りにくいが、悪化はしないという。

2〈アレルギー性皮膚炎〉

昭和31年11月23日初診。特異体質者で新薬に対して非常な過敏症である。3年前に高熱を出した時使用したペニシリンに反応を起こして、'全身に発疹し、3日後には発疹が黒色に変じてしまった。入院治療を受けたが、薬がほとんど使えないため、皮膚の色は元通りにはなっていない。3日前、発熱し、内科で注射されたことから、また3年前と同様の症状が出たため、漢方に望みを託して来院した。初診時の症状は、顔面と手の甲が赤黒く、腫れ上がって、チクチクする刺激感があり、動くと動悸がして苦しい。十味敗毒湯に連麹と慧薮仁を加味して投与したところ、2日後には腫脹がひき、赤黒い色も消失しはじめた。前後50日の服用でほぼ完治。廃薬した。

3〈十味敗毒湯で症状がよくなった〉

美容師のKさん(25歳・女性)は、お客さんの髪を染めたり、パーマをかけたりすると、手や顔がかぶれ、頻繁に化膿していました。このままでは、仕事にも支障が出るため、自宅近くの皮膚科医院で治療を受けたところ、医師からヘアダイ(髪染め)成分のパラフェニレンジアミンによる接触皮膚炎と診断され、ステロイド薬を処方されました。
しかし、ステロイド薬で症状が一時的に改善しても、店に出ると、またかぶれて化膿することの繰り返しで、完治しそうにありません。そのうちにKさんは、このままでは転職しないかぎり治らないと思いつめるようになってしまいました。
心配した同僚がKさんを漢方薬局に連れていったところ、薬剤師から「仕事をしばらく休み、十味敗毒湯を毎日3回飲むように」と指示されました。
Kさんがわらをもつかむ思いで1ヵ月服用したところ、かぶれと化膿は徐々に改善していきました。Kさんは、まだ仕事には復帰していませんが、気長に体質改善を図っていくそうです。

唐太宗・李世民 朱雀