酸棗仁湯の症例・治例

効果この症例に近い病症の方は、この方剤を用いることをお奨めします。

事例蘆溝橋・欄干(獅子の彫刻)●酸棗仁湯(さんそうにんとう)  心身疲労、不眠、ノイローゼ!


1〈不眠〉

62歳、男子。
数年来、不眠、頭重、耳鳴り、肩こりを訴え、疲れやすく、食もまたすすまないという。いままでいろいろの睡眠薬を用い、また2年間、医師の治療を受けているが、よくならない。
やせ型の体格で、腹部に力がなく、瞬部で動悸がやや元進している。私はこれに酸棗仁湯を与えたが、1ヶ月あまりの服薬で耳鳴り、肩こり、頭重がとれ、5〜6時間の安眠ができるようになり、記憶力を増進した。そこで小柴胡湯に転じたところ、10数年前からの病疾であった痔核も全く完治した。酸棗仁湯は不眠に用いる方剤であるが、これで盗汗がやんだり、便通がついたりする。

唐太宗・李世民 朱雀