黄連解毒湯の症例・治例

効果この症例に近い病症の方は、この方剤を用いることをお奨めします。

事例蘆溝橋・欄干(獅子の彫刻)●黄連解毒湯(おうれんげどくとう)  胃炎、二日酔い、不眠症、血の道症、ノイローゼ、めまい、動悸、鼻出血、アトピー性皮膚炎!


1〈ニキビ〉

治例図 22歳、男子大学生。
鼻を中心に赤いニキビができていて、いろいろ手当しても治らないという。漢方薬も清上防風湯などを服用しても、あまり効果が出ない。体格も中以上であるし、両耳が赤味をおびているので、黄連解毒湯を与えたところ、体の調子がよくなるとともに、ニキビの赤味が消失し、次第に範囲がせばまって、4ヶ月ほどで皮膚がきれいになった。

2〈尋常性乾癬〉

47歳の女性。
体重は52sで、少々赤ら顔の中肉中背型。本人の主訴は尋常性乾癬である。2年前、皮膚科で診断され、いろいろ治療を受けたが、ほとんと効果がなかった。患部は両肘頭、手の指、膝頭におよび、背中のところどころにも円形の紅斑と部分的に銀白色の鱗屑が見られる。便通は1日1回、食欲は正常、ただし、ストレス等は多い様子で、血圧は150〜95と少々高めである。これに黄連解毒湯を与え、約5ヶ月の服用後、その間、波はあったが、1/3〜1/2程度の軽快を見、現在も服用を続けている。

3〈飲酒によるいびきが漢方薬で解決〉

薬剤師をしているKさんの夫(46歳)は、特に大きな病気はないものの、普段からいびきをかく方で、飲酒をした夜はさらにひどくなる、といった状態でした。
夫のいびきのためにKさんは熟睡できず、悩みの種となっていました。夫はといえば、いびきには気づかないものの、二日酔いに悩まされていました。
ある日Kさんは、漢方の専門家から黄連解毒湯が二日酔いに効くことを聞きました。そこでKさんは、アルコールを速やかに排出する黄連解毒湯なら、夫のいびきも解消できるのでは、と考えました。しかも、Kさんの夫は赤ら顔、高血圧という黄連解毒湯が合うタイプです。その夜、早速Kさんは「二日酔いに効く薬」として夫に飲んでもらうことにしました。すると夫は、飲酒をしていた夜にもかかわらず、いびきをまったくかきません。それも、思わず夫の口に手をあてて呼吸を確かめてしまうほど静かなのです。
翌日、夫は二日酔いもまったくなく、すっきりとした1日を送ったとのこと。この日を境に、Kさんの睡眠不足の悩み、夫の二日酔いの悩みが一度に解決したことはいうまでもありません。

唐太宗・李世民 朱雀