茵蔯蒿湯の症例・治例

効果この症例に近い病症の方は、この方剤を用いることをお奨めします。

事例蘆溝橋・欄干(獅子の彫刻)●茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)  口内炎、黄疸、じんましん、ネフローゼ、肝硬変症!


1〈二日酔い〉

治例図 28歳の男性。
普段あまりお酒を飲むことがないのだが、仕事のつきあいで久しぶりに飲んだところ、翌日に激しい二日酔いになってしまったという。症状としては、顔色は悪く、頭痛、吐き気、尿利減少、少し熱感を感じるという。舌の状態は真っ白。まさに二日酔いのデパート状態だった。茵蔯蒿湯と五苓黄解液をすぐ服用させ、3〜4時間ごとに服用するようにした。後日、本人が言うには、最初服用したものはすぐに吐いてしまったが、2回3回と服用していくうちに、尿がでるようになり、激しい二日酔いは起きなくなったという。

2〈非A非B肝炎〉

治例図 38歳、男性、教師。
2年前に胆石症の手術を受け、その際、保存血液輸血を400m1行った。以後、肝機能障害もなく経過していたが、最近になって全身倦怠感が強くなり、近医を受診したところ、GOT250ku,GPT180ku,T-Bi12.Omg/dlと言われた。肝炎には和漢薬治療がよいと知人に知らされ来院した。身長167p、体重70s。顔面わずかに紅潮し、眼球結膜が軽度に黄染している。全身倦怠感が強い。口苦、食欲不振、身体内部の熱感がある。また、暑がりで、手足が火照り、冷水をしばしば飲む。大便は2日に1回。便色は正常であるが臭いが強い。水を飲む割には小便が少なく、尿回数は1日4回前後である。脈は沈、緊で力がある。舌は舌尖が紅く、腫大し乾燥した白黄苔に厚く覆われている。腹力は中等度で、少しく膨隆し、軽度の胸脇苦満がみられる。高ビリルビン血症、口渇尿量減少と脈が有力なことから、茵蔯蒿湯を投与した。約1ヵ月の服用によってGOT45ku,GPT28q,T-BH1.5r/dlとなった。胸脇苦満が取り去れず、イライラ感もみられたため、小柴胡湯を以後併用したところ、2ヵ月目で諸検査成績は正常化した。

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唐太宗・李世民 朱雀