●温清飲(うんせいいん) 治りにくい頑固な皮膚病に効く漢方薬!
〈血の道症(身体灼熱感)〉
45歳の女性。
8年前から非常に疲れやすくなり、咽がはれて目が充血し、全身が火の中に入ったように熱くなり、心臓が止まりそうになる。この熱感は疲労後に多く、多い時には月に2〜3回も起こる。また、入浴するとゆでだこのように真っ赤になる。5年前に子宮筋腫の手術をし、卵単の摘出をしている。左瞬から下腹部にかけて抵抗圧痛があり、オ血によるものと考え、桂枝茯苓丸を与えるが効果がない。この患者に温清飲を与え、3ヶ月間で数年に渡る灼熱感がほとんど改善した。
〈アトピー性皮膚炎〉
アメリカのシアトルで3人兄弟の真ん中として生まれ、生後1年6ヶ月までアメリカで育てられる。生後12ヶ月頃より、アトピー性皮膚炎が出始める。
平成2年1月来店時(3歳)は、ほぼ全身が赤く炎症し、その上にイモ粉をふいたように白くカサカサになっている。全身の痒みはかなり激しい。赤み、乾燥、痒みを目標に温清飲を投与する。症状が激しいので、大人量の1/2量位を投与した。2週間ずつ投与したが、半年を過ぎる頃から症状の改善がみられ、来店ごとに良くなっていくようである。オウレンを含む苦い薬であるが、嫌がらずにのむという。途中風邪のために、桂麻各半湯、真武湯を服用することがあったが、それ以外は継続して温清飲の服用を続けた。現在(平成4年9月)は、アトピー性皮膚炎があったとは思えない程きれいになり、七五三のモデルを写真館から頼まれたという報告を受けている。服薬は現在も、続行中である。
〈効果的だった漢方薬と番茶のうがい〉
Wさん(41歳・女性)は、耳鼻咽喉科でアフタ性口内炎の治療を受けましたが、よくなりませんでした。
小指の頭大の患部が2つあるのですが、ステロイド軟骨ではほとんどよくならなかったのです。そこで、漢方治療を受けることにしました。
処方されたのは、温清飲と人参湯。温清飲には痛みと炎症を抑える働きがあり、人参湯には胃の働きを高める作用があると説明されました。それに口の中を清潔にするために、番茶でのうがいも勧められました。治療を開始して10日ほどで、痛みが消え、潰瘍もきれいになくなってしまいました。